メイジアン・カンパニー【1】感想/解説

ストーリー解説/考察

 今回は続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー【1】の感想を綴りました。発売してから半年ですのでネタバレとは言いずらいと思いますが、念のためネタバレとしておきます。 

 何故今更と思う方、明日4月9日(金)は続・魔法科高校の劣等生 メイジアン・カンパニー【2】の発売日です。間に《キグナスの乙女》も挟んでいるとはいえ三か月ぶりの佐藤勤先生の小説ですので、私はとても楽しみで仕方がありません。 

 そんな私は2巻を読んだら「感想を綴りたい!!」あるいは「読んで上がった熱を発散したい」と思います。そして2巻のネタバレ感想を書きなぐっているでしょう。 

ですので、先に1巻の感想を載せようと思います。ネタバレが嫌だという方はページバックお願いします。 


解説覧について

 まず冒頭の話に入る前にお馴染みの人物、用語解説覧が載っていましたが「用語説明欄もうなくして良いんじゃね?」と思いました

 もちろん、親切ですし必要ないとは思いません。魔法科高校の劣等生は設定的にも世界観的にも難しいですから、簡単に見返すことが出来るのはわからない人にとっては助かると思います。ですが続編に入ってほぼ登場しない用語もあるので、正直に考えて要らない気がしました。 

 例えば魔法科高校についての用語です。すでに時は大学在学中で、それも大学はサブとも言える舞台でありメインは大学とは完全に関係の無い学外が舞台です。なので魔法科高校はほぼ関わりのない用語ですし、スピンオフ【キグナスの乙女】より「ブルーム/ウィード」は開始2年前に廃止された制度です。

 自分的には、続編で重要になる「メイジアン/メイジスト」の説明やESCAPES計画の概要、恒星炉について、といったこれからの話に深く関わる用語についての解説が欲しいですね。スターズや様々な魔法の解説も削って上ところを入れて欲しいです。魔法剣の解説覧とか絶対にいらないと思うんですよね。

 と、まあ本編とは関係ありませんが気になるところでした。

就任ラッシュ

 まず時系列は卒業編から2年後のエピローグ、純情組水波&光宣の目覚めから約1か月後でした。読み始めた当初は「大学進学直後じゃないんだな」と思いましたが、わざわざ前作のエピローグで純情組を起こしたのにそれより前から始める意味が無いですね。それに、こっちからしたら「どれだけ巻数が進んだら2人は起きるんだ」ってもどかしく思っちゃいますね。 

 本編は大学三年生、4月24日の達也の誕生日から始まりました。しかし、達也がいたのはインド洋に出ているイギリスの船上です。なんと魔法科高校の劣等生【30】奪還編にてインド・ペルシア連邦IPUの魔法研究者「アーシャ・チャンドラセカール」博士に提案された国際民間組織NGOの設立に副代表として立ち会っていました。 

 立ち上げたNGOの組織名は『メイジアン・ソサエティ』です。

メイジアン・ソサエティ

 IPUが前日に独立を認めたスリランカを本拠地とし、本部は南端の都市『ゴール』置いた団体です。蜂起人のチャンドラセカール博士が代表となり、達也は副代表に就任しています。

 掲げる理念は「魔法資質保有者メイジアンの人権自衛」で、そのための互助組織として設立されました。人権自衛ということで、自らもメイジアンの人権問題に当事者として戦うことになります。そうなるとメイジアンを優先しなければならず、大小あれどメイジアン冷遇の各国家のスタンスに真っ向から対立することになります。

 なので国家と対等の立場を形成する為に、土地スリランカをチャンドラセカール博士がIPUから引き出し、ソサエティの経済基盤を支えるため恒星炉エネルギーと各国に睨みを聞かせるための抑止力を達也が提供します。IPU側もソサエティの恩恵を間接的に受けるために土地を譲渡したようです。

 また設立における署名式を行っていますが、イギリス船上である理由はイギリスが第三者として立ち会っている為です。イギリスは国王の名の元にメイジアンと非魔法資質保有者の一般市民であるマジョリティの「併存」を行うことでメイジアンの人権保護の姿勢を取っているので、ソサエティの理念がイギリスの政策に合致しています。そのためソサエティを支援する為にIPUの組織ではないことを世界に発する証人となっています。

 そのため署名式のメンバーは

  1. ソサエティの蜂起人であり実質的なIPU側の代理人:アーシャ・チャンドラセカール代表
  2. 第三者国としての立会人であるイギリスの代理人:ウィリアム・マクロード
  3. 恒星炉および抑止力という戦力的背景の提供人:司波達也副代表

 この三名となっています。日本は一切関与していないので達也は完全に個人(民間勢力)として参加しています。理由は、恒星炉も抑止力としての魔法も達也個人が所有している物なので提供に日本政府を介する必要は無い為です。ここでの日本の関与は「船頭多くして…」という事態に発展しかねないんですね。まあ、そんなことやってるから達也は日本政府と険悪になるんですが。

 感想としては「早い」というところですね。恒星炉自体の開発を終え、抑止力としての役割を世界的に担ったことでNGOの設立が時間の問題であることは分かっていましたが、たった3年とは。チャンドラセカール博士と達也の独自構想の相性がとても良かったことを差し引いても、早いと感じます。

 署名式の後は家に帰って、無事成人した深雪とリーナが達也の誕生日を祝いながらお酒を飲んでいました。とりあえず、リーナはちょろかわいい。 

 そして次の日にも就任式です。恒星炉プラント事業経営の会社『ステラ・ジェネレーター』社長および一般社団法人『メイジアン・カンパニー』の専務理事に達也が、『メイジアン・カンパニー』の理事長に深雪が就任したようです。 

STELLAR GENERATOR〈ステラ・ジェネレーター〉

 前作終盤で決まっていた恒星炉プラント事業は続編開始前までに黒字に転換し、事業拡大を行うところまで来ていたようです。そこで、それまでの事業形態である複数企業で運営する共同体事業コンソーシアムから統一された経営意思の元で運営する新事業体を設立しました。それが株式会社『ステラ・ジェネレーター』です。

 恒星炉が核融合炉という規格外の電気エネルギーを安定して生産できる以上、生活水準を高めるために様々な国家が手を伸ばすのは決まっていますから、非軍事的魔法職種の開拓が成されたと言えます。

 達也が社長に就任した理由は3つです。

  1. 事業スキームの考案者である
  2. 大口の出資者を実質的に取りまとめている北山潮の後援を受けている
  3. 名義を隠したUSNA政府からの大口の出資を受けている

 1と2だけで対外的には十分なので3は予想ですが、USNA政府との協定事項に「出資の代わりに恒星炉を提供する」という項があるので、最終的な意思決定権をもつ社長になるのが一番であると考えられます。達也自身にしても、経済界に対する公的な顔を持てるのは利益が多いでしょう。

 ステラ・ジェネレーターの設立式に社長就任を紹介された達也はその場で、またしても日本政府に対して不意打ちで一般社団法人『メイジアン・カンパニー』設立を発表しました。

メイジアン・カンパニー

 ソサエティの人権自衛における具体的な活動を日本で行う為の企業で、ソサエティとの上下関係は無いようです。具体的な活動として達也が挙げたのは「メイジアンの非軍事的職業訓練」で、まずは「魔法を工業技術に応用する技術」訓練し、職業を斡旋する『魔法工業技術専門学院』を設立しました。

 魔法科高校等で教わる実験的な魔法技術の習得ではなく、工業技術に応用できる実践的な魔法技術の習熟を目的とした授業を行い、その業種に適した企業へ斡旋します。斡旋先の企業は、ステラ・ジェネレーターを含む出資元の企業となります。魔法工学の講義も行うようが、これは魔工師の居場所も拡大するからでしょう。というのも、現代の魔法はCADのような魔法演算補助機器を使うことが前提にあるからです。魔法を使えるメイジアンを派遣してもCADが整備出来なければ魔法は不便な道具です。

 メイジアン・カンパニーの構成員は

  • 理事長:司波深雪
  • 専務理事:司波達也
  • 理事:東道理奈アンジェリーナ・クドウ・シールズ

ですが直ぐに四葉家の研究の都合で達也の下へ移動となった藤林響子、色々あった七草真由美、および新キャラクターである遠上遼介が入職しました。

団体様の顔出し

  いきなり出てきた新キャラクターはなんと十の数字落ちエクストラであり、『キグナスの乙女』に出てきた遠上茉莉花の兄にして十文字アリサの婚約者?でした。さらに前作の来訪者編にて交換留学生としてUSNAに行き、そのまま中退してそこの魔法師権利保護を謳う政治団体『FEHR』の構成メンバーとなったようです。

FEHR

 USNAカナダ領バンクーバーに本部を置く「魔法因子保有者の権利保護」を目的とした魔法師の政治団体で、市政府に対する合法的な発言力を持っています。「FEHR」は代表の「レナ・フェール」の名前とその理念である「Fighters for the Evolution of Human Race人類の進化を守る為に戦う者たち」から取っているようです。また、あくまで言論による非暴力での権利保護にこだわっているので、反魔法主義者よりも魔法師の評判を落とす魔法至上主義者の暴力組織が最も厄介な敵としています。

 ですが、非暴力にこだわっているのは代表のレナ・フェールのようで構成員はいざという時の非合法的な暴力行為も厭わないというあり方なので、防衛戦力や諜報員も少しは保有しているようです。また、その危険な在り方によりUSNA政府からテロリスト予備軍として警戒されているようです。

 それでも警戒の域を出ないのは組織の外部から”教祖”と称されるほどのレナ・フェールのカリスマ性にあります。レナ・フェールは特異体質として「遅老症(アナジェリア症候群)」を患っているので三十路ながらティーンエージャーさながらの若さを持っていますが、更に魔法特性として精神干渉系魔法を持っています。この精神干渉系魔法が”癒し”を与える魔法と考えられており、常時的に発生させているようで構成員を魅了しているようです。その為、レナ・フェールに心酔した構成員は教祖に逆らうことのない忠実な僕となっています。もちろん、そのカリスマ性が警戒要因になっている点はありますが。

 魅了は自身で解除できるものではないようで、レナ・フェールの自身は構成員からの忠誠の念に違和感を覚えているようです。そのため、レナ・フェールは独裁者ではなく”聖女”という象徴として扱われています。また、魔法による魅了はあくまで”癒し”を与える為か構成員は心酔していても自意識はしっかりしており、盲目の信仰というわけではないようです。そのため構成員は教徒ではなくレナ・フェールの同志であり、意見や助言を行うこともあるようです。

 そんなレナ・フェールは、メイジアン・カンパニーの設立を知ってすぐに日本人の構成員である遠上遼介を潜入させました。潜入の目的は達也の動向を見極める為です。

 達也は前作未来編での抑止力としての証明により、世界的な影響力を無視することが出来ないので世界各国に大なり小なり動向を追われています。それはレナ・フェールのような民間組織も同様で、魔法師の保護を行う上で「抑止力としての軍事的影響力」と「恒星炉プラントによる経済的影響力」を無視することはできません。達也が世界をどのように変えるのかを事前に知り、その後の行動に生かそうと考えるのは普通の対策でしょう。

 このように、基本的に穏便な活動を心掛けているレナ・フェールですが、対極な魔法至上主義の過激派組織として「FAIR」が出てくるようです。

FAIR

 自身らを「Fighters Against Inferior Race劣等種(による迫害)に対して戦う者たち」とする犯罪結社で、表向きは合法組織の皮を被っています。サンフランシスコを本拠地としており、組織の原型は前作の中盤まで猛威を振るっていたジード・ヘイグこと顧傑グ・ジーの組織した団体だったようで、3年前のロサンゼルスに本拠地を置いていた時は光宣を匿ってもいました。

 FAIRは「反魔法主義者との積極的な闘争」というFEHRとは真逆の思想を掲げています。積極的な闘争を望むだけに特殊な魔法師を保有しているようで、BS魔法師を多数抱えているようです。BS魔法師とは”先天的異能力者Born specialized“を表す、魔法としての技術化が困難な異能力者です。他の魔法に適性が無い分、適正のある魔法では圧倒的な技術レベルを発揮するため、一芸に特化したスペシャリストに成りえます。

 FAIRの抱えているBS魔法師には技術化どころか魔法のシステムすら曖昧な妖術師ソーサラーも多いようで、今回出てきた構成員の魔法は前作では考えられないような「非科学的な魔法」でした。出てきた魔法師は「ジェイナス」のコードネームを持つコンビで、「バハドゥール・モフィード」と「バフマン・モフィード」でした。

アラビアンナイト

 バハドゥールとバフマンは「アラビアンナイト」と呼ばれる魔法を保有しています。アラビアンナイトは「開ける」および「閉める」という広義の概念に該当する事象を発生させる魔法で、バハドゥールが「開けゴマオープンセサミ」を担当し、バフマンが「閉じろゴマクローズセサミ」を担当しています。

 広義ということで対象範囲が途轍もなく広く、ドアを開閉するだけではなく電力系信号路の開閉、意識の開閉、あるいは気配の開閉といった曖昧なものも対象とすることが出来ます。もちろん、曖昧な対象であるほど効力、つまりは干渉強度や効果時間が低下するので現代魔法の利便性とは比べ物にはなりませんが、希少な分対応が面倒で難しく厄介な魔法と言えるでしょう。

 そんな魔法を持つジェイナスはFAIRのボスの命令で、達也の開発した魔法式保存の人造レリック「マジストア」の盗取を目的として来日して来ました。巳焼島の恒星炉プラントでは偶然相対した遠上遼介に妨害され逃亡し、その後製造ラインのある「フォア・リーブス・テクノロジーFLT」に潜入して四葉家に捕まりました。貴重な研究材料として最高に受けたくない待遇を約束されていることでしょう。

 FAIRが人造レリックを狙った理由はまだ明かされていませんが、暴力的な組織な訳ですから大方軍事的な目的でしょう。飛行魔法専用車両「エアカー」の対センサーに魔法が使われているように、魔法式保存のレリックは魔法兵器としての需要は高いです。BS魔法師のような尖った手駒ばかりのFAIRには、安定した軍事力として現代魔法を込められる人造レリックが欲しいのでしょう。


その他諸々

 達也さんの公的な肩書が増えています。こんな忙しかったら大学に行けないでしょう…。 

 と思いきや、最低でも週一でなんとか通学出来ているようです。まあ週一でも少ないですし、そのせいで大学側からは問題児扱いをされているようですが…。それでも大学側の不満を実績でねじ伏せる達也さん強い。進学後直ぐにレリックの量産、事象干渉力の霊子プシオン波理論を代表として魔法学的にも魔法工学的にも世界的な実績を上げていっている模様です。まあそれは高校時代からですね。黙らせるのは得意な達也さん。 

 それはさておき、この怒涛の就任式ラッシュは十師族をはじめとした日本の各魔法師一族も青天の霹靂だったようで、タヌキこと七草弘一さんがまた娘さんを利用するようです。真由美さんがメイジアン・カンパニーに入職したのは、就職後早々に『メイジアン・カンパニー』への転職を命じられたからのようです。辛い…。まじで兄貴たちは何してるんですかね。長男は謀略甘いし、次男は引きこもりだし、真由美さんがまじめすぎる。七草の男はろくでなし。七宝君が怒るわけですね。 

 また、動乱の序章編で集まっていた二十八家の若手会議は四葉を抜いたまま何度か続きが開かれている模様です。前作の動乱の序章編・上で「魔法の平和利用に自分たち(二十八家)は活躍しています」っていう内容でPRしようとして、建設的な意見を何一つ出せずに達也にぶった切られた訳ですが、まだ続いているとは。達也(四葉)への反感を利用することでまとまったことは動乱の序章編・下で描写されましたが、この若手会議で達也の恒星炉プラントの見学とかしたようです。

 こいつら面の皮が厚すぎる…。プライドは無いのか…。いえ、過去のことをすぐに忘れられるのが若者の特権かもしれませんが、それ以上に達也さんの影響力はすごいのかもしれません。若者達のちっぽけな反感を吹き飛ばすほどの功績ですからね。

 色々な因縁がありすぎる。正直入職目的はどうでもいいのでカットしますが、初っ端からなかなか情報量が多いキャラクターでした。おそらく『メイジアン・カンパニー』は『キグナスの乙女』と関わりはしないのでしょうが、茉莉花とアリサに出会ってしまった時のことを想像してしまいました。『キグナスの乙女』の時系列は一年前なので、「二年時の九校戦で達也が来賓として招待されて、何かの事情で遼介が付き添うことになってバッタリ」みたいな。 

 そういえば藤林さん繋がりで純情組が出てきました。前作エピローグで打ち上げられた宇宙住宅「高千穂」は移動に飛行魔法を基にした移動魔法を用いているようですが、その軌道を変更する実験を計画していました。高度は変更できませんが同一高度上なら上下に30度ずつずらすことができるようです。これにより、高千穂の衛星エレベーターを用いた北極と南極以外の地球上をカバーした移動手段の開発ができます。これ、不特定多数を欺く光宣が組み合わさったら無敵ですね。実質的な神人と魔王を協力させたらこうなるということが分かりました。恐い。

 また、達也によると純情組はすぐにでも結婚式ができるようです。ですが、招待とかできるんでしょうか。外部とかは真由美さんくらいならばれても良いのでしょうか?まあ流石に九島は無理なんでしょうが、招待して父の九島真言に向かって「ドヤァ」って笑ってあげて欲しいですね。

 九島真言は前作においてパラサイトとなった光宣の逃亡を後押ししましたが、それは”九島の完成形”である光宣を四葉に奪われたくなかったためです。あのエンディングのおかげで光宣は九島家の呪縛から逃れられたことが伺えますし、皮肉を込めて 

「自分を四葉に渡したくなかったみたいですけど…」 

みたいなことを言い放って欲しいです。 まあ、無理でしょうが。

 それよりも、達也個人の保有戦力すごいですね。 

・達也…終末兵器 

・深雪…中・遠距離の広範囲制圧要員 

・リーナ…全距離の対人(点)から対軍(面)までこなせる最強の個 

・光宣…対人への絶対的優位性を誇る最高の偽装

・水波…戦略級魔法をも防ぐ核シェルター 

 こいつらだけで戦争が成立しそうで怖い。 

 そういえば綿摘シリーズはどうなったんでしょう。四葉に引き取られたらしいですが、達也なら《隕石爆弾ミーティアライト・フォール》の実用化ぐらいしそうですね。そうなった場合は、すでに4種の戦略級魔法が四葉サイドにあることになりますね…。 

 さらに深雪も『コキュートス』劣化展開verの対人拘束魔法を覚えました。

アイシー・ソーン

 精神活動を完全に停止させる「コキュートス」の威力を制限した魔法で、精神活動の「停止」から「睡眠」に変化させた魔法です。前作サクリファイス編にて光宣が披露した冬眠魔法を達也が解析し、参考にすることで開発したようです。

 自発的に起きることが出来ない強制的な睡眠状態を発生させる精神干渉系魔法で、セットで開発した無系統魔法のキーを用いなければ起こることはできません。よく考えれば、この起こすキーが前作エピローグにて純情組を起こした魔法なんでしょう。

 これはまあ、やっとかって感じですね。貴重な系統外魔法の才能を達也が埋もれさせておくわけがないですから。 

 また、個人的に最高だったのは最後の方でリーナがジェイナス(バハドゥール?)を脅かしてたところでした。パレードで自分を幽霊のように魅せていたわけですが、この巻で1番の見どころだと思いましたね。「これぞ『パレード』の正しい使い方だなw」と笑ってしまいました。 


 メイジアン・カンパニー1巻の感想および解説は以上です。やはり1巻ですから、現状の把握に焦点を置いている感じがありますね。達也の就任ラッシュもその一環でしょう。

 最後まで読んでいただきありがとうございます。 

 2巻は電子版を日が変わったら速攻買って、読んで感想を書き殴りたいと思います。 

 次回もまたよろしくお願いします。 


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