FGO×転スラのクロスSS要望①

FGO(SS要望)

 FGO(Fate/Grand Order)はTYPE-MOONが描くFateシリーズの内1つであり、主人公「藤丸立香」が”終わった世界”を取り戻すために多数の英霊を使役して戦う聖杯探索Grand Orderです。この記事を作成している現在(2022年5月25日時点)では第2部6.5章の直前まで来ており、直近の物語に当たる6章では第2部に入ってから不安視されてきた「藤丸立香への負担」が無視できないものとして顕在化ました。

 そこに終章である7章で登場する敵の強大さも相まって、第2部が終わったときに藤丸立香が健全なままである保証は無くなっています。そのため、バッドエンドも視野に入れるべきでしょう。

 そこで思い付いてしまったのが、転スラとのクロスオーバー二次小説です。今回はそれについて、思い付いた展開を解説していきます。解説に付随してFGOの内容に触れる可能性があるので、ネタバレにご注意ください。


定番

 まずは定番についての解説です。おそらくは大雑把に2パターンあります。

リムルin型月世界

 まずはリムル・テンペストが型月世界に転移してくるパターンです。

 リムルはWeb版終了時点で”世界間の転移”が行える魔法「異世界への門ディファレントゲート」を使えます。これは、古城舞依の保有するスキルである「旅行者トラベラー」をリムルが複製し、転用することで完成させています。

 旅行者トラベラーは、「一度行ったことがある場所ならば無制限に転移可能」という権能です。そこにリムルの感知・演算能力を組み合わせることで、独力による世界間渡航を可能としているようです。文庫版でも古城舞依は登場しており、18巻では旅行者トラベラーを究極付与「地理之王ワールドマップ」に進化させています。

 そのことから、リムルはWeb版の通りに「異世界への門ディファレントゲート」を完成させるでしょう。

 異世界への転移なのでクロスオーバーが行いやすく、【呪術廻戦/ありふれ/ヒロアカ/鬼滅】など様々な作品とクロスしているところを見かけます。FGOとのクロスもその内の一つで、カルデアのがばがば英霊召喚式に介入して召喚されたり、獣よろしく単独顕現したりと、FGO自体の召喚/顕現自体がゆるい影響で各々好きにクロスさせています。

 FGOは「世界を取り戻す物語」というキャッチフレーズの通り、障害が壮大なのでリムルの能力に多少の制限を加える等、独自に調整するだけでパワーバランスを保てます。原作のリムルは万能とも言える能力を持ちながら、管理を智慧之王ラファエルあるいはシエルに任せてるために自身の権能を把握しきれていません。また自身の能力を隠すことを第一としているため、未知の状態に陥らせればリムルのキャラブレを抑えながら能力を抑えさせることが可能です。

 人理焼却後の地球に単独転移して未知の状態に陥れるか、英霊として召喚させてクラスの枠に収めるために能力制限を掛けるか、筆者の好み次第でしょう。

藤丸立夏in基軸世界

 もう一つが、藤丸立香ことマスターが基軸世界に転移するパターンです。

 FGOでは、マスターがレイシフトを利用して異常化し特異点となった地点へ転移し、異常を解消していく物語です。レイシフトは詳しく分かっていませんが、「隔絶された地点を観測し霊子化、観測された地点へ転移する」というものです(おそらく)。そのため、基軸世界の観測さえ出来れば転移が可能になります。

 とはいえ、世界さえ違えば観測など出来ません。それこそ、冠位魔術師グランドキャスターの資格である千里眼持ちでもない限り不可能でしょう。ですが、転スラの基軸世界には「他世界からの漂流転生者が集まる」という性質があります。そのため、基軸世界への転生にフラグは必要ありません。

 私が欲しているパターンはこの「藤丸立夏in基軸世界」です。

展開

 先述したように、藤丸立香マスターへの負担が無視できないものとなっています。これはマスターが一般人であるからでしょう。私は、この「藤丸立香への精神的負担」をきっかけに基軸世界への転生を思いつきました。

藤丸立香への負担

 一般人であるマスターが立ち向かうには強大過ぎる敵が待ち構えており、逃げれば自分以外に戦える者がいない為に世界が詰みます。そのため、カルデアは技術の限りを尽くして一般人でも戦えるような礼装を与え、サポートを尽くします。その結果、マスターの運命力や紡いできた縁もあり、第2部では世界すら敵に回しながら勝ち抜きます。

 ですが、一般人でありながら強敵に立ち向かうには多大な犠牲を払います。

身体的負担

 直接戦闘自体は、サーヴァントであるマシュ・キリエライトや現地で土地に召喚された英霊が行いますが、彼らに魔力を供給するのはマスターの役割です。英霊を維持できるほどの魔力を持たないマスターは、カルデアから供給される魔力で契約した英霊を維持しているので一見すれば負担は薄いように感じますが、膨大な魔力の経路となるため疑似神経は摩耗していきます。

 また、自身が纏う礼装には英霊相手にも効果を及ぼす魔術が設定されていますが、マスター自身に割ける魔力が無い為に生体エネルギーを魔力に変換しています。生体エネルギーが「生命エネルギー(寿命)」と同義なのかは分かりませんが、自身の健康を維持するために必要なエネルギーのはずです。それを代償にしている以上、身体に異常があってもおかしくはありません。

 そこに、第2部5章で登場した「ブラックバレル・レプリカ」があります。マシュのオルテナウスと連結稼働するブラックバレルは『天寿』の概念礼装と呼ばれているオリジナルではなくレプリカで、対象の寿命を転写した魔力弾をぶつけることで絶命させる人工宝具です。この弾を放つには対象の寿命を読み取るだけでなく、それを収容できるだけの魔力弾を用意しなければなりません。

 そのため、ブラックバレルにはマスターの令呪を装填しており、その令呪使用は”魔力”だけでなく”体力”、果ては”運命力”まで込められた”全身全霊”となっています。ここで消費している運命力が一体何を指すのかが分かりませんが、4周年記念における奈須きのこさんのインタビュー時に「運命力の問題でカドックは人理修復出来ない」という発言があったので、運命力はマスターがここまで生き残ってきた理由であると伺えます。それを消費して放っている以上、この先に生き残れるかが不安な状況です。

 また、マスターに掛かっている負担は身体的なものだけではありません。

精神的負担

 まず、マスターが第1部で行ったのは人理修復です。焼却された世界を取り戻す物語であり、絶対的正義な立場の戦いでした。それでもマスターが人理修復のモチベーションとしていたのは「生きたい」というシンプルな願望です。待ち受ける生命の危機に苛まれながらも、相手が”絶対的な悪”であり「ただそこに立っているだけで正義」言われる立場だったからこそ、迷いなく進み続けることが出来ました。

 ですが、一般人が幾度も生命の危機に陥っておきながら「異常無し」などということはありえません。第1部が終わった後で、第2部が始まる前の断章である第1.5部ではマスターの言動にずれが生じていたとされています。

 その負債が一気に無視できなくなったのが第2部です。ここでは”行き止まりとなり、廃棄されたIFの人類史”である剪定事象「異聞帯ロストベルト」が敵となっており、それぞれが生き残るために行き止まりで戦い続けています。それが本来の人類史である編纂事象「汎人類史」を上書きしている状態のため、生き残る芽が出た人類たちを滅ぼさなければ元在った人類は終了してしまいます。

 だからこそマスターは異聞帯を滅ぼしにいきますが、生存競争であるために正義は双方に存在します。それどころか、第2部では汎人類史が生存競争に敗れたところから始まるので、マスター達は敗北者の立場になります。さらにぶっちゃけると、マスターではなく藤丸立香個人は既に上書きを逃れており、異聞帯に住み着くことも出来るので「異聞帯を滅ぼさなければならない個人的な理由」はありません。

 そのため、「滅ぼす必要が無いのに滅ぼし続けている」という罪悪感が精神的負担となって圧し掛かります。

 5章でラスボス元凶大敵肯定者と対峙することで、少しは精神的負担が軽減したようですが、6章の”失意の庭ロストウィル“ではこの状態でも戦えている事実から「もう普通には戻れない」という目を逸らしていた現実を突き付けられ、精神崩壊一歩手前にまで追い込まれていました。なんとか持ち堪えたものの、異聞帯を滅ぼす旅が終わっていない以上精神的限界は無視できません。

 ここで私は「藤丸立香デッドエンドルート」を考えてしまいました。。

 これ自体は色んなところで囁かれていることなので、馴染みのあるものでしょう。実際に、デッドエンドルートを描いた二次創作もあったはずです。私は、この死亡目前のタイミングを基軸世界への漂流ポイントにすればどうかと考えました。

転生

 転スラにおいて呼び戻されたマサユキを除けば、生命の危機に生ずる衝動と類似する”強い意志”を抱いた瞬間に転生されます。それは「死んでから転生する」という特例であったリムルも(おそらく)同様で、未だ明確になっていない転生者の法則に則ったものでしょう。だからこそ、生命の消失目前の藤丸立香を転生させるというのは違和感がない展開だと考えました。

 では、藤丸立香が転生するフラグである”強い意志”はどんなものになるでしょうか。それが「ゲーム完了セット」です。

ゲーム完了

 先述した”失意の庭”にて藤丸立香が精神的に持ち直す決定打となった、”とある医者”に言われていた言葉が「ゲーム終了オーバーではなく、ゲーム完了セットを目指せばいい」でした。

 何者にも終わりは来る。だからこそ、それまでに何でもいいから多くの事を成せばいい。「やり残したことは無い」と言える人生にする。それが”人間個人にとっての善”。

 全体はだいたいこんな感じでしたが、つまりは「悔いの無い人生を遂げるために何かを成すことは正義である」ということです。若く、時間のある藤丸立香には、まだまだ「やるべきこと」も「やりたいこと」も多く、第2部でマスターとしての使命を果たしても藤丸立香としては消化不良になってしまいます。これでは「ゲーム完了セット」ではなく、「ゲーム終了オーバー」です。

 そんな状態ならば、死亡目前に「まだ生きたい」という願望が芽生えるはずです。それを転生のフラグとして使うとちょうどいいのではないでしょうか。というよりも、私は”失意の庭ロストウィル“を読んだ瞬間にこの流れまでを思い浮かびました。

 また、ただ意志に応じて転生という現象を呼ぶのは味がありません。藤丸立香の武器は「縁」ですから、転生するならば「転生を促すサーヴァントを呼ぶ」のが”藤丸立香らしい”運命のはずです。

転生

 では「転生を促すサーヴァント」とは誰になるでしょうが。私はすぐに1人を思い浮かべました。それが「ゲーティア」です。

 ゲーティアは、第1部のラスボス「魔神王ゲーティア」であり「人類史最大の召喚式」です。そのため、”召喚”に関連する術を自由自在に操れます。魔神王ゲーティアは藤丸立香に打倒され、新たに人として誕生した「人王ゲーティア」は藤丸立香のみに祝福され、同時に打倒されました。

 つまり、藤丸立香とゲーティアの間には強固な縁が存在するのです。ゲーティアが獣であり『単独権限』の権能を有している以上どこにでも出現出来るので、藤丸立香の呼び声にもすぐに応えられるはずです。

 また、ゲーティアは「全ての時間を視ることが出来る”千里眼”」を持っています。つまり、「千里眼・召喚術・縁」という「藤丸立香が転生するための手段」を全て揃えているのです。もうこの人以外いないじゃないですか。

 もちろん、打倒されることで力は削がれているはずで、どの程度の力が残っているのかは未知です。しかし、先述した”とある医者”とも関係があるので、二次創作において藤丸立香を転生させるならば彼以上の適任はいません。

 「並行世界異世界は視れない」とか、「力の規模が足りない」とかどうでもいいんです。「とある医者が生存を促し、その落とし子が手段を与える」。この展開は最高じゃありませんか。


 長々と綴りましたが、つまりは「デッドエンド直前の藤丸立香をゲーティアが転生させてほしい」ということです。

 それがが私が今現在望んでいる展開の二次小説です。「いやいやそれ以降転生後の展開は?」と思う方もいるでしょうが、重要なのは「藤丸立香がそれ以降を生きて何かをするIF」なので、何をしてても良いのです。使命も何もなくただグダグダしてるところでもいいです。とりあえず、藤丸立香がやりたいことを好きにやっている展開を読みたいんです。

 ここで「なぜ転スラとのクロスなのか」という点に疑問を持つ方も多いと思いますが、ぶっちゃけ受け皿が転スラである理由は「転生先としてちょうどいいから」に過ぎません。公式設定で転生者が珍しくない転スラを転生先にするのは相性が良いですし、なにより「転生者はそれぞれの願望に応じたユニークスキルを得られる」という設定がマスターとしての召喚能力を与えるのにちょうどよさそうだったからです。

 こんな感じの展開で二次小説を書いて頂ける方がいれば幸いです。ちなみに、以下のSSに影響されていることは否めません。

「Fate」/「独眼竜」のシリーズ [pixiv]

 誤字脱字などの間違い、他にも私が「何でもいい」とした転生後の展開で望むものがある方は、コメントで教えてください。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。


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