境界防衛機関〈BORDER〉ことボーダーは、近界からの侵略者である近界民を駆逐する組織です。近界民は基本的に、地球人にとって未知である”トリオン”を用いた技術で侵攻しており、トリオンにはトリオンでしか対応ができません。なので、ボーダーは近界のトリオン技術から学習して、武器であるトリガーを開発しています。
前回は以下のように元となった近界のトリガーを解説しました。
なので今回はボーダートリガーについて解説していきます。
最後まで読んでいただければ幸いです。
※…BBF:「Border Briefing File」の略
コンセプト
ボーダーのトリガーは手数、汎用性、専門性を併せ持った構築となっています。汎用性と専門性を併せ持つというのは変ですが、これは「左右4つずつのトリガーをセットする」という仕組みによるものです。
まず前提としてアフトクラトルがベーシックなタイプであると仮定して、近界のトリガーは量産型だろうと特注型だろうと変わらず「1つのトリガーに組み込む兵装は固定」という常識があるはずです。これはヒュースのセリフより考えられたことで、ボーダーのトリガーについて以下のように言及していました。
いや、玄界のトリガーは複数の機能を組み合わせるタイプ。
集英社,葦原大介著,ワールドトリガー,第160話「ヒュース④」
「1つのトリガーに複数の機能を組み合わせる」ことに少しの意外感を乗せたように言及(思考)していました。アフトクラトルのトリガーの「特性を強化した主武装(ブラックトリガー含む)に戦闘補助を行える標準装備を付属」という特徴と比較すれば珍しいのでしょう。
この違いを例えるならば、アフトクラトルの強化トリガーが「最初からある機能に特化した”専用スパコン”」であるのに対し、ボーダーのトリガーは「後から色々な機能トリガーを追加できる”汎用スパコン”」ということに近いでしょう。
ボーダーのトリガーは、ハードウェアとなる本体に「トリオン体への換装機能」と「標準装備」である”基本トリガー”が組み込まれ、兵装は武器のみを組み込んだチップをソフトウェアとしてハードウェアに組み込みます。そのため、本体のみではまともな戦闘ができず、チップのみでは武器しか取り出せずトリオン体への換装すら出来ないでしょうが、組み合わせによって1つのハードウェアトリガーで無数のカスタム性を持っています。
そのため、いろんな仕事ができる万能手も1つの仕事に特化した特殊工作兵も自由に選択することができます。

構造として、「4つのチップが組み込める本体基盤2つ」がホルダーに収納されています。主武器と副武器で左右の手に各セットが繋がっており、左右武器は1つずつしか展開できません。
しかし、チップは本体を起動し換装した時点で待機状態になっているようで、トリガー起動に必要な「明確な意思」ではなく反射のような「無意識」でも即時起動可能になっています。そのため、切り替えは容易で一瞬で行えます。
隊員が選べるトリガーは攻撃用、防御用、オプショントリガーの三種類があります。それらを左右の手で常時二種類使い分けながら戦闘を行います。
基本トリガー
これは前述のとおり、全てのトリガーにハードウェアとして組み込まれた標準装備です。
代表的なところでいうと”緊急脱出“があります。
緊急脱出〈ベイルアウト〉

第8話「ブラックトリガー」より引用
これは、珍しくボーダー発の機能で、戦闘体であるトリオン体を破壊された時に生身を隊室へと跳ばす機能です。
これにより、「敗北による死を恐れることなく戦闘を行える」という状況が出来るので、隊員の敗北が士気へと影響しにくくなります。また、跳ばす先が自身の隊室なので、オペレーターとともに戦闘の補助に入れます。
さらに、”ボーダーの隊員募集”にも大きく活躍しています。というのもボーダーでは、トリオン能力の発達しやすい未成年を積極的に勧誘していますが、戦争が日常的ではない日本では「未成年の保護」という大義名分があるので、未成年の徴用はバッシングが大きくなります。
ですが緊急脱出があれば、大衆には「トリガーには緊急脱出があるから安全だ」と言う建前が使えます。未知の存在である近界民の侵攻は実際に死活問題ですし、急に出てきたトリガー関連技術は国には意味不明で管轄外です。なので、専門家であるボーダーには未成年の徴用を行うことができます。
通信機

第29話「運命の分岐点」より引用
これは軍隊には必須な装備ですね。指揮官との連携が出来なければ兵を無駄にしかねませんので。
ボーダーの通信機は通話ではなく通信といった感じで、「明確に言語化された意識」で交信します。ここで「意識する」という行為が地味に難しく、また通信先を明確に意識しなければならないので最初は苦戦するとのことです。ですが、慣れれば言葉を介さずコミュニケーションを取れるので、敵を前にしても作戦の共有ができます。
また、意識を通信に使っているので思念伝達のような状態になっており、”共有できる概念”ならば自動で翻訳することができます。これにより、言語の異なる近界民の言葉を聞き取ることが可能となっています。
近界は、どこの国でも翻訳機能を持ったトリガーを持っているようなので、通信機が思念伝達形式なのはどこも同じかもしれません。ボーダーの通信機も同じ機能を搭載しているでしょう。
レーダー

第15話「ブラックトリガー・風刃」より引用
これはトリオン反応を察知するもので、おそらくはトリオンを放射して返ってきたトリオンを拾うことで探知を行っていると考えられます。これはレーダーの基本で「放出によって返ってきた波を計測・分析する」ことによって探知します。
ここで「トリオンは物理的な影響を受けにくい」という性質があることから、電波や放射線は意味が無い可能性があります。なので、トリオン波を放射して返ってくるトリオン波を計測して探知していると考えました。
これならば物体で遮ることは出来ませんし、なにより「常時トリオンを吸収する」バッグワームでレーダーを欺くことができます。バッグワームにトリオン波を吸収されればトリオン波が返ってきませんから。
実際に、トリオンを多く消費するほどトリオン反応の感知精度や範囲が上がります。
これは、通信機と同じく近界のトリガーを真似して作ったのでしょう。
戦術サポート

第11話「強者」より引用
これはオペレーターと連携したAR拡張現実による戦術サポートです。視界内に必要な情報を投影することができます。
情報の例として、レーダーとの同機したトリオン反応の目印、弾道情報、走行経路案内など色々あります。これら基本的にオペレーターが表示させているので、必要な情報を必要な時に出して混乱を防ぐことがオペレーターの優秀さに直結します。
以上が基本トリガーとなります。他には作中で出ていないはず。
攻撃用トリガー
ボーダーの攻撃用トリガーは近・中・遠によって3種ずづ規格化されており、それによって交戦距離をポジションで分けています。
攻撃手〈アタッカー〉トリガー
近距離となる前衛で、白兵戦を行うポジションの兵士が装備するブレード型トリガーです。戦闘スタイルによって使い分けられ、コスパ、攻撃力共に優秀なトリガーです。
なので、敵を打倒する部隊のエースが多くなります。
弧月

攻守のバランスが取れたトリガーで、軽さを多少犠牲にすることで耐久力と攻撃力が高い万能型の刀です。
TYPE | STYLE | 攻撃力 | 耐久力 | 軽さ |
バランス | 万能 | A | A | C |
形状は固定ですが、耐久力に任せた受け太刀が可能なので、敵を仕留めるだけでなく「時間を稼ぐ」などの盾役も熟せます。
物体化しているので、一度起動すればOFFにしても消さずに残すことができます。
また専用のオプショントリガーが二つあります。
旋空

第11話「強者」より引用
弧月の中距離攻撃用のオプションで、一定のトリオンを消費して刃を拡張するトリガーです。つまり、飛ぶ斬撃ですね。
斬撃の射程は旋空の効果時間に反比例するため、2秒程度ならば2,3メートル程度の斬撃になりますが、0.2秒ならば40メートルまで伸びます。完全に中距離の間合いです。
攻撃力は落ちないどころか上がってるので、盾や建物などの対物防御を無視した攻撃が可能です。これを受けるならば、同じく弧月のような耐久力が高いトリガーでなければなりません。

第11話「強者」より引用
以上の利便性から弧月を装備している隊員は、ほぼほぼ旋空をセットしています。BBFを読んだ限り、弧月使いでセットしてないのは3人程度なはずです。
幻踊

第8話「ブラックトリガー」より引用
「防御を掻い潜る剣戟」を行うためのオプションで、刀身を自在に曲げることが出来ます。攻撃力や耐久力などは落ちないようですし、紙一重の回避やピンポイントのシールドを掻い潜って攻撃できるので、接近戦での有利に繋がるでしょう。
しかし、幻踊をセットしているのは100人近くいる正隊員中たった2人。弧月を使っている隊員に絞っても2/25=8%です。
おそらくは幻踊で超接近戦を制するよりも、多少トリオンを使っても旋空で攻撃範囲を広くした方が強いのでしょう。攻撃範囲も旋空の方が圧倒的ですからね。
スコーピオン

防御を犠牲に手数と必殺性を取った軽量ブレードです。以下のように尖った性能なので、奇襲を行うようなスピード型の戦闘スタイルの隊員が好んで使用しています。
TYPE | STYLE | 攻撃力 | 耐久力 | 軽さ |
攻撃 | 奇襲 | A | D | A |
弧月の幻踊のように形状を自由に変化させることが出来るだけでなく、身体のどこからでも出し入れすることが出来ます。スコーピオンの体積は一定なので、刃を伸ばすほど更に耐久が下がります。また、形状の変化量によって消費トリオン量が変化するようです。あってないようなものですが。
性能が攻撃に偏っているとはいえその分攻撃手段のバリエーションが多いので、体の中で刃を二つに分ける”枝刃“、足から地面を介して攻撃する”もぐら爪“、足の代用となる”脚ブレード”、二つのスコーピオンを連結して攻撃範囲を稼ぐ”マンティス”などなどたくさんの技があります。
レイガスト

第44話「悪天候の戦闘」より引用
スコーピオンとは逆で守備的なトリガーとなっており、ブレードの変形により”盾モード”にすることで性能を変化させます。上二つとは違い、元から攻撃力:Bと低く、軽さ:Dと重いので攻撃手アタッカーには人気が無いようです。
TYPE | STYLE | 攻撃力 | 耐久力 | 軽さ | |
剣モード | 防御 | 重装 | B | B | D |
盾モード | 防御 | 重装 | E | SS | D |
盾モードは後述する防御用トリガーのシールドと一緒なので、形状は自由で面積により耐久力が上下します。
スラスター
レイガストにも専用オプションは存在し、トリオンを消費してブレードを瞬時に加速させて斬撃を鋭くします。
これはどちらのモードでも使えるのでブレードの場合は投擲、シールドの場合は突進など色々と使えます。
一応、このスラスターが一番威力の高い攻撃になり、盾モードが最も高い防御力となる気がします。実際に、トリオン貧弱の三雲修でも頑丈なラービットの装甲(首)を貫通することができていましたし、盾は物理攻撃も耐えることができていました。
銃手〈ガンナー〉/射手〈シューター〉トリガー
これはボーダーの中距離戦用の弾トリガーで、弾の仕組み上威力が出にくいのでけん制などによる戦局の操作が主な役目になります。なので、エースよりもサポーターが多くなります。また、弾の威力はトリオン量出力に依存するのでトリオン値が高い隊員にのみ適性があります。
また弾トリガーの射出方法によってさらに二つの中衛ポジションが存在し、銃型トリガーで射撃をする銃手と弾を手元に直接出現させて射出する射手に分かれます。銃手ガンナーはさらに細かい射程距離と威力で数種類の銃型トリガーを使い分けますし、射手は身軽で使い勝手も良いのでサブウェポンとして多く使われてますから、過半数の正隊員が使っています。

第23話「神の国アフトクラトル」より引用

ちなみに銃型トリガーは以下です。これにより、一定の威力・射程ボーナスが付くので、安定した火力を求める場合は銃型を使用します。1つのマガジンに2つのトリガーを設定できるので、打ち分けも可能です。
- 拳銃型
- コンパクトで射程距離短く、一発ドカドカ型なので攻撃手のサブウェポンとして採用されやすい
- 突撃銃型
- 射程と連射性、命中性を併せ持った銃手のオーソドックスな銃型トリガー
- 擲弾銃型
- 射程と威力に振り切った砲撃型の重銃手用トリガー
対して、弾を直接射出する射手は威力・射程ボーナスが無いので単純な攻撃力は銃手に劣りますし、トリオン量出力に弾の大きさが依存するので威力の個人差が大きくなります。ですが、弾速・弾数・射角などの細かい設定を毎度自由に決められるので、応用力が高い隊員は射手の方が強くなります。
この中衛ポジションは完全にトリオン量が強弱を分けるので、トリオン値が低い隊員は安定した攻撃力の出せる攻撃手アタッカーに転向します。
弾トリガーは以下の4つです。
通常弾〈アステロイド〉
基本となる弾トリガーで、完全に直線を描いて射出される文字通りの通常弾です。特殊な性能が無い分トリオンを火力に振ることになるので弾トリガーの中では最も威力の高い弾となります。
とはいっても弾トリガーは元々の威力が低いので、相当のトリオン量がないとシールドなどで耐えられたりします。
炸裂弾〈メテオラ〉
着弾と同時に爆発する広範囲爆発弾です。威力が高いので建物などの障害物を破壊する時に使ったり、着弾後の周囲への影響が大きいので目くらましに使ったりすることが多いです。威力にトリオンを振っている分弾速が遅く連射が難しいようで、メインの火力として使われることは少ないです。
しかし、爆発のタイミングを操作しやすいので地雷にしたり、トリオン量を調節して煙幕にしたりなど、工作に使えるトリガーとなっています。
変化弾〈バイパー〉

第44話「悪天候の戦闘」より引用
弾道を自由に設定できる変化弾です。威力は低いですが、シールドなどの遮蔽物を避けて撃つことができるので、ガード無視の攻撃が可能です。
しかし、弾道の設定を戦闘中にその場で行う”リアルタイムでの弾道設定”は空間認識力やイメージ力などの適性が高くなければならないので、事前に数パターンを設定しておくのが普通です。
とはいえ、トリオン体は威力が低くとも弾トリガーをもろに喰らえばダメ―ジを負うので、受ける側は弾道に注意を払わなければならず、誘導やけん制に適したトリガーとなっています。
追尾/誘導弾〈ハウンド〉

第14話「覚悟」より引用
指定した対象を自動で追尾する誘導弾です。追尾方法はトリオン反応を追う「探知誘導」と視線で対象を追う「視線誘導」があります。
弾道の内、追尾性能の高い部分と弱い部分を射出前に設定することで、曲がる大きさとを変えて弾を散らすことができるようになります。
誘導性能は弾速と反比例し軌道も単純で防がれやすいので、攪乱やけん制に使われやすくなります。基本的に相手を誘導するためにあるので、本命の攻撃として使うなら視界の外からの奇襲くらいになります。
以上がボーダーの弾トリガーとなりますが、さらに合成弾があります。
合成弾

第13話「1対1」より引用
合成弾は弾トリガーを合成することで、二つの弾トリガーの効果を持たせる特殊な弾です。手段は以下の二通りです。
- 左右両方の射手トリガーを同時に起動し、発生した二つの弾を練り合わせる射手型
- メリット
- 組み合わせをその場で自由に決められる
- 普通の弾に織り交ぜることできる
- デメリット
- 合成に個人差で時間がかかるため連発しにくい
- 両手のトリガーを使うためシールド等の防御が出来ない
- メリット
- 事前に設定しておいた合成弾マガジンを銃手トリガーにセットする銃手型
- メリット
- 普通の弾と同じ射撃性能を保持する
- 片手が空くためシールドなどの防御が可能
- デメリット
- 設定した弾以外打てない
- メリット
どちらにもメリットとデメリットがあり、やはり威力や射程などの基本性能は銃手型が高く、射手型は応用幅が広いというのは変わりません。つまりは、どちらにしろ「長所を伸ばすのが合成弾」ということです。
現状分かっている合成弾は以下になります。
徹甲弾〈ギムレット〉
【 通常弾 + 通常弾 = 徹甲弾 】
同じ弾を合成するタイプで、同じ弾の場合は元々の効果が倍増します。なのでこの場合は、通常弾を合成することで威力を高めることで貫通力を倍増させます。シールドを楽々貫くだけでなくトリオン兵の装甲も撃ち抜くので、止め用の合成弾になります。
変化変化弾〈トマホーク〉
【 炸裂弾 + 変化弾 = 変化炸裂弾 】
異なる弾を合成するタイプで、この場合は異なる性質が組み合わさります。なのでこの場合は、変化弾による複雑な軌道と炸裂弾による着弾時の爆発が起こります。
これにより、変化弾に足りない火力を補うことができます。変化弾で障害物を避けることができるので、近・中距離の閉塞的な空間が最適な使用状況でしょう。
誘導炸裂弾〈サラマンダー〉
【 追尾弾 + 炸裂弾 = 誘導炸裂弾 】
炸裂変化弾と同じく異なる弾を合成するタイプなので、弾道は誘導弾で威力は炸裂弾となります。火力を補うというのは変化炸裂弾と同じですが、誘導弾の弾道なので中・遠距離の解放的な空間が最適な使用状況しょう。
コブラ(作中未登場)
【 通常弾 + 変化弾 = 徹甲変化弾?】
通常弾の火力と変化弾の弾道なので変化炸裂弾と同じ様な感じですが、通常弾よりも炸裂弾の方が攻撃範囲が広いのでコブラは使われないのだと考えられます。ですが、変化炸裂弾は弾速から合成弾だと察することができるようなので、回避によって透かされるのを嫌う場合はコブラを使うのでしょう。
また、炸裂弾は着弾と同時に爆発するので障害物を無視することは出来ず遠隔シールドで簡単に防がれますが、通常弾は貫通力があるので壁抜きを行えます。
なので、一応使い分けが出来るようです。まあ仕留めるとき以外は使い道が無さそうですが。
強化追尾弾〈ホーネット〉
【 追尾弾 + 追尾弾 = 強化追尾弾 】
徹甲弾のように同じ弾を合成するタイプで、追尾弾の追尾性能を倍増させた弾です。そのため、追尾弾でも曲がり切れない角度で弾を曲げることができるようになります。
以上が、既に「ある」と明記されている合成弾です。個人的に炸裂弾の重ね掛け合成弾が無いことを不思議に思っていましたが、そもそも炸裂弾を両方でセットしている隊員がいないので当然ですね。
また、以上の弾トリガーに組み合わせることができる銃手/射手用専用オプショントリガーが二つあります。
鉛弾〈レッドバレット〉

第8話「ブラックトリガー」より引用
着弾した箇所に重石を付与させるトリガーで、シールドを無視する特性があります。重石にトリオンを割り振るので射程や弾速がとても低くなり、攻撃手の間合いでなければ当てることは出来ないので普通は万能手以外に使われません。
銃手の場合は鉛弾専用のマガジンとして使用し、射手の場合は弾とは逆側にセットして両攻撃の形で使用します。
スタアメーカー
マーキング弾で、命中箇所に目印を付与してレーダー探知と併用することで隠密を無力化します。これはマガジンなどの形式ではなく、”旋空弧月”のような機能拡張形式のオプションなので、命中した弾は何でも目印として使用できるようです。
オプションはマガジンでなければ全ての弾トリガーに適用されるので、後述する狙撃手用トリガーでも使用できます。まあ、いくつかの理由があるため滅多に使われないでしょうが。
狙撃手〈スナイパー〉トリガー
遠距離となる後衛で、間合いの遙か外側で隠密行動を取りながら高威力の一撃を伺うポジションです。攻撃の度に場所がばれ、間合いを詰められる前に逃げるというヒット&アウェイが基本戦術になるので、誰かしらの援護がなければ1発撃った場所ばれ時点で敗北は確定です。
また1発の重要度が他とは比べ物にならないポジションなので、狙撃手は基本的にステータスの「技術値」が8以上の隊員が大半を占めているため「ボーダーの狙撃手は変態」とさえ言われています。
代表的な例として、トリオン弾は弾同士でぶつかると弾の大小にかかわらず消滅します。そこで、弾速の遅い爆撃を狙撃することで爆撃を無力化していました。
一撃必殺からの離脱というヒット&アウェイ戦法のみではなく、動きを制限するためけん制狙撃などがあるため、目的によって3種の狙撃銃を使い分けます。おそらく弾は通常弾固定で、狙撃銃に弾の性能向上させる機能を組み込んでいるのでしょう。
また、狙撃手トリガーは威力・射程・弾速を大幅に上げるために専用の銃を用いることになるので、狙撃銃そのものを指し、射手のように弾だけを打ち出すということは出来ず速射性も低くなります。その代わり遙かに長い射程・高い威力・弾速を持っています。
イーグレット

第1話「襲来」より引用
ベーシックタイプで、以下のようにバランスの良い性能を持つ汎用型狙撃銃です。
威力 | D | C | B | A | S | SS |
射程 | D | C | B | A | S | SS |
弾速 | D | C | B | A | S | SS |
速射 | D | C | B | A | S | SS |
軽さ | D | C | B | A | S | SS |
マーカーの部分が適正性能ランクとなりますが、狙撃銃はトリオン値の影響を受けやすいので左から最低保証ランクとなります。なのでトリオン値が高いほど全部の項目が右の最上ランクに近づいていきます。
射程重視の狙撃銃なので、トリオン値が低くとも射程ランクSSが保証されています。また、威力ランクA~、弾速ランクS~と高いので、遠距離ぎみの銃手がセットすることもあります。
ライトニング

第5話「新技」より引用
チクチクタイプで、取り回しに優れた弾速重視の軽量級ライフルです。
威力 | D | C | B | A | S | SS |
射程 | D | C | B | A | S | SS |
弾速 | D | C | B | A | S | SS |
速射 | D | C | B | A | S | SS |
軽さ | D | C | B | A | S | SS |
威力・射程はイーグレットよりもワンランク低いですが、速射性・軽度がワンランク高くなり、なにより弾速がSSを超えて振り切っています。なので、狙撃手が身を晒して打ち合わなければならない状況では銃手のような戦い方ができます。速射性は銃手トリガーの方が遙かに高いですが、威力と射程は銃手トリガーよりも断然高く、弾速は比べものにならないのでけん制効果は高いでしょう。所詮は真似事ですが。
威力よりも手数なので、敵を倒すよりもけん制を重視した援護型の狙撃手が好むトリガーです。
アイビス

第11話「最終戦」より引用
ドッカンタイプで、一撃の威力を重視した対物ライフルです。
威力 | D | C | B | A | S | SS |
射程 | D | C | B | A | S | SS |
弾速 | D | C | B | A | S | SS |
速射 | D | C | B | A | S | SS |
重量 | D | C | B | A | S | SS |
完全な一撃必殺型なので、速射性や軽度が大分低くなる代わりに威力が振り切っています。そのため、大型トリオン兵を主な狙撃対象としており、建物などの構造物や集中シールドでは防げません。最低でもエスクード防御専用の物理壁か二枚重ねの集中シールドが必要です。
完全に狙撃手以外にセットしないようなトリガーですね。
以上が狙撃手トリガーになります。
補助トリガー
次は戦闘を補助するためのトリガーの解説になります。
防御用トリガー
主にトリオン弾を凌ぐことを目的としたトリガーで、防御・回避を行えます。絶対的に必須なトリガーなので、正隊員は防御用トリガーを主武装メインと副武装サブに1つずつ装備しています。
シールド

第11話「最終戦」より引用
出し入れ、変形、自由な半物体化している盾です。任意の場所に任意の形で作り出せるので、遠隔シールド離れた味方の防御や防御範囲を広げる近くにいる味方ごとシールドで覆うことが可能です。
また、使用者と相対位置を固定する形にすることで、移動させることができます。ですが、移動中はトリオンを消費し続けるようです。
スコーピオンのと同じように展開したシールド面積が耐久力に反比例するので、シールドを小さく集中させるほど硬い盾になります。とはいっても集中シールドは防御範囲が狭くなるので、「耐久力」ではなく「防御力」という面で考えれば一定です。強いて言えば「防御力は使い手に依存する」となるでしょう。
また弾トリガーのように分割できるので、小さいシールドを無数に展開することも可能です。弾道を完全に把握した弾トリガーに対して使うことで、面積の効率を稼ぐことができます。
さらに固定シールドという形状と座標を固定した形態があり、耐久力が格段に向上するようです。
エスクード

第29話「運命の分岐点」より引用
シールドとは違い、物体化した形状が固定の障壁です。障壁なので任意の面からせり上がる形で出現し、遠隔で生やすことも出来るようです。範囲はトリオン量によって変化し、またトリオンを多量に消費するようなのであまり使われていません。
面として繋がっているならば、地面だけでなく壁や天井からも、直接触れることで人などの個体にも生やすことができます。また生やす角度は自由なので、生やした勢いに乗って跳ばすという「エスクードカタパルト」も可能です。
スイッチボックス
「トラップトリガー」と呼ばれる、特殊工作兵専用のトリガーです。様々な効果のトラップをマップ上に複数個設置でき、任意のタイミングで作動させる機能があり、攻撃用や移動用など効果は様々です。
今のところ作中に出てきているのは、異なる二点を入れ替えるスイッチと踏みつけることをトリガーに生える地雷ブレードがあります。
オプショントリガー
これは武器専用の拡張トリガーではなく、戦闘補助用のトリガーです。多くの隊員が戦闘を有利に進めるために複数のオプションを行使して戦略行動を取ります。
バッグワーム

第13話「ボーダートップチーム」より引用
レーダーステルス用のマントで、トリオンを常時微量に消費すること着用中は使用者をトリオン反応から隠します。そのため、奇襲を目的としている者や、後方での隠密行動が主な狙撃手がよく利用しています。
シールドと同じく正隊員が常備しているトリガーで、遮蔽物の多い地形や悪天候により視界が悪い場合は前述に一致していなくとも使用する機会はあります。なので、トリガーにセットしていない正隊員はいません。
カメレオン

第18話「三雲修VS風間蒼也」より引用
トリオンレーダーではなく視覚に対するステルストリガーで、使用中は他のトリガーを一切使えないという制約はありますが、光を透過してか透明になって肉眼で見えなくなります。
トリオン反応は生じたままなのでレーダーには映りますが、それを見る余裕がないほどの戦闘中の場合は近距離での有効な奇襲手段になります。
グラスホッパー

第4話「秘策」より引用
空中にジャンプ台を創り出すi移動用トリガーで、正方形の面の向きによってジャンプ方向を調節することができます。それによりスピード型の攻撃手はダッシュの速度を上げて奇襲性を高めたり、空中で方向転換を繰り返して攪乱したり、空中戦を可能にしたりと戦場を広げます。
これもシールドと同じく分割して一度に多数を創り出すことができます。分割するほど作用力が低下するのでジャンプ力が低くなります。
またトリオン弾と同じ様に弾に当たると対消滅するので、ジャンプ台が邪魔な場合はトリオン弾をぶつけて無力化ができますし、逆にトリオン弾が邪魔な場合はグラスホッパーで防御できます。
テレポーター
瞬間移動のトリガーで、回避や細かい位置取りなどで近・中距離間を移動します。作中での移動先座標は「視線の方向、数十メートル」となっていますが、個人的に距離はともかく方向は事前に設定しておけば変えられるのではないかと考えています。
緊急回避だけでなくカウンターにも使える攻撃的なトリガーです。
スパイダー

第73話「未来へ」より引用
キューブからワイヤーを伸ばすトリガーで、先端には矢尻のような角があるので壁に刺さると固定されます。ワイヤーの色を調節することで敵に視認しずらくすることもできるので、進行を妨害することに有用なトリガーです。
大型にトリオン兵には効きにくいですが、消費トリオンも少なく対人で効果を発揮するトリガーです。相手の手足を壁や地面に繋げることで直接行動を制限できます。
ダミーピーコン

第5話「無双」より引用
トリオン反応を偽装するダミートリガーで、トリオンを込めた分記録したであろうトリオン反応を発します。また、その間オペレーターや使用者がピーコンを自由に移動させることができるので、攪乱だけでなく誘導にも使えます。
以上がボーダーで全正隊員に規格化されたトリガーです。他にも玉狛の個人専用トリガーはありますが、それを持っている隊員も規格化されたトリガーを軸に戦っています。また、A級隊員ならばエンジニアに申請してトリガーを改造する権利があるので、規格化されたトリガーを使っていても精鋭隊員ならばオンリーワンの個性を持っています。
そのあたりは詳細が分かっていないものも多いので解説は出来ませんが、全部出たら記事にします。いつになるやら。
今回はボーダーのトリガーの解説と少しの考察を挟みました。ボーダーでは効率的なトリガー運用のために規格化されたトリガーを与えていますが、ハードとソフトで分けることで隊員個人へのカスタム性を高くしています。
今回の記事は以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
誤字脱字等の間違い、ご意見等ありましたらコメントでご指摘お願いします。
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