CROSSGUILD〈クロスギルド〉の今後

ONE PIECE(ストーリー)

 【ONEPIECE】では、”世界の均衡”を形作る構造として「三大勢力」が存在していました。しかし、ワノ国編中期で行われた世界会議レヴァリーによりその一角の「王下七武海」が解体され、さらにはもう一角の「四皇」も半分が陥落することで混沌とした世界情勢へと移行しています。
 ここで、作中で最も混沌とした情勢に流されていると思われるのが”千両道化のバギー“です。

 これは状況に対して完全に対処的行動だったためですが、誰よりも大きく動かされ過ぎていました。いきなり七武海という地位を剥奪されたと思ったら、欠けた四皇に玉突き事故のような形で認定されてしまったのですから。

 今回は、そんな四皇バギーが擁する陣営「CROSSGUILDクロスギルド」の状況の解説と今後の目標について予想していきます。

 最後までお付き合い頂ければ幸いです。

CROSSGUILD〈クロスギルド〉

ワンピース 第1056話「CROSSGUILD」より引用

 元王下七武海であった”千両道化のバギー”が海賊たちの皇帝である四皇と認定された理由は、同じく王下七武海を自陣営に加えて組織を新生したためです。ちなみに、加わった元七武海は「”砂の王”サー・クロコダイル」と「”鷹の眼”ジュラキュール・ミホーク」の二名です。

 また、新生された組織は「CROSSGUILDクロスギルド」という名前の会社で、元々はクロコダイルがミホークと共に設立しようとした組織になります。組織の概要は未だに分かっていませんが、おそらくは表の戦力を「バギーズデリバリー」が担い、それ以外をクロコダイルが事前に組織していたであろう「B・Wバロック・ワークス」の後継が担うのでしょう。

バギーズデリバリー

 先述の通り、”千両道化のバギー”ことバギーは元王下七武海でした。当然ながら、七武海として相応の陣営を築いています。その陣営が「バギーズデリバリー」です。
 ドフラミンゴと同じく戦争市場を狙い目とした派遣会社で、王下七武海という名を保証にして人材派遣を行っていました。ドフラミンゴと市場を二分していたようなので、ドンキホーテファミリーに対抗出来るレベルの組織だったのでしょう。

 主な戦力は”大監獄インペルダウン”Level.1~3の脱獄囚でしょう。億未満とはいえ一千万以上の海賊百余名程度で構成されているはずなので、すでに偉大なる航路グランドライン前半の海賊では手も足も出ない規模となっています。さらに、七武海になってからも新戦力を取り込んでいるようなので、新世界の億越えレベルの海賊も取り込んでいる可能性は高いです。

 また、七武海の地位を剥奪されたとしても七武海として築いてきた伝手は生きているので、「人脈」という面で見れば海賊界で有数でしょう。

B・W〈バロック・ワークス〉の後継?

 クロコダイルは、七武海時代に秘密結社「B・Wバロック・ワークス」を組織していました。約2000人の人員がいて、建国(国家転覆)を目的とした秘密主義の組織となっていました。秘密主義のためどうしても実力者が集まりにくくなっていますが、幹部クラスの中でも上位幹部オフィサーはインペルダウンに投獄されるほどの実力を持っています。
 活動内容は多岐に渡り、「盗み、諜報活動、賞金稼ぎ、暗殺、潜入工作」等々様々なことを行っていました。

 ここで、B・Wはクロコダイルの逮捕時に解体されているのですでに無くなっていますが、クロコダイルが一から構築した組織なので同じような会社を作り上げるノウハウは残っているはずです。実際に、CROSSGUILDは本来バギーは一切関与していない組織で、バギーズデリバリーが加わらなくても政府が無視できないレベルの大組織となる予定でした。
 おそらくは偉大なる航路グランドラインの前半で秘密裏に組織したB・Wとは違って、後半である新世界で組織したCROSSGUILDの構成員は相応の能力を持っていることでしょう。

 以上のような構成なので、表の顔を”四皇”バギーとバギーズデリバリー、裏工作や策略は”智謀”クロコダイルとその配下が務め、実質的な抑止力を”世界最強の剣士”であるジュラキュール・ミホークが務めていると考えています。海賊にとって「武力=格」なのでトップが抑止力を務めていないのは作中でも珍しい例ですが、バギーは顔役のみで十分な活躍が見込めるので十分なのでしょう。
 むしろ、ビッグマム海賊団のような事例を考えれば、顔役トップは派手な飾りである方が都合が良いかもしれません。

CROSSGUILDの目標

 ここからは、いきなりですがCROSSGUILDの今後の目標について考えていきます。個人的な予想では

CROSSGUILDクロスギルドを中核とした世界政府に比するレベルの軍事国家の建国

と考えています。
 理由は大別して2つです。

  1. クロコダイルの舵取り
  2. 海兵狩り

クロコダイルの舵取り

 まずメインとなる理由は、CROSSGUILDはクロコダイルが舵取りしているからです。

 先述したように、CROSSGUILDは元々クロコダイルが1人で準備し、ミホークをスカウトする形で設立するはずだった会社です。社長となってしまったバギーはあくまで”お飾り”であり、ミホークも”抑止力”ではあるものの本人は平穏を望んでいるため帰属する組織が安泰であれば邪魔はしないでしょう。
 そのため、会社の実権はクロコダイルが握ることになり、CROSSGUILDはクロコダイルが舵取りしていくことになります。

 そして、クロコダイルは既に「自身の目的」と「そこに至るための手段」を作中で明かしています。それが扉絵連載にて判明した「海賊王」と過去にアラバスタで実行しようとした「軍事国家の建国」です。
 海賊王に至る為には圧倒的な軍事力が必要なことはカイドウやビッグマムなどの前四皇が示しているので、軍事国家の建国は理に適っています。そして、「アラバスタにはもう興味が無い」とは言っていますが、長年培ってきたノウハウと経験を手放すはずもないでしょう。

 そのため、CROSSGUILDは軍事国家建国のための動きに出ると考えられます。もちろん、普通は海賊が世界的に通用する国家の設立など不可能ですが、圧倒的な実力抑止力があれば可能であることはビッグマム海賊団が示しています。
 そして、ミホークという「世界最強の剣士四皇クラスの実力者」はそのため抑止力に引き入れたのでしょう。

 そこさえクリアできれば後は簡単です。四皇の名の下に政府や他四皇の影響が薄い場所をナワバリとして治め、安全保障を対価に物資を生産させればいいのですから。資金もまた、クロコダイルやバギーの伝手であれば容易に集まるでしょう。

海兵狩り

 もう1つの理由が、海兵狩りプランです。

 作中にてCROSSGUILDの内情はほとんど明かされていませんが、1つだけ確定している事業があります。それが「(仮称)海兵狩り」です。これは、本来は世界政府が犯罪者に掛ける「懸賞金システム」をCROSSGUILDで独自に構築し、「海兵に逆懸賞金を掛ける」という事業のようです。
 元々、裏社会では「海兵狩り」に多くの闇金が流れていたので土台はあったようですが、それを表沙汰で大々的に始めたのがCROSSGUILDになります。

狙い

 この事業は、簡単に言えば「対世界政府における海賊の協調状態を作るための策」だと考えます。

 世界政府は、作中最大の組織であり海賊王に至る上で四皇以上の障害であることが濃厚です。これは単純に「組織としての巨大さ」が最大の理由ですが、それ以外にも理由はあります。
 それは「海賊同士が敵」である点です。

 海賊は皆等しく世界政府の敵であり、世界政府直属の軍事組織である海軍でさえ星の数ほど存在する海賊を抑えることが出来ていません。そんな状況でも世界政府が揺るがないのは海賊同士が敵であり、互いに睨み合い滅ぼし合っているためです。
 そこに一海賊と政府の物量差も相まって、海賊は海軍を積極的に狙うことによるヘイト集中を避けている状態となり、海賊は海軍に対して「逃げ」を基本としています。そうして、世界政府は海賊を一方的に追う立場を維持し、盤石の態勢を築いています。

 しかし、逆懸賞金システムは海賊同士が敵である現状を限定的に打破できます

 前述の通り、海賊が海軍を狙わないのはリターンが少ないからです。勝ったら物資は得られますし名声を得られますが、ヘイトを溜め過ぎれば狙われて物量差で滅ぼされますし、なにより海賊が大好きな「金銀財宝目先の利益」が得られません。
 ですが、もしも海軍を襲うことで財宝を得られたらどう考えるでしょうか。目の前に来た海兵がお金に見えた場合はどうでしょうか。海賊ならば、目の前の金に飛びつくでしょう。

 海軍を襲えば物資だけでなく資金も調達可能になり、さらに取引場所は政府直々の「海軍は積極的に手を出せません」認定をした”四皇のお膝下CROSSGUILD“です。CROSSGUILDの管理下いれば海軍と戦うリスクも大きく軽減しますし、四皇の指揮の下に皆でやれば狙いが分散してさらにリスクを軽減できます。
 つまり、海賊が海軍と戦いやすくなります。そして、海賊の眼がお互いよりも海軍に向くので、対海軍(政府)限定で協調状態が作れるとクロコダイルは考えているのではないでしょうか。

 まとめると、海賊の対海軍相対時のリスクを軽減リターンを多くすることで、対政府組織限定の海賊の疑似協調状態を作り出すのが狙いだと考えられます。

実現性について

 普通なら成立させることは出来ないでしょう。なぜなら、懸賞金の財源を世界政府の管理下にはない闇市場から出資してもらうにしても、ここまで大っぴらにやれば即座に政府が潰しに来ますし、賞金の支払い保証である「契約事に関する信頼」が海賊には無いからです。

 しかし、CROSSGUILDの場合は別です。

 先述の通りCROSSGUILDは、世界政府を含む他勢力が容易に手を出せない陣容となっていますし、クロコダイルは七武海時代から脱獄後も含めて得た伝手を持っているでしょう。さらに、バギー加入によりバギーズデリバリーが得た伝手も加わるはずです。
 また、四皇クラスの海賊団は安全保障を対価にしたナワバリからの物資資金補充も可能なので、他所からの出資が無くても事業を維持できる可能性もあります。

 つまり、なかなかに安泰です(素人目)。まあフィクションで実現性を追求しても意味無いですが…。

 まとめると、海兵狩りは世界政府への具体的な対抗手段だと考えられます。

まとめ

 今回はCROSSGUILDクロスギルドの今後の目標について考察しました。

 CROSSGUILDは、社長であるバギーを外への顔役としたクロコダイルが指揮する組織で、お互いの組織が単純に表と裏で合わさった組織となっていると考えられます。また、他勢力への抑止力として世界最強の剣士であるミホークを迎えていて、名目上のトップであるバギーは政府より”四皇”の地位を当てられました。

 CROSSGUILDの目標は「世界政府に対抗できる軍事国家の建国」だと考えられ、具体的な策として最初に打たれた手が「海兵狩り」だと考えます。

余談

 本当は「実際にどう動くか」までは考えたかったのですが無理でした。ミホークは傍観主義?、バギーは操り人形だからクロコダイルの動きを予想出来ればいいんですが、肝心のクロコダイルが基本暗躍だから分からなすぎる…。

 おそらくは世界政府非加盟国をまとめているんだと考えていますが、どうなっていることやら。


 以上で今回の記事は終わりです。誤字脱字等の間違いや、他にご意見があればコメントで指摘して頂ければ幸いです。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。


コメント

タイトルとURLをコピーしました