原作終了後の沢田綱吉

家庭教師ヒットマンREBORN!(能力)

 【家庭教師ヒットマンREBORN!】における主人公「沢田綱吉」は作中を通して

「勉強もダメ、運動もダメなダメダメの『ダメツナ』」

と蔑視されています。しかし、それ以上に身内からはダメな面も含めて慕われています(一部には哂われていますが…)。

 これはツナが小心者の癖に器が大きいためであると考えられます。”普通”から弾かれる”異常者/異端者”は、なんだかんだ言われながらありのままを受け入れてくれるツナに心を救われるのでしょう。

 まさしく「全てを抱擁し包み込む大空」ですね。

 今回はそんな「沢田綱吉の原作終了後」について考えてみました。

 最後まで読んでいただければ幸いです。


戦闘力

 作中においてツナさんはボンゴレ10世デーチモ候補という立場のため、あらゆる人間から標的ターゲットとされています。家庭教師のリボーン、忠犬の獄寺隼人、持ちつ持たれつの六道骸、狂犬のザンザス、大空組の白蘭、親友の古里炎真、恩讐のD・スペード。立場故に命を狙ってきたのは上記の人物ですね。

 ツナさんは彼らの襲撃による命の危機を乗り越えるために、毎度のごとく死ぬ気で戦ってきました。その結果、唯一自らの立場とは関係なく戦った復讐者ヴィンディチェ戦におけるラスボス戦で「死ぬ気の到達点」に至ります。

死ぬ気の到達点

 作中で死ぬ気の到達点に至ったのは当のツナさん以外では、ラスボスのバミューダのみです。

 死ぬ気の到達点へ至るには「一点の曇りなき死ぬ気」が必要とされ、バミューダは死への絶望を元凶への復讐心とし、ツナは未来への希望を戦いへの仲間を守る為の闘志にとすることで、細胞単位で死ぬ気の炎を捻出できる身体へと変質しました。

変質

 バミューダが死ぬ気の到達点に至ったことによる最大の変化が「夜の炎」でしょう。夜の炎は死ぬ気の炎における大空の7属性や大地の7属性から外れた属性で、バミューダの身体の変質と共に生まれた炎は「元凶に復讐の手を届かせる」という執念に影響を受けたのか、空間支配のような特性を持っています。

 また復讐者ヴィンディチェ達は一度死にかけて、生命力を自己補完するという生体機能が失われていますが、バミューダが生命力夜の炎を補充することにより生かされています。ですが、「状態を保存する」呪いを継続しているであろうバミューダはともかく、既に屍である復讐者ヴィンディチェたちは長い年月を経ることで肉体が腐食続けているようにも見受けられます。

 このように、その時の想いにより死ぬ気の炎は変質し当人のみの属性が発生するようです。しかし、ツナさんはそれが描かれておらず、炎の変質が明らかになっていません。もしかしたら肉体の変性に全ての祝福ギフトを使っていて、死ぬ気の炎の変質は起こらなかったのかもしれませんね。光速を捉えられるようになっており、単純な身体能力ではバミューダを圧倒していることからもそれは伺えます。

死ぬ気の炎の生成量

 バミューダは、アルコバレーノの代替わりが発生したその場で抜け殻となったアルコバレーノのおしゃぶりに炎を注入し復活しています。ここで、おしゃぶりの呪いは継続しているので、呪いはおしゃぶりの機能であることが伺えます。

 そのため、虹の呪いはバミューダの肉体を蝕み続けていることになるので、いままでずっとおしゃぶりに炎を搾取され続けている可能性があります。それが無くとも多数の復讐者ヴィンディチェの存在を担保し続けるほどの炎です。

 他のアルコバレーノが数十年間炎を注いでるだけでも限界であることを考えれば、数百年単位でアルコバレーノを続けているであろうバミューダは、【7トゥリニセッテの資格者をしても秤にならないほどの生命力=「死ぬ気の炎の生成量」であることが伺えます。

 ツナさんもまた、全身から死ぬ気の炎を垂れ流しながらバミューダと戦闘した後に、たった二人ツナとユニしか居ない中で大空のおしゃぶりへ火種を注ぎ、大空のおしゃぶりを成立させています。さらにその直後に何の後遺症も無い様子から、ツナさんは立派な「人外の生命力」となっていることでしょう。

 以上のようにツナさんは隔絶した身体機能と生命力を備えていると考えられます。さらに、大空の「調和」は異常と認識したものを正常と定義したものに変質させる特性なので、ケガや病気などをしても圧倒的な炎圧で速攻完治する不死身になっていることでしょう。

VG〈ボンゴレギア〉

 死ぬ気の到達点に至ることで武器が不要になったツナさんですが、それによる膨大な力を精密に制御するならば制御装置が必要でしょう。なぜなら、強すぎる力は容易に命を奪ってしまうからです。バミューダは同じく到達者でしたが、前述よりおしゃぶりに炎を搾取され続けていると考えられるので、手加減は容易だったでしょう。つまり、おしゃぶりを制御装置として扱えるのです。

 これはツナさんの場合でも同じことが適用可能で、制御装置に適用できるのが「VGボンゴレギア」です

 VGボンゴレギアは原点に回帰したボンゴレリングをボンゴレボックスの武装一体化させて、さらに装着者個人に合う形へと新生させた「10代目ファミリー専用武器Ver.X」です。形態変化カンピオ・フォルマによる武装もⅠ世プリーモファミリーの再現だけではなくなったことで負荷の軽減だけでなく操作性が向上しているので、膨大な力を制御する上でもちょうどいい物となっているでしょう。というか到達者の波動に耐えられるのは【7トゥリニセッテぐらいしかありません。

 あと個人的にナッツのVer到達点とか見てみたいです。

超直感

 「ボンゴレの血筋ブラッド・オブ・ボンゴレ」に備わっている特性こと超直感は「見透かす力」です。相手の考えや行動の先読みを、思考を介さずに反射で反応する力のため「具体的に何があるか」は本人も分かりません。

 そのため思慮深い者だと、唐突に来る嫌な予感に対して原因を考えてしまい歩みが停滞しそうですが、ツナはおバカなダメツナなので感じたことに対して体が素直に動きます。つまり、深く考えるのが苦手なツナにとても相性が良いのです。

 それにより黒曜編にて超直感の封印が解けてからは、格上に対しての危機回避が際立っていました。また、零地点突破・改/初代ファーストエディションXイクスバーナーなどの必殺技も編み出しているので、自身への気付きや故人の遺志への理解にも効果があるのでしょう。

 ツナさんが到達点に至ったことで身体に色々な変化が予想できることは上で話しましたが、超直感についてはどこまで凄くなっているのか予想出来ません。ですが、到達点に至ることで身体機能が桁外れに上昇しているので、超直感が血筋によって得られる先天的で身体的な異能である以上超直感もまた精度か範囲が上昇していると考えられます。

 もしかしたらユニの未来予知に迫っているかもしれません。

進退

 ツナさんが厄介ごとに巻き込まれる原因は、主に最後のボンゴレ10代目候補という立場にあります。そのため平穏を望むツナさんは、何度も「俺はボンゴレ10代目にはならない」と言っています。

 しかし、この立場を手放すことは出来ないし手放すことはできないでしょう。なぜならば、ツナさんは既に「ボンゴレボスの継承」を済ませており、「ボスとしての誓い」を立てているからです。

継承

 ボンゴレファミリーの継承は血を継いでいることが絶対条件です。これはボンゴレファミリーが【7トゥリニセッテの一角であるボンゴレリングを管理しており、ボンゴレリングを装着するには「ボンゴレの血筋ブラッド・オブ・ボンゴレ」が必要だからです。

 そして、唯一継承権が残っている「ボンゴレの血筋ブラッド・オブ・ボンゴレ」がツナさんだったため、白羽の矢が立ちました。

 優しいツナさんは、ボンゴレリングを自身が所持して世界の安定を図らなければならないことをわかっています。作中では明記されていませんが、マーレリングの封印直後にアルコバレーノの代替わりが起こったことから、【7トゥリニセッテのバランスが崩れていることが分かり、その辛うじて成立している【7トゥリニセッテのバランスを存続させるには自身がやらなければいけないことに気付くでしょう。

 そのことも含めれば色々と断りづらいでしょう。それに、友人たちにマフィア繋がりが多すぎることも後押しされています。

 また、以上のような事情からボンゴレリングの継承はボンゴレボスの継承とは別に行われるようです。それを行ったのが未来編の18巻、標的ターゲット158になります。

 ボンゴレリングの縦の時間軸の奇跡により、これまで行われてきた「ボンゴレの業」を見せつけられるわけですが、これを見てなおもボンゴレを継ぐ覚悟がなければ継承が成されません。ヘタレで臆病で小心者なツナさんも、過去にボンゴレが行ってきた「血を血で洗う所業」を見せつけられました。そのとき示した覚悟が以下です。

こんな力ならオレはいらない‼

こんな間違いを引き継がせるなら……オレがボンゴレをぶっ壊してやる!!!

家庭教師ヒットマンREBORN!,18巻,標的ターゲット158

 まあツナらしい誓いですね。こうして示した覚悟により継承が成されています。

 一見マフィアとは関わらない絶交宣言に聞こえますが、これは「自らの手でボンゴレを変える」という誓いなので、むしろ積極的にマフィアに関わっていくことになるでしょう。

 それを考えれば最終巻のリボーンが取ってきた「ネオ・ボンゴレⅠ世プリーモ」になる許可証は最適解ですね。Ⅸ世ノーノは元々ツナにボンゴレを継いでもらって、原点である自警団に回帰させてほしいと願っていました。そのため、ボンゴレを作り変える許可を与えたのでしょう。

 以上からツナさんは、ボンゴレを継いで組織を作り変える道に進むことでしょう。

 また、この選択はシモンファミリーの救済に繋がっていると思っています。

救済

 ツナさんはボンゴレの業を浄化する覚悟を決めているわけですが、それによって救済される一番身近な存在がシモンファミリーです。なぜならシモンファミリーはボンゴレのために裏の日陰へ身を引いた結果、秘密裏のボンゴレ側からの支援という盟約が履行されず地獄へ突き落されるからです。(もしかしたら一回目の「一騎打ち」により盟約の破棄が成されたのかも…。)

 この盟約は初代同士が掟として、復讐者ヴィンディチェの立ち合いの下に紡がれました。

  1. シモンファミリーは表舞台から手を引く
  2. ボンゴレファミリーは永劫影からシモンファミリーの支援を行う
  3. 両ファミリーは互いに永劫の友情を誓い、互いに争うことを禁ずる
  4. 3に違反した場合は復讐者ヴィンディチェの立ち合いの下、互いに守護者とボスの一騎打ちを行う
    1. 此れは互いの”誇り”を賭けた決闘である
    2. “誇り”を奪われた方の負けとなる
    3. 敗者は復讐者ヴィンディチェの牢獄に生涯投獄される
    4. 各対戦の後に「過去への鍵」とともにボンゴレとシモンの間で起こったの「真実の歴史」を関係者全員に開示する
  5. 4が履行された場合でも4.4により両ファミリーの友情が復活した場合、3が守られた証として決闘自体を無効とする。また7つ目の鍵にジョットおよびコザァート初代の炎を灯す。

  この掟の設立後ボンゴレ側が2を履行しなかったの為か、シモンは永劫の地獄を味わいます。それにより、シモンはボンゴレへの復讐と表舞台への再起を決意しました。ですがこの決断の行く先は破滅です。

 シモンは永く表舞台から手を引いていたため周りからは嘲笑の対象となり、表舞台での繋がりがありません。元々少数だったこともあり、話にならないほどに数が足りませんでした。しかし、発見されたシモンリングと憎しみや怒りなどの負の感情による強い覚悟が合わさり、高い兵の「質」を得ることが出来ました。

 ですが、それでも裏社会の半分を治めるボンゴレの「数」に拮抗するわけもなく、例えシモンリングの完全覚醒を成したとしてもボンゴレへの復讐を行えば向かう先は全滅です。それこそがボンゴレの業ですから。

 だからといって現状を維持したとしても地獄は変わらず、ボンゴレがある限りシモンの負の歴史は存在し続ける。つまり、シモンファミリー側からすれば「王手詰みチェックメイト」なわけです。

 そんなシモンファミリーを救えるのがツナさんです。

 上記にある通り、ツナさんはボンゴレリングの継承時にボンゴレの業を受け継がず「ボンゴレの破滅」を誓っています。これはシモンファミリーにとって救済の選択肢ですね。ツナさんならば自らボンゴレの解体をするだけでなく、初代シモンの望んだ自警団に回帰させることもできます。シモン10代目ファミリーにとってもボンゴレ10代目ファミリーは信頼できるはずなので、手を取り合うことが出来るでしょう。

 以上は作中で唯一表に出てきたボンゴレの負の側面でしたが、それ以外にもたくさんあるでしょう。それらを救えるのはツナさんしかおらず、ツナさんには彼らを無視するという選択は取れません。

 なのでツナさんは、ボンゴレを解体・回帰させながらボンゴレに弾圧させられてきた人々を救い上げる活動をしていくことでしょう。

人脈

 前述の通りツナさんは、自身の立場により厄介ごとに巻き込まれたり、リボーンにより厄介ごとに放り込まれたりしています。ですがリボーンの教育とツナさんの器により、色々な人を絆していきます。

 ボンゴレ内で協力的な方だと、ボンゴレならツナの望みを後押ししてくれるボンゴレⅨ世ノーノとその派閥。父親であり門外顧問(No.2)の沢田家光直属のCEDEFチェデフがいます。またⅨ世ノーノ直属暗殺部隊「VARIA」のXANXUSはツナさんたちと犬猿の仲ですが、道を定めたあとのツナさんならば「最強のボンゴレ」として在る為に妥協してくれるでしょう。

 次にボンゴレ内かは微妙な勢力ですが、黒曜組の六道骸は一応ボンゴレ霧の守護者であり「腐ったマフィアを潰す」という目的がツナさんと一致するので協力できるでしょう。同じく風紀財団を形成する雲雀恭弥もまたボンゴレ雲の守護者なので日本国内限定の協力は出来そうです。

 同盟ファミリーだと兄弟子のディーノが率いるキャバッローネ、親友である古里炎真が束ねるシモンファミリーが有力でしょうか。

 ジッリョネロは【7トゥリニセッテ繋がりがあるので交流はあるのでしょうが、同盟ファミリーではないようですね。ですが、大空組である白蘭とユニがそれぞれの形でツナさんと親しいので、いざというときは手を貸してくれそうです。ユニの場合は善意で、白蘭の場合はお遊びで。

 またユニにはアルコバレーノとしての絶対的な借りがツナさんにあります。それがアルコバレーノの呪いからの解放です。呪いの解除自体は全員で協力してますしツナさんの成長は彼らあってのものですから、ツナさん自身は貸しと思っていないでしょう。しかし、先陣を切りバミューダ妥当を成し遂げたのはツナさんの覚悟あってのものなので、アルコバレーノのみんなはツナさんに一生分の借りがあると考えていてもおかしくはありません。なのでアルコバレーノはツナさんの”お願い”を断らないでしょう。

 最後の人脈は復讐者ヴィンディチェです。復讐者ヴィンディチェは実質的なアルコバレーノのおしゃぶりの管理者となったのでツナさんとは関わらざる負えないですし、さらにいえばバミューダとツナさんは到達点コンビです。バミューダも人である以上、類似点に親近感を持つでしょう。また”マフィア界の掟の番人”ですから、端的に言えば粛清を行っていくツナさんとは協力かどうかはともかく、密に関わっていくことになります。復讐者ヴィンディチェが動く規模はよく分かりませんが…。

 ツナさんは復讐者ヴィンディチェ案件レベルばかりの活躍ばかりしており、周囲に活躍を周知されず舐められそうなので、以上の人脈はボンゴレの体制に真っ向から歯向かう事になるツナさんにはとても心強いでしょう。


 以上が原作終了後の沢田綱吉についての考察となります。

 真剣な話、SSとかでいいから天野明先生に原作終了後の話を書いてほしいです。10代目ツナについての妄想が止まらん。個人的な妄想ですが、ボンゴレの解体中だったから10年後のボンゴレはミルフィオーレに追い詰められていたと思うんですよね。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

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