悪魔系究極能力 解説/考察

能力解説/考察

 私は先日、以下にて【転生したらスライムだった件】における「天使系究極能力アルティメットスキル」についての解説および考察を行ないました。

 そこで解説したように、”天使系究極能力アルティメットスキル“とは”始原の七天使”に与えられるはずだった7つの究極能力アルティメットスキルのことです。より純粋で高位のスキルであり、最高位である”美徳系究極能力アルティメットスキル“に次ぐ性能を誇るスキルなので、当然ながら“世界の調律”に引っ掛かります
 そうなった場合はとても簡単で、始原天使創造の反作用で原初悪魔が、美徳系創造の反作用で大罪系が発生したように、調律を保つように相反する概念が発生します。

 そして、天使系究極能力アルティメットスキルの反作用で発生した概念が”悪魔系究極能力アルティメットスキル“です。今回は、悪魔系究極能力アルティメットスキルについて解説および考察を行なっていきます。

 最後までお付き合いいただければ幸いです。

悪魔系七種

 まずは、基本である天使系七種の反作用で発生したと考えられる〔悪魔系七種〕の究極能力アルティメットスキルに触れていきます。

死滅之王〈アバドン〉

 究極能力アルティメットスキル死滅之王アバドン』は、”原初の黄ジョーヌ“であり魔国連邦テンペスト聖魔十二守護王12人の王である”破滅王メナスロード“カレラが”真なる魔王”に覚醒し、その後に獲得したスキルです。カレラ自身の攻撃的性質が反映されていて、攻撃力に特化した権能となっています。

 スキルの名を冠する〈アバドン〉はヨハネの黙示録に記される天使ですが、”七つの災厄”の五番目に出現する存在として終末を促す存在とされています。”蝗の王”や”奈落の王”とも呼ばれ、イナゴの群れを召喚したり、背信した堕天使を封じ込めたりするようです。

権能

 先述の通り攻撃力に特化した権能となっていて、単純火力の上乗せを行います。
 権能の構成は以下となっています。

  1. 思考加速
  2. 万能感知
  3. 魔王覇気
  4. 時空間操作
  5. 多次元結界
  6. 限界突破
  7. 次元破断

 1~5までがリムル配下の王に多く組み込まれている汎用型の権能です。元々は個々がエクストラスキルとして保有している物で、シエルが整理するように究極能力アルティメットスキルへ組み込まれた形になります。
 6の「限界突破」は作中で言及されたことがありませんが、破壊に特化したカレラの性質を考えれば自身の出力限界を超過した攻撃力を発揮する権能でしょう。
 7の「次元破断」は、「空間歪曲防御領域ディストーションフィールドを貫通する」となっているので空間支配等の防御に対する貫通性を付与する権能でしょう。おそらくは、統合された天使系究極能力アルティメットスキル断罪之王サンダルフォン』の権能はここにまとめられていると考えられます。

 以上の通り、死滅之王アバドンはカレラの脳筋を反映させた破壊力特化の強化系スキルとなっています。アバドン要素は薄いように感じますが、終末装置といった感じは多いにありますね。

幻想之王〈メフィスト〉

 幻想之王メフィストは、蟲魔王の直系であり魔国連邦テンペストの聖魔十二守護王である”幽幻王ミストロード“ゼギオンが、真なる魔王に覚醒した後に獲得したスキルです。”神智核マナス“シエル(および前身ラファエル)の魔改造とリムルの勘違い、ゼギオンの生真面目さが合わさった結果のため、進化にありがちな”長所を伸ばす“タイプではなく”短所を補う“タイプのスキルとなりました。

 スキルの名を冠する〈メフィスト〉は、ファウスト伝説における悪魔「メフィストフェレス」です。”光を愛さない者”の意味を持ち、変幻自在の道化としての側面が有名でしょう。出典によっては大魔王ルシファーの代行とも考えられているようです。

権能

 先述の通り短所を補うタイプのスキルとなっていて、ゼギオンの精神体スピリチュアルボディへの干渉力の弱さを補う権能が組み込まれています。
 権能の構成は以下となっています。

  1. 思考加速
  2. 万能感知
  3. 魔王覇気
  4. 水雷支配
  5. 時空間操作
  6. 多次元結界
  7. 森羅万象
  8. 精神支配
  9. 幻想世界

 1~3、5~7はリムルが組み込んだ汎用型エクストラスキルの権能です。
 4の「水雷支配」は一定範囲内の水分子を操作する権能で、進化後の肉体はこの権能で造り出しているようです。
 8の「精神支配」は精神を操作する権能であり、精神体スピリチュアルボディへの干渉権限でもあります。
 9の「幻想世界」は独自世界を構築する世界系の権能で、空間内の虚実を自在に操作するようです。

 以上から分かるように、支配系の幻惑に秀でたスキルとなっています。ゼギオンが強すぎるために道化感が無いですが、スキル単体で見ればメフィストらしい権能です。

誘惑之王〈アザゼル〉

 究極能力『誘惑之王アザゼル』は、”原初の黒ノワール“であり魔国連邦テンペストの聖魔十二守護王である”魔神王デモンロード“ディアブロが、”真なる魔王”に覚醒した後に獲得したスキルです。リムルのスキルを参考にして創り上げられたスキルであり、本人リムルから「自分とほとんど同じ事が出来そう」と称されています。

 スキルの名を冠する〈アザゼル〉は聖書などに登場する堕天使です。「神の如き強者」という意味を持つ名で、神への復讐手段として人間に英知を与えたことで有名です。

権能

 先述の通り「リムルとほぼ同じ事が出来る」となっていますが、読者視点ではリムルが多芸過ぎて”どこからどこまでの範囲で同じことが出来るのか”が分かりません。例えば、『智慧之王ラファエル』のような配下にさえ極秘のスキルによる力さえ模倣出来ているのでしょうか。
 個人的には、リムルが見せ札として普段から曝している『暴食之王ベルゼビュート』と同じ様なことが出来るのだと考えています。

 権能の構成は以下です。

  1. 思考加速
  2. 万能感知
  3. 魔王覇気
  4. 時空間操作
  5. 多次元結界
  6. 森羅万象
  7. 懲罰支配
  8. 魅了支配
  9. 誘惑世界

 1~6はリムルが組み込んだ汎用型エクストラスキルの権能です。
 7の「懲罰支配」は自身に隷属する者の生殺与奪権を握る権能だと考えられます。
 8の「魅了支配」は自身に屈服した者の精神を隷属させる権能だと考えられます。
 9の「誘惑世界」は独自世界を構築する世界系の権能で、範囲内では幻覚を自在に発生させて現実情報と入れ替えることを可能にします。

 基本的に、精神支配に類する権能ばかりなのでリムルの能力とは重ならないですが、懲罰支配と魅了支配は『暴食之王ベルゼビュート』の「食物連鎖」と重なる気がします。また、誘惑世界を使えば何でも出来てしまうので、そこにディアブロの豊富な知識や高度な技量レベルが合わさって同じことができるのでしょう。

死界之王〈ベリアル〉

 究極能力『死界之王ベリアル』は、”原初の白ブラン“であり魔国連邦テンペストの聖魔十二守護王である”虐殺王キラーロード“テスタロッサが、”真なる魔王”に覚醒した後に獲得したスキルです。”生と死”を司るスキルであり、テスタロッサの性質を反映させた結果か”死”に偏っているとされています。

 スキルの名を冠する〈ベリアル〉は聖書に登場する悪魔です。「無価値」を意味する名を持ち、出典によっては最初に創造された天使とされています。

権能

 先述の通り”生と死”を司る”死”のスキルで、権能は以下です。

  1. 思考加速
  2. 万能感知
  3. 魔王覇気
  4. 時空間操作
  5. 多次元結界
  6. 森羅万象
  7. 生命支配
  8. 死後世界

 1~6はリムルが組み込んだ汎用型エクストラスキルの権能です。
 7の「生命支配」は、描写されている死を司る権能だと考えられ、生命に対する有利を発生させると考えられます。
 8の「死後世界」は独自世界を構築する世界系の権能で、範囲内の生命の生殺与奪権を握る権能だと考えます。

 原初の天使の力ベリアルだからこそ生死を決める権利を持つということでしょうか。白の悪魔ブランであるテスタロッサがその力を獲得するのは当然の流れなのかもしれません。

死毒之王〈サマエル〉

 究極能力アルティメットスキル死毒之王サマエル』は、”原初の紫ヴィオレ“であり魔国連邦テンペストの聖魔十二守護王である”残虐王ペインロード“ウルティマが真なる魔王に覚醒した後に獲得したスキルです。ウルティマの残虐性を反映させた結果か、”殺害”に特化した性能となっています。

 スキルの名を冠する〈サマエル〉は聖書などで登場する”死”を司る天使で、”sam“を意味する名を持ちます。カマエルやサタンと同一視されることもあり、アダムとイブを唆した蛇はサマエルだという説もあるようです。

権能

 先述の通り”破壊”等ではなく”殺害”に特化しているスキルで、権能の構成は以下になります。

  1. 思考加速
  2. 万能感知
  3. 魔王覇気
  4. 時空間操作
  5. 多次元結界
  6. 弱点看破
  7. 死毒精製
  8. 生命根絶

 1~5はリムルが組み込んだ汎用型エクストラスキルの権能です。
 6の「弱点看破」は、弱点属性(地・水・火・風・空間・光・闇)を見抜く権能だと考えられます。
 7の「死毒精製」は毒を精製する権能で、「弱点看破」と組み合わせることで致死属性の継続ダメージソースを精製できると考えられます。
 8の「生命根絶」は元々存在しませんでしたが、廃棄した「死滅世界」の代替として存在しているようです。「死滅世界」が”究極能力アルティメットスキルを保有しない精神生命体以外の存在を確定で死滅させる”という権能でしたが、条件に当て嵌まるのは権能を使わなくても瞬殺できる存在なので不要となりました。そのため「死滅世界」のリソースを使って「生命根絶」が創られたと考えられます。その効果は判明していませんが、語感的に”生命体への弱体化”と考えました。

 特色として“弱体化”に重点を持つスキルとなっています。人間を堕とした存在サマエルだからこそ、弱体系の毒ということですね。

 以上が現状20巻で作中に登場している悪魔系七種ですが、まだ揃っていません。というのも、悪魔系究極能力アルティメットスキルの獲得者は4/5人が原初の七柱であり、残る原初の1/3人が大罪系究極能力アルティメットスキルを獲得しています。そして、究極能力アルティメットスキルを未だに獲得していない原初は残り2人であり、悪魔系七種は残り2つです。
 そのため、展開的に残りの原初2人が残りの悪魔系七種を獲得すると考えています。

 そこで、以下では残りの原初が獲得すると考えているスキルを紹介していきます。

不明1〈?〉

 残り2つの悪魔系七種の内、片方を獲得すると考えているのが”原初の青ブルー“ことレインです。始原と原初や、天使系七種と悪魔系七種の関係から、獲得する究極能力アルティメットスキルは『憂鬱之王アシュタロト』と考えています。
 詳しくは以下の記事で解説していますが、権能はレインの”サボり魔”的な性質が反映された指揮官型のスキルを考えています。

権能

 権能は、サボり魔なレインの性質から他人を動かす指揮官型がメインになると考えています。
 権能の構成は以下を考えています。

  1. 万能感知
  2. 軍隊指揮
  3. 酷使指令
  4. 責任転嫁
  5. 飽和支配

 状況把握を行う「万能感知」。状況整理を行う「軍隊指揮」。指揮に付随してバフを掛ける「酷使指令」。自身への負債ダメージを他者へ押し付ける「責任転嫁」。「偏在ミスト」の進化系として考えた、自身の存在を周囲と同化させ増大させていく「飽和支配」。
 上記の記事で考えた構成とは少し違いますが、以上のような構成を想像しています。

 サボり魔故に指揮・支援型、指揮を行う為の支配系のスキルを考えました。

不明2〈?〉

 残り2つの悪魔系七種の内、もう片方を獲得すると考えているのが”原初の緑ヴェール“ことミザリーです。ミザリーの場合はレインよりも情報が少ないため、始原と原初、天使系七種と悪魔系七種に加えてギィやレインとの関係も加えて考えています。

権能

 先述の通り、ミザリーは情報が少ないため本人の役割等から権能を予想しています。

  1. 思考加速
  2. 時空間操作
  3. 並列演算
  4. 音波支配
  5. 不滅幻影

 1~3は事務処理に有用そうな権能を考えました。
 4の「音波支配」は名前ミザリーの由来が「苦悶の叫び声」なので、音波を支配して様々な効果を付与する権能を考えました。
 5の「不滅幻影」は、フェニックスであり虚栄なので”不滅に見せる”覇気系の権能を考えました。

 後方支援向きの路線で考えています。

 以上が残りの悪魔系七種の予想です。

悪魔系亜種

 ここからは基本形と考えられる七種ではなく、その他と考えられる〔悪魔系亜種〕について挙げていきます。

美食之王〈ベルゼバブ〉

 究極贈与アルティメットギフト美食之王ベルゼバブ』は、魔国連邦テンペストの聖魔十二守護王である”守征王バリアロード“ゲルドが”真なる魔王”に覚醒した後にリムルから贈与されたスキルです。このスキルはリムルが獲得した大罪系究極能力アルティメットスキル暴食之王ベルゼビュート』のマイナーチェンジ型の能力で、性能を落とす代わりに多くの権能を搭載しています。
 元々、豚頭帝オークロードの獲得するスキルはリムルの捕食スキルの原型と類似していて、その2つを統合することで大罪系スキルを創造していました。それが関係してか、猪神シシガミのゲルドには類似のスキルへの適性が高くなっていました。そのため、ゲルドはリムルに『美食之王ベルゼバブ』を贈与されたようです。

 スキルの名を冠する〈ベルゼバブ〉は、ベルゼブブ/ベルゼビュートなどと呼称されることもある聖書の悪魔です。サタン/ルシファーに次ぐ地位の悪魔であり、病魔を促す”蠅の王”として恐れられていました。

権能

 先述の通り、暴食之王ベルゼビュートのマイナーチェンジ型スキルです。そのため、類似のスキルに加えて原型には無い多彩な権能を搭載しています。
 権能の構成は以下です。

  1. 思考加速
  2. 魔力感知
  3. 魔王覇気
  4. 超速再生
  5. 捕食
  6. 再生
  7. 隔離
  8. 需要
  9. 供給
  10. 腐食
  11. 鉄壁
  12. 守護付与
  13. 空間操作
  14. 多重結界
  15. 超嗅覚
  16. 全身鎧化

 1~4、6、13、14はリムルにより組み込まれた汎用型エクストラスキルの権能です。
 5、7は「胃袋」の権能を分割したものだと考えられ、一定範囲内の空間を「捕食」する権能と捕食したモノを自空間に「隔離」する権能です。
 8、9は、「需要」で自身の眷属配下から能力スキルを集積し自身の規格スケールへ進化させ、「供給」で進化させた能力スキル眷属配下へ再分配する一対の権能です。
 10の「腐食」は触れた物質を腐食させる権能です。
 11の「鉄壁」は眷属配下の防御力を上げる権能だと考えられます。
 12の「代役」は眷属配下のダメージを肩代わりする権能です。
 15の「超嗅覚」は嗅覚による感知系の権能です。
 16の「全身鎧化」は自身の耐久力を上げる権能です。

 魔国連邦テンペストの防衛力を象徴する人物のスキルなので、自身のみで完結する型ではなく配下全体に効果をもたらす権能が多くなっています。そういった意味では指揮型のスキルとも言えるでしょう。

 配下に力を分け与えるのは全てを喰らい尽くす者ベルゼブブらしくないですが、原典である地母神バアル・ゼブルとしての側面を強く出しているんでしょう。

幻獣之王〈バハムート〉

 究極贈与アルティメットギフト幻獣之王バハムート』は、魔国連邦テンペストの聖魔十二守護王である”幻獣王キメラロード“クマラが”真なる魔王”に覚醒した後にリムルから与えられたスキルです。究極贈与アルティメットギフトですが、惑星に干渉可能なほどに能力の規模スケールが大きいスキルとなっています。

 スキルの名を冠する〈バハムート〉は、聖書の怪物ベビモスが中東へ伝わった後に姿を変えた怪獣です。天地創造の際に創り上げられた礎の一つで、世界を飲み込める巨大魚とされています。
 ベビモスの対となるリヴァイアサンレヴィアタンが聖書にて悪魔とされているので、ベビモスと同一存在であるバハムートも悪魔系としています。

権系

 特徴として「重力への干渉」が挙げられます。
 権能の構成は以下です。

  1. 思考加速
  2. 万能感知
  3. 魔王覇気
  4. 重力支配
  5. 空間支配
  6. 多重結界

 4以外はリムルに組み込まれた汎用型エクストラスキルの権能です。
 4の「重力支配」は惑星の重力に干渉する権能です。

 前述の美食之王ベルゼバブとは反対に一点特化のスキルで、ポテンシャルの塊のような扱いになっています。世界を飲む巨大魚としての名に恥じないスキルと言えるでしょう。

まとめ

 以上が文庫版小説第20巻までに登場している悪魔系究極能力アルティメットスキルと、これから登場すると考えている悪魔系究極能力アルティメットスキルの予想です。まとめると以下のようになります。

  • 悪魔系七種
    1. 破滅之王アバドン
      • 破壊特化
      • 強化系
    2. 幻想之王メフィスト
      • 幻術特化
      • 精神系
    3. 誘惑之王アザゼル
      • 万能型
      • 支配系
    4. 死界之王ベリアル
      • 死を司る
      • 支配系
    5. 死毒之王サマエル
      • 殺害特化
      • 弱体系
    6. 憂鬱之王アシュタロト
      • 指揮・支援型
      • 支配系
    7. 虚栄之王フェネクス
      • 幻惑・支援型
      • 覇気系
  • 悪魔系亜種
    1. 美食之王ベルゼバブ
      • 指揮・支援型
      • 空間系
    2. 幻獣之王バハムート
      • 一点特化型
      • 支配系

 今回の記事は以上で終わります。

 最後までお付き合い頂きありがとうございました。

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