【転生したらスライムだった件】18巻より”7つの美徳”に対応する7つの究極能力があり、それらは美徳系究極能力と呼称されていることが分かりました。また、美徳系究極能力は創造主であるヴェルダナーヴァが世界を運営する為に創り出した天使系究極能力の中で最上位の権能に位置しています。
全ての能力は天使系究極能力を起点としており、これを劣化させたり分解させた能力や、揺り返しにより反転した能力が世界にあふれています。そのため、天使系究極能力は「純粋なスキル」と呼ばれています。能力についての解説は以下の記事を読んでみてください。
また、前回の〈美徳系究極能力・上〉では18巻時点で詳細が既出の美徳系究極能力を解説しました。それが以下になります。
なので今回は未出の美徳系究極能力の予想を行います。とはいっても、詳細が出ていないというだけで役割は全て明かされています。なので、役割からの権能の掘り下げということになります。
最後まで読んでいただければ幸いです。
前回の記事を読まなくても今回の記事を読むことに支障は無いと思いますが、よければ前回の方も読んでみてください。
※注…スキルの獲得や権能に関する情報に付随して、保有者の情報にも軽く触れています。
希望之王〈サリエル〉
これは元勇者であるグランベル・ロッゾがユニークスキル『不屈者』を親友と妻の魂、自身の”未来への希望”を捧げることで進化させた究極能力で、現在は勇者クロエ・オベールへと託されています。
権能
「生命の根源であり、輪廻の輪を管理する」為の権能とされています。初登場では”生と死”を司ると説明されており、”生”が生命の根源、”死”が輪廻の輪に関連しているのでしょう。
生命の根源
生命の根源と称するからには、「生命力を増加する」あるいは「エネルギーを生成する」といった賦活の権能が予想出来ます。
生命力は、魔素量ではなく身体能力に起因する「活力」だと考えられます。なので増加して向上するのは身体能力の類で、脚力や腕力などが強くなるのではないかと考えます。
これは16巻でのクロエ対フェルドウェイ戦から思ったことで、私はクロエがフェルドウェイと互角の近接戦闘を行えたことが少し疑問でした。というのもクロエは、直前の13巻で皇帝近衛程度に苦戦していたことを考えれば、竜種すら凌ぐ最強の一角であるフェルドウェイと戦えるわけがありません。しかし、数秒間だけですがミカエルの並列存在を宿しているフェルドウェイと剣戟を交わしています。
十中八九、フェルドウェイは様子見であり本気を出していないでしょう。それに13巻の戦闘ではクロエに不利な状況となっていました。それでも皇帝近衛と世界最強の一角では格どころか次元が違うので比することなどあり得ません。クロエの潜在能力を考えても、ヴェルドラに比する存在力を潤沢に使うような大味な戦闘ではなく、剣戟である以上互角に戦うのは難しいのではないでしょうか。
そこでピンと来たのが「剣戟による直接戦闘」という点です。ここで、時空之王はまだ使いこなせていないので、それが要因だったとは考えにくいです。ですが、もしも希望之王が身体能力強化系の権能を保持しているならば、フェルドウェイと互角に戦えることにも納得が出来ます。時空之王は13巻で智慧之王の干渉を許可されているので戦闘中に補助してもらった説も思いつきましたが、それならば直後の天使長の支配を受けたときは即座に解除しているでしょう。
また、フェルドウェイはクロエが希望之王を保持していることに気付いています。このときミカエルはまだ天使系究極能力の感知能力は無かったはずなので、フェルドウェイは戦闘中に使われた権能を観察して正体に気付くしかありません。なので希望之王は使っていたのでしょう。
以上のことから、生命の根源に当たる権能は「身体能力の強化」であると考えます。
また、生命の根源というくらいですから「生命力の他者への譲渡」なども出来るでしょう。
さらに、可能性は薄いですが”生命の創造”といった権能があるかもしれません。というのも、もう片方の”輪廻の輪”を司っているからです。
輪廻の輪
輪廻の輪は”生命流転の縮図”ですので、輪廻の輪を管理するということは生命の流転を認識し操作するということです。管理するということは、生命を誕生させて、死後の魂を次の生命へ繋ぐ役割を担うので、生命そのものに干渉する権能を持っていそうです。
その権能には「生命の規格を設定しする能力」、「輪廻の輪の機能を流用して生命を誕生させる能力」、「生命を死に誘う能力」、さらに「死した生命の魂を掌握する能力」が考えられます。
生命の規格を設定する能力は、生命を別の種族に移り変わらせるため。輪廻の輪の機能を流用して生命の誕生する能力は説明不要。生命を死に誘う能力は、生命流転を加速させるため。死した魂を掌握する能力は、そうしなければ生命の規格を設定できないため。
以上が希望之王における権能、”生命の根源”および”輪廻の輪”についての考察になります。
純潔之王〈メタトロン〉
これは元勇者であり、現八星魔王の一角であるレオン・クロムウェルが所持している究極能力です。戦闘時には光を操っているのですが、これは権能を使っているためであり、レオンが元勇者で光の精霊と同化できるためでもあるようです。相性が良いということですね。
権能
権能の役割は、「混ざり合う全てを選り分けて干渉防止を行い、純粋なエネルギーを選別する」こととされています。なので大雑把に、権能は前半と後半の二つに分かれていると考えます。
混ざり合う全ての選別と干渉防止
まず「混ざり合う”全て”」なので、エネルギーのみを選り分けるわけではないでしょう。ですが「純粋な”エネルギー”を選別する」とされているので「”全て”から”エネルギー”を選別する」ということが分かります。ここでエネルギーを保有する”全て”とは何かというと、当然ながら”世界”になります。世界の運営のために創り出した権能ですから。
そして作中において世界=基軸世界であり、4巻でユウキにより基軸世界は半物質世界ということが判明しています。同様に半物質世界では魂と物質が存在している世界だとされています。なので「”全て”=”魂”and”物質”」という事になります。さらに13巻で智慧之王より「魂は”情報子”で構成されている」ことも判明しており、物質は原子(陽子と中性子)と電子で構成されています。どちらも素粒子です。
つまり、作中では「魂を含む全ては素粒子で構成されている」と明言されていることになるので、権能は「素粒子からエネルギーを選別する」ものであることが解ります。
ここで思い出すのが、2巻でリムルが獲得したエクストラスキル『分子操作』です。分子は原子で構成され、原子は素粒子群です。もしもエクストラスキルが分子、ユニークスキルが原子と段階があったならば、究極能力になれば「素粒子操作/支配」の権能があってもおかしくはありません。
「素粒子操作/支配」があれば素粒子に対する干渉権限が得られます。そして、その権能があれば「”全て”を選り分ける」ことが可能になります。素粒子を選別し干渉防止を行う。つまり、完全に”分離”させるということです。
18巻にて純潔之王の権能で”霊子”を操作しているので、当たっているのではないでしょうか。
ここまでが役割の前半です。
純粋なエネルギーの選別
こっちは簡単で、選別した素粒子からさらにエネルギーを分離させるのでしょう。物質的なエネルギーは熱、運動、光、電気などであり、魂は「魔素に存在する”魔力”」や「霊子に存在する”神聖力”」などです。それらを混じり気の無い状態に分離して選別、つまり摘出するのでしょう。
これならば世界中のどこからでもエネルギーの補充が出来ます。なにせ全てから摘出するわけですから、実質無限のエネルギーです。
以上より、純潔之王は選別の権能であり、選別には以下の3工程があると考えられます。
- 素粒子を選別
- 素粒子内のエネルギーを選別
- 素粒子からエネルギーを摘出
これを作中の”霊子”に当て嵌めれば
- 周囲の大気から霊子を選別
- 質量と神聖力を分離
- 霊子から神聖力を摘出
ということになるでしょう。これならば、霊子と神聖力を権能で直接操作するわけですから、神聖魔法を使うのに呪文どころか術式さえ必要ありません。
またスキルは、魂から発生するエネルギーである意思力により形成されます。なのでもしかすれば、スキルも選別対象に入るかもしれません。スキルも独自のシステムを持つ構造物ですから、分離による選別は可能のはずです。
以上が純潔之王の権能の考察になります。
救恤之王〈ラグエル〉
これはヴェルダナーヴァから妹であり次女のヴェルグリンドへ送られた究極能力で、18巻現在ではクトゥルフ系究極能力『炎神之王』への進化により消滅しています。なので、輪廻の輪に還っているかもしれません。
ヴェルグリンドはリムル・ヴェルドラとの連戦で権能をほぼ暴かれていますが、ヴェルグリンド視点の独白以外では詳細が明かされていないので、とりあえず解説ではなく予想という立ち位置にしました。
権能
「他者に支援、あるいは増幅を行う為」の権能とされています。
本質は”施し”に当たる”他者への支援”とされているので、おそらくは他者へ干渉を行いやすくする権能があることが伺えます。これは究極の権能なので、あらゆる防御結界を通過する「干渉促進」を行えると考えてもいいでしょう。進化した『炎神之王』にもその権能は引き継がれているはずで、『次元跳躍』は誓約之王の「絆から”繋がりを辿る能力”」と救恤之王の「次元の壁を無視した”干渉能力”」を掛け合わせたような権能となっています。
また同時に、支援の真骨頂は”効果の増大”とされています。これが増幅に当たる権能で、作中では「加速破壊促進」といった権能があります。
加速破壊促進
これは簡単に言うと、攻撃のプラスαで他者への支援を過剰に行った結果です。自身の攻撃には”効果の増大”による破壊効果の促進を行い、攻撃対象には生命活動を加速させ自壊させるという効果になります。
リムルの場合は誓約之王と暴食之王による二重の防御があったため効きませんが、ヴェルドラは「自然影響無効」の耐性があるにも関わらず熱線を回避を選択しなければなりませんでした。まあ、ヴェルドラには究明之王の権能である「真理之究明」と「最適行動」があるので、回避率を0%にしなければ当たりませんが。
ここで重要なのは「マイナスのベクトルにも支援を行える」ということです。生命活動の「プラスからマイナスへ向かう活動」を支援したように、例えば呪い等のデバフを支援することが出来るわけです。
なので、救恤之王の権能は「スカラー倍をする」というものになります。スカラーとは大きさだけの数値で、外界に対する作用力とは違って単位を持ちません。なのでそれ単体では外界に作用することは出来ませんが、数式における定数のようにベクトルの実数を比例的に増減させる数値になります。
つまり、救恤之王の権能ならば「万物に干渉して、作用力を自在に増減させる」ことが出来るということです。おそらくは、攻撃の威力にゼロのスカラーを掛けて無効化するという現象も引き起こせるでしょう。[…×0=0]ですから。
またそれ以外にも「並列存在」があります。
並列存在
これはヴェルグリンドが独自に開発した権能で、自身の存在を同一時空に複数確立させるという荒業です。
普通は同一存在が同一時空上に複数存在するのは矛盾が生じるので、存在証明が破綻し存在が確立出来なくなります。しかし、並列存在によりその矛盾を許容させ、本体を複数顕現させるという現象が可能になります。
存在値の総和は不変なので、並列存在により「別身体」を造り上げるほど単体の存在値は下がります。とはいっても「別身体」は共有されているので、エネルギーは自在に流入できるようですが。また、身体の一部のみを顕現させるというのも可能なようです。
他にも炎神之王に存在する「思考加速」や「時空間操作」に類する権能があるはずです。
時空間操作
思考加速はよくあるので置いておいて、時空間操作は14巻で行った「時空連結」や攻撃時にちょくちょく発動させる「空間固定」などからも伺えます。操作範囲は同一世界上のみでしょうが、時空連結は”空間の連続性”を無視して「空間を”断続的”に繋げる」という荒業を可能にしているので、実質的に”距離”という概念を無視することができる権能になります。
とはいっても別身体のいる空間同士を繋いでいたので、エネルギーの消費が途轍もなく多いのかもしれません。
救恤之王の考察は以上です。
忍耐之王〈ガブリエル〉
これはヴェルダナーヴァから妹であり長女のヴェルザードに送られた権能で、まだ説明でしか登場していない唯一の美徳系究極能力です。
権能
状態の固定を司る権能で、不測の事態に対応する為に創られたとされています。
状態の固定なので、物質の固体化が真っ先に思い浮かびます。つまりは「物質の三態」を操る能力で、気・液体状態を固体状態にすると考えられます。ですが、当然ながらこれでは「不測の事態に対応する為の権能」とは言えません。また、”水”属性であり”停止(減速?)”を司る自身の竜種としての特性と被ってしまうので、もっと根本的にえげつない能力なのでしょう。
例えば、Web版では”事象の固定”のような権能を使っていました。これは物質だけではなく、スキルや時間、現象を対象にした”固定”能力です。それを喰らってしまえば事象が停止し、外界に対する作用力がゼロになります。つまり、無力化されるということです。
これならば「不測の事態」という事象に対応できる権能と言えるでしょう。例えば、”滅界竜”イヴァラージュはヴェルダナーヴァが封印した、終末装置のような存在です。そのような相手が突如現れれば、対策は必須です。そこで忍耐之王の”固定”があればイヴァラージュを停めて、時間を稼ぐことが出来ます。
短いですが、忍耐之王の考察は以上です。一応Web版では「防御系の権能」と解説されているので、「万能結界」や「時空間操作」などがあるかもしれません。
以上で今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
誤字脱字等の間違い、ご意見等ありましたらコメントでご指摘お願いします。
コメント