転スラ 究極能力の分類

自己解釈・妄想録

 【転生したらスライムだった件】における「スキル」には、一部の覚醒者のみが保有することができる究極能力アルティメットスキルが存在します。究極能力アルティメットスキルには「○○之王」といった親文字が振られていて、その文字の通り○○が指す能力の王様とも言える権能を持っています。

 基本的にユニークスキル唯一性の具現の進化により獲得できるため、究極能力アルティメットスキルは十人十色であり似た権能があってもその効力や構成は様々です。つまり、同じような名前のスキルでも細部が別の権能で構成された能力なのです。とはいっても権能の特色が似通っているものはあるので、効果から系統を分類することは出来ます。
 また、究極能力アルティメットスキルのルビには神話等の人物を模した名前が振られており、そこから権能の系統を表すことも可能です。

 そこで今回は、究極能力アルティメットスキルの分類を行いました。分類は特性によるものと、元ネタの神話によるものの2種類です。

 最後までお付き合いいただけると幸いです。

※Web版の内容と文庫版小説第19巻までのネタバレ注意
※文庫版小説第20巻の情報追記


権能による分類

 これはとても難航しました。「分類する系統をどれだけ作るか」の時点で悩んでいました。
 異論は多いにあると思いますが、インスピレーション重視にしなければ終わらないのでご容赦のほどを…。公式がスキルの設定集とか出してくれればいいんですが…。

 ちなみに、以下で表記している権能は究極能力アルティメットスキルのものですが、究極能力アルティメットスキルの権能はそのままエクストラスキルとして扱われているので、エクストラスキルなどで「これが足りないよ」というご指摘があればコメントして頂けると幸いです。さすがに多くて網羅しきれていません。
 また、詳細は明記されていなくとも、作中の大雑把な説明から推測できる権能も加えています。さらに、究極能力アルティメットスキルだけでなく究極付与アルティメットエンチャント究極贈与アルティメットギフトの権能も加えています。

 究極能力アルティメットスキル等の分類は、そのスキルを構成する権能の中で最も代表的、あるいは特徴的な権能を主観的に選択し、その権能のカテゴリーに分類しています。また、権能が公開されていないスキルは大まかな描写から象徴となる権能を予想しています。なので権能の表記に「○○”?”」を付けています。

精神操作系

 まずは「精神操作」に類する権能を特徴とするスキルです。

能力スキル象徴する権能
正義之王ミカエル天使長の支配
幻想之王メフィスト精神支配
誘惑之王アザゼル魅了支配
怠惰之王ベルフェゴール催眠誘導?
支配之王メルキセデク権能支配?

 究極能力アルティメットスキルの覚醒者は強靭な意思力を持っています。というか、そうでなければ究極能力アルティメットスキルは獲得出来ません。そのため、基本的に精神操作の類は効きません。つまり、精神操作系のスキルは流行りにくくなります。
 だからでしょう。精神操作系統の権能を構成しているスキルは多いですが、それを特色として全面に押し出している権能はたった4つでした。

 精神操作系の頂点である『正義之王ミカエル』、思考誘導を行える『誘惑之王アザゼル』、催眠を行う『怠惰之王ベルフェゴール』、「権能を支配する」とされている『支配之王メルキセデク』は順当なところでしょう。残る『幻想之王メフィスト』は微妙なところでしたが、このスキルは保有者であるゼギオンに精神方面への適性を与えるためのスキルなので、精神操作系統に分類しました。

空間/結界系

「空間/結界系」は空間へ干渉するタイプのスキルです。

能力スキル象徴する権能
誓約之王ウリエル無限牢獄
審判之王イスラフィール空間操作?
審罰之王メーティス空間支配?
暴食之王ベルゼビュート胃袋
美食之王ベルゼバブ胃袋
虚空之神アザトース虚数空間

 結界系の権能自体が組み込まれているスキルは多いですが、それがメインの権能である場合は少なくなっています。なので、結界系の究極能力アルティメットスキルは予想以上に少なくなりました。

 「空間管理に特化した権能」である『誓約之王ウリエル』、『誓約之王ウリエル』の下位互換である『審判之王イスラフィール』、『審判之王イスラフィール』の進化系である『審罰之王メーティス』、空間への作用である「捕食」や内部空間を備え付ける『暴食之王ベルゼビュート』、その下位互換発展系の『美食之王ベルゼバブ』、『暴食之王ベルゼビュート』を母体にした進化系である『虚空之神アザトース』が結界系となります。

演算補助系

 「演算補助系」は補助に特化したスキルの分類になります。強化というよりも補助や補正がメインで、”実在するなにか”ではないものを取り扱う権能を大まかにこの分類としています。

能力スキル象徴する権能
知識之王ラファエル解析鑑定
智慧之王ラファエル解析鑑定
究明之王ファウスト真理之究明
混沌之王ナイアルラトホテップ真理之究明
魔導之書グリモワール知識閲覧
心理之王ムードメーカー運命改変
数奇之王フォルトゥーナ演算領域
予言之書アガスティア演算領域?
暴虐之王スサノオ因果律操作?

 世界の法則を管理するためのスキルである『知識之王ラファエル』、『知識之王ラファエル』の進化系?である『智慧之王ラファエル』、乱数を調整する『究明之王ファウスト』、『究明之王ファウスト』の進化系である『混沌之王ナイアルラトホテップ』、魔法の情報を収納・閲覧できる『魔導之書グリモワール』、不測を回避する『心理之王ムードメーカー』、演算予測で未来を導き出す『数奇之王フォルトゥーナ』、演算補助系スキルの進化系である『予言之書アガスティア』を演算補助系の権能に分類しています。
 また、Web版で登場している『暴虐之王スサノオ』も「因果律操作」と考えられる権能があるはずですが、「因果律操作」は演算補助系だと考えたのでここに分類しています。

召喚系

 「召喚系」は召喚を行うスキルの分類になります。ここで指している召喚は「誰かを呼び出す」というものだけでなく、権能の送受信や現象の送受信も含めています。

 少ないので、「竜種召喚」の権能がなければ「召喚系」などというカテゴリーは作らなかったでしょう。まあ、16巻でどちらも統合されて無くなったんですが。

能力スキル象徴する権能
暴風之王ヴェルドラ暴風竜召喚
灼熱之王ヴェルグリンド灼熱竜召喚
英雄之王シンナルエイユウ英魂道導
地形之王ワールドマップ瞬間移動?

 竜種を召喚する『暴風之王ヴェルドラ』と『灼熱之王ヴェルグリンド』、縁を繋げた死者を全盛期を再現して呼び出す『英雄之王シンナルエイユウ』、空間への干渉を無視して転移を可能とする『地形之王ワールドマップ』を召喚系に分類しました。

模倣/創造系

 「模倣/創造系」は何かしらの模倣や創造を行うスキルの分類です。

能力スキル象徴する権能
豊穣之王シュプ・ニグラド能力創造
武創之王マルチブルウェポン武器生成?
真贋作家アーティスト人物模倣?
刀身変化とうしんへんげ刀化?
傲慢之王ルシファー権能模倣?
創造之王アフラ・マズダ?創造?

 能力スキルを創り出す『豊穣之王シュプ・ニグラド』、武器を創り出す『武創之王マルチブルウェポン』、人物を模倣する『真贋作家アーティスト』、刀を模倣する『刀身変化』を模倣系として分類しています。
 また、Web版で登場する「スキルを模倣する」スキルである『傲慢之王ルシファー』と「万物創造」の権能を持つスキルである『創造之王アフラ・マズダ』もここに分類しています。

強化系

 「強化系」は何かを強化するスキルの分類になります。

能力スキル象徴する権能
死滅之王アバドン限界突破
不老不死イモータル完全再生
不朽不滅エターナル完全再生
至天之王アスタルテ創造進化
希望之王サリエル生命賦活?
憤怒之王サタナエル威力増強?
救恤之王ラグエル加速破壊促進
炎神之王クトゥグア灼熱励起
色欲之王アスモデウス生命活性?
栄光之王ハニエル啓示指導?

 破壊力を強化する『死滅之王アバドン』、不死性を強化する『不老不死イモータル』と『不朽不滅エターナル』、スキルを進化させる『至天之王アスタルテ』、『死滅之王アバドン』と同系統であろう『憤怒之王サタナエル』、支援を主とする『救恤之王ラグエル』、『救恤之王ラグエル』の進化系である『炎神之王クトゥグア』を強化系に分類しています。
 また、生命力を向上させると考えられる『希望之王サリエル』と『色欲之王アスモデウス』、『救恤之王ラグエル』の系譜の支援能力だと考えている『栄光之王ハニエル』もこちらに分類しています。

弱体系

 「弱体系」は何かを弱体化させるスキルの分類です。

能力スキル象徴する権能
死毒之王サマエル生命根絶
忍耐之王ガブリエル事象固定?
断罪之王サンダルフォン機能阻害?
刑罰之王サンダルフォン機能阻害?
強欲之王マモン能力強奪?
嫉妬之王レヴィアタン降格吸収?
氷神之王クトゥルフ極寒基底?
厳格之王ジブリール事象制限?

 弱体化を強いる『死毒之王サマエル』、不測の事態を停止させる『忍耐之王ガブリエル』、機能を破壊する『断罪之王サンダルフォン』と『刑罰之王サンダルフォン』、能力を奪い取る『強欲之王マモン』、相手を自分より弱くする『嫉妬之王レヴィアタン』、『忍耐之王ガブリエル』と『嫉妬之王レヴィアタン』の統合進化系である『氷神之王クトゥルフ』を弱体系に分類しています。
 また、個人的に『忍耐之王ガブリエル』の下位展開版であると考えている『厳格之王ジブリール』もこちらに分類しています。

自然系

 「自然系」は自然に関する現象を操作するスキルの分類です。

能力スキル象徴する権能
死界之王ベリアル生命支配
魔導之書ネクロノミコン死者支配
幻獣之王バハムート重力支配
星風之王ハストゥール天候支配
雷霆之王インドラ天候支配?
天風之王ヴァーユ天候支配?
陽炎之王アマテラス光熱支配
火焔之王アグニ光熱支配?
月影之王ツクヨミ月の瞳
機神之王デウス・エクス・マキナ鉱物支配
邪龍之王アジ・ダハーカ有機支配
時空之王ヨグ・トソース時間流支配?
時空之神ヨグ=ソトホート時間流支配?
純潔之王メタトロン粒子支配?
光輝之王スーリヤ素粒子支配?
楽天奏者オルフェウス音風支配?
救済之王アズラエル生命支配?

 生命の死を与える『死界之王ベリアル』、死者を支配する『魔導之書ネクロノミコン』、重力を支配する『幻獣之王バハムート』、天候を支配する『星風之王ハストゥール』と『雷霆之王インドラ』と『天風之王ヴァーユ』、熱を支配する『陽炎之王アマテラス』と『火焔之王アグニ』、影を支配する『月影之王ツクヨミ』、鉱物を支配する『機神之王デウスエクスマキナ』、有機物を支配する『邪龍之王アジ・ダカーハ』、時間を操作する『時空之王ヨグ・トソース』、『時空之王ヨグ・トソース』の進化系である『時空之神ヨグ=ソトホート』を自然系に分類しています。
 また、粒子を支配する権能だと考えられる『純潔之王メタトロン』とその進化系である『光輝之王スーリヤ』、音を操ると考えている『楽天奏者』、生命を支配すると考えている『救済之王アズラエル』もこちらに分類しています。

集計

 まとめると以下のような結果になりました。

権能の分類
精神操作57.5%
空間/結界69.0%
情報演算913.4%
召喚46.0%
模倣/創造710.4%
強化1116.4%
弱体811.9%
自然1725.4%
合計67

 数の割合が最も多いのが、1/4以上を占めていた自然系になりました。これは、元々世界に存在する物体を操作した方が効率が良いし、その方が認識も干渉もしやすいからでしょう。また、その次に多いのが強化系(約15%)になりました。これは、すでに在るものを強化するのが能力としてシンプルだからでしょう。
 逆に少ないものとして召喚系があります。何かを召喚する権能自体は多いですが、それがメインになることが少ないため少なくなるのでしょう。それは、召喚系の次に少ない精神操作系や結界系も同様だと考えられます。


元ネタによる分類

 次は元ネタによる分類です。これはルビに使われている名前の出典の話で、例えば『正義之王ミカエル』ならば「ミカエル」の出典である「聖書」が属するカテゴリーになります。

 まず確認してみた結果、全部で以下7つの出典がありました。

  1. 聖書
  2. 日本神話
  3. インド神話
  4. アヴェスター(ゾロアスター)
  5. ギリシャ・ローマ神話
  6. クトゥルフ神話
  7. 系統無し

 これらを系統ごとに保有者とともに集計していきます。

聖書

 まずは作中最大勢力とも言える聖書系究極能力です。キリスト教だけでなくイスラム教、新約・旧約等々様々な展開を見せているので、全て聖書系としてまとめています。

 世界を直接運営するための根源的スキルである”美徳系究極能力”7つ、確立された基軸世界を管理するために「始原の七天使」へ与えられるはずだった”天使系究極能力”7つ、さらには上記二種に対する反作用として発生した”大罪系”と”悪魔系”の究極能力が7つずつ存在します。
 これだけ多いので、聖書系だけで究極のスキルの内半数を占めています。とはいっても未だ保有者が現れていないスキルや、枠があるというだけで名前すら分かっていないスキルも存在します。また、更なる進化の為に消費されて消滅しているスキルも存在しているので、同じ時系列で保有者が揃うときはありません。

美徳系出典所有者大罪系出典所有者
1正義之王ミカエルルドラ→ミカエル憤怒之王サタナエルミリム
2誓約之王ウリエルルドラ→リムル傲慢之王ルシファーギィ
3知識之王ラファエルルシア?暴食之王ベルゼビュートリムル
4希望之王サリエルグランベル→クロエ怠惰之王ベルフェゴールディーノ
5純潔之王メタトロンレオン色欲之王アスモデウスルミナス
6救恤之王ラグエルヴェルグリンド強欲之王マモンユウキ
7忍耐之王ガブリエルヴェルザード嫉妬之王レヴィアタンヴェルザード?
天使系悪魔系
1支配之王メルキセデクカガリ死滅之王アバドンカレラ
2審判之王イスラフィールザラリオ幻想之王メフィストゼギオン
3断罪之王サンダルフォン近藤誘惑之王アザゼルディアブロ
4救済之王アズラエルオベーラ死界之王ベリアルテスタロッサ
5至天之王アスタルテディーノレイン?
6栄光之王ハニエルガラシャミザリー?
7厳格之王ジブリールピコ死毒之王サマエルウルティマ
天使系番外悪魔系番外
刑罰之王サンダルフォンアリオス魔導之書グリモワールガドラ
智慧之王ラファエルリムル美食之王ベルゼバブゲルド
審罰之王メーティスザラリオ幻獣之王バハムートクマラ
  • 保有者がいないスキルは、最終的な保有者を記載しています。また、以前の保有者でも自力獲得の場合は記載している場合があります。ヴェルダナーヴァは除く。
  • 文庫版で所有者が登場していないものは候補者を載せています。
  • スキルの対比を意識した構造となっています。天使系と悪魔系の対比は、それぞれ美徳系と大罪系のスキルとの類似点を参考にナンバリングしています。
  • 聖書系でもナンバリングできないものは番外枠として記載しています。

 美徳系7つ、天使系7つ、大罪系7つ、悪魔系7つ、天使系番外3つ、悪魔系番外3つで合計34ものスキル群となっています。とはいっても悪魔系の2枠がまだ埋まっていないので、既出は32ですね(『美食之王ベルゼバブ』と『幻獣之王バハムート』が悪魔系七種だった場合は全てとなる)。

 また、『知識之王ラファエル』と『智慧之王ラファエル』は別扱いしています。これは名前が違うからです。そのため、近藤が獲得した『断罪之王サンダルフォン』とアリオスに与えられた究極付与アルティメットエンチャント刑罰之王サンダルフォン』もまた別枠としています。とはいっても『刑罰之王サンダルフォン』は最初、『断罪之王サンダルフォン』と表記されたように表記ゆれがあったので怪しいです。2回目以降は「刑罰之王」と表記され続けているので、別枠でも大丈夫だと思いますが。

 上記二つを別枠としたので、必然的に『美食之王ベルゼバブ』も『暴食之王ベルゼビュート』と別枠としています。とはいってもこれは権能の構成が明確に異なるので、別枠としても問題ないでしょう。

 また、悪魔系の番外として『魔導之書グリモワール』と『幻獣之王バハムートを』載せています。『魔導之書グリモワール』は「グリモワール」が旧約聖書と結びついており悪魔学に関わる本だったことから、『幻獣之王バハムートは』旧約聖書の「リヴァイアサン(レヴィアタン)」と混合されているため悪魔系番外としています。

 ここで、『幻獣之王バハムート』は『嫉妬之王レヴィアタン』に類似した悪魔系7番である場合もあります。そうなると残り1枠をゼラヌスあたりが獲得することになるかもしれません。個人的には、原初が究極能力アルティメットスキルを獲得することが無いとは思えないので、残りの悪魔系七種はレインとミザリーが獲得すると考えています。ちなみに、レインの獲得する究極能力はこちら、ミザリーはこちらで予想しています。よければ寄ってみてください。

日本神話

 次は日本神話系究極能力です。ベニマル、ソウエイの二人が保有しており、19巻現在は保有していないシオンもWeb版で獲得した『暴虐之王スサノオ』を得るでしょう。

 元日本人であるリムルを主に置き、元日本人である荒木白夜が伝えた”朧流”をハクロウ、ベニマルが継承しています。そのため、”鬼の系譜”という理由以外にも日本と縁深いので、日本神話の神を引っ張り出すのはしっくりきます。鬼が神の名を冠する力を使うというのは少し違和感がありますが。

出典所有者
1陽炎之王アマテラスベニマル
2暴虐之王スサノオシオン
3月影之王ツクヨミソウエイ

 三貴神のみなので、これ以上は中途半端に感じて日本神話系究極能力を作らないかもしれませんが、私はまだ可能性はあると思っています。その理由が三崎剣也ケンヤ・ミサキです。ケンヤは”勇者の資格”を有する少年で、すでに光の聖霊を宿した勇者候補です。勇者として名乗りを上げ、羽化さえすれば”真なる勇者”となるでしょう。そうなれば覚醒時に究極能力を獲得するはずです。

 ケンヤは元日本人なので日本神話系の究極能力を獲得するでしょう。とはいっても、既に終盤ながら子供であり、戦場に出てこれないので本編中に獲得する可能性はないでしょう。なので、ケンヤがメインの後日談に期待したいところです。ちなみに、こちらでケンヤが獲得する究極能力を予想しています。

インド神話

 3つ目がインド神話で、5つのスキルが登場しています。
 18巻にて風精人ハイエルフの祖であるシルビアが『雷霆之王インドラ』を、真なる人類ハイヒューマンであったジャヒルが究極付与アルティメットエンチャントですが『火焔之王アグニ』を獲得しています。そして20巻にて、魔王でありシルビアの弟子であるレオンが『光輝之王スーリア』、シルビアの娘であるエルメシアが『天風之王ヴァーユ』、元魔王であり元エルフのカガリが究極授与アルティメットエンチャント予言之書アガスティア』を獲得しています。

出典所有者
1雷霆之王インドラシルビア
2火焔之王アグニジャヒル
3光輝之王スーリヤレオン
4天風之王ヴァーユエルメシア
5予言之書アガスティアカガリ

 18巻で登場した二人は神祖の高弟なので、その縁で同じ神話に引っ張られているのかと思われましたが、同じく高弟であったルミナスが聖書系究極能力なのであまり関係ないのかもしれません。とはいっても暴風神であり、シヴァと同一視される「ルドラ」がキャラとして既にいるんですよね。もしかしたら人類側の”最古の存在”には優先的にインド神話を引っ張りたいのかもしれません。真なる人類ハイヒューマンは人類の祖で、風精人ハイエルフはエルフの祖、ルドラは最古の英雄ですから。
 一応、エルメシアが母親繋がりでインドの天空神「ヴァーユ」を当てられているので、絶対ではないはずです。レオンは「スーリヤ」、カガリは「アガスティア」を当てられていますが、あくまで元人類種なので現在は人類には当てはまりませんし。

 とはいえ個人的には、ラプラスが「ブラフマー」に関する究極能力を獲得することを期待しています。名前からして魔導王朝サリオンを立ち上げた者っぽいですし、妖死族デスマンですけど「サリオンの祖」って感じで。詳しい話はこちらでどのような権能なのかを手前勝手に語っています。

アヴェスター(ゾロアスター)

 4つ目はインドと同様の最小勢力のアヴェスター系です。文庫版では現状邪龍之王アジ・ダカーハのみ登場で、Web版でも後は創造之王アフラ・マズダを残すのみです。

出典所有者
1邪龍之王アジ・ダハーカヴェガ
2創造之王アフラ・マズダユウキ?

 しかし、私個人の予想ではもう一つ「アンラ・マンユ」に関わるスキルが登場すると予想しています。というのも、(要所で同じような展開を挟んでいますが)天魔大戦の展開がまるまるWeb版とは異なっているからです。

 Web版では偽創造主ことヴェルダが創造之王アフラ・マズダを獲得し、身体を明け渡していたユウキが力ごと奪って、さらに源流能力オリジンスキルというよく分からないスキルを獲得していました。しかし、文庫版のユウキは既に天魔両陣営から脱落しており、生死不明の状態です。また、ラスボス筆頭候補として”滅界竜”イヴァラージェの覚醒も発生しました。

 ここで私は、「覚醒イヴァラージェが芽生えさせた悪意を元に「アンラ・マンユ」に関わるスキルを獲得し、肉体が消滅し精神体スピリチュアル・ボディだけで漂うユウキがイヴァラージェを乗っ取る」という展開を予想しました。さらに、その影響でユウキのユニークスキル『創造者ツクルモノ』を進化させ『創造之王アフラ・マズダ』を獲得すると考えました。

 これはWeb版ユウキのヴェルダ乗っ取りや、ユウキを召喚したカザリームが精神体のみでさ迷いユウキを乗っ取ろうしたこと、イヴァラージェの悪意とユウキの征服欲など色々と伏線や親和性があるので、先ほど言ったように要所で同じような展開があることからも十分ありえる展開だと思ってます。
 ちなみに、『創造之王アフラ・マズダ』についてはこちらで、『悪徳之王アンラ・マンユ』についてはこちらでどのような権能なのかを手前勝手に語っています。

ギリシャ・ローマ神話

 5つ目はギリシャ・ローマ神話系です。ローマ神話とギリシャ神話は伝承により同一視されている存在が多いので、混合しています。以下に挙げているスキルで言えば、「プロセルピナ」はローマ神話の存在で、ギリシャ神話における「ペルセポネ」に当たります。

 他は「フォルトゥーナ」がローマ神話でギリシャ神話における「テュケー」相応し、「イモータル」はどちらにも存在する「不死者」を表す言葉。「デウス・エクス・マキナ」がギリシャ神話となっています。

出典所有者
1女王崇拝プロセルピナアピト
2数奇之王フォルトゥーナヒナタ
3不老不死イモータルアルベルト
4機神之王デウス・エクス・マキナベレッタ
5楽天奏者オルフェウスティア

 ですがアピト、アルベルト、ベレッタはともかく、ヒナタにギリシャ・ローマ神話を引っ張るとは思いませんでした。というのもヒナタは神ルミナスを絶対とする一神教の人間だからです。
 確かにルべリオスの実態を知っていますが、ヒナタはそれを許容しました。監視するという目的もあったでしょうが。それならば聖書系のスキル、それも「キリスト」や「モーセ」などの救世主が有力かと思っていたら、まさかの多神教のローマ神話です。『数学者カワラヌモノ』からの進化だから美徳系で空欄の『知識之王ラファエル』もワンチャンあり得るかと思った自分を𠮟咤したい。

 一応アピトの師匠という設定があるのでそこから縁を引っ張ることは出来ますが、まさかローマ神話の「幸運の女神」とは。それにしても「幸運」と「数奇(不運)」を掛け合わせた名前にするのはオシャレですね。

クトゥルフ神話

 6つ目はクトゥルフ神話系にあたる分類です。『魔導之書ネクロノミコン』が無ければ「旧支配者系」とも言えましたね。

 基本的に究極能力をさらに進化させた結果得られる上位の究極能力です。例外は究極に届きうるユニークスキルを3つ+αを統合して発生した『時空之王ヨグ・トソース』と、究極贈与アルティメットギフトである『魔導之書ネクロノミコン』のみでしょう。

クトゥルフ神話所持者
1豊穣之王シュプ・ニグラドリムル
2虚空之神アザトースリムル
3時空之王ヨグ・トソースクロエ
4時空之神ヨグ=ソトホートクロエ
5星風之王ハストゥールランガ
6混沌之王ナイアルラトホテップヴェルドラ
7炎神之王クトゥグアヴェルグリンド
8氷神之王クトゥルフヴェルザード
9深淵之王ノーデンスギィ
10魔導之書ネクロノミコンアダルマン

 Web版でほとんど出番が無かった『時空之神ヨグ=ソトホート』、『氷神之王クトゥルフ』、『深淵之王ノーデンス』はいったいどのような権能なのか気になるところですが、文庫版は敵の規模や強さがWeb版とは桁違いなので今後の活躍に期待です。ちなみに、『時空之神ヨグ=ソトホート』はこちら、『氷神之王クトゥルフ』はこちら、『深淵之王ノーデンス』はこちらでどのような権能なのかを手前勝手に語っています。

無系統

 最後に元ネタ無しの無系統となります。日本語だったり英語だったり、はたまたキャラ名だったりという完全な例外枠ですね。

 半分以上が究極付与あるいは贈与なので、全究極のスキル中下位のスキルが多いでしょう。

所有者
1英雄之王シンナルエイユウマサユキ
2究明之王ファウストヴェルドラ
3心理之王ムードメーカーガビル
4不朽不滅エターナルウェンティ
5武創之王マルチブルウェポンオルリア
6地理之王ワールドマップマイ
7真贋作家アーティストヴェイロン
8刀身変化とうしんへんげアゲーラ
9暴風之王ヴェルドラリムル
10灼熱之王ヴェルグリンドリムル

 ちなみにですが、個人的に『心理之王ムードメーカー』の前身であるWeb版の『御調子者ピエロスター』が好きでした。語感が良いですよね。なんで変更したんだろうか。

集計

 まとめると以下になります。

出典
聖書3247.8%
日本34.5%
インド57.5%
アヴェスター23.0%
ギリシャ・ローマ57.5%
クトゥルフ1014.9%
無系統1014.9%
合計67

 やはり安定の大勢力聖書。聖書は宗教圏を順調に広げています。以外ですが、日本神話系はアヴェスターの次に少ない4.5%となっていました。日本のラノベなので日本由来の名前はもっと多い気がしていましたが、初期大鬼族オーガのみにしか与えられていませんし、彼らがたった6人の生き残りであることを考えれば少ないのも当然ですね。


 以上で今回の記事は終わりです。

 皆さんの好きなスキルはどの系統に分類しているのでしょうか。気になるところです。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 誤字脱字等の間違いがあれば、コメントで教えてください。。


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