ワールドトリガーにおいて作中特有の兵器である「トリガー」の発祥は、「亥界」と称される地球ではなく”並存する異世界”こと「近界」です。そのため、地球に存在する対近界民自衛組織〈BORDER〉は「トリガー技術で近界民に遅れている」とされています。
しかし、地球独自の文明と掛け合わせることでトリガー技術も独自の発展をさせ、近界最大にして”神の国”と称される国家「アフトクラトル」からは「亥界の進歩も目覚ましい」と評価されています。実際に、ボーダーのトリガーはネイバーには無い「汎用性」と「安全性」が存在します。
また近界はそれぞれの国が地続きではなく世界が隔たれているので、「国=星」となっています。なので、それぞれの国で技術の発展性が完結気味で、「トリガーの特徴で国が分かる」とされるほどです。
そこで今回は、トリガーの発祥地である近界ではどのようなトリガーがあるのかを解説、あるいは予想していきます。
最後まで読んでいただければ幸いです。
※注…3以降の国は、作中で全く登場していないので独自の簡単な予想になります。
アフトクラトル
まずは上に名前を出したアフトクラトルです。”神の国”と称されるほどですから「他の星を圧倒する軍事力」と「軍事力を裏付けするトリガー技術」を保有しており、二つの国を従属国にしています。そのため、「従属国から独自のトリガー技術を徴収して発展」という最強国ムーブをかますことができそうです。
標準装備
既出のアフトクラトル兵は遠征組の精鋭のみなので、一般兵装も同じだとは思いません。ですが、一般の兵装は分からないので遠征組を参考にして解説します。
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第34話「激闘決着!最強の戦い」より引用
まずは通信機です。通信はミラのワープトリガーを使っており、マーカーを起点に空間を繋げることで通信を行っていました。なので通信機というよりも通信用マーカーといったところですね。
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第29話「運命の分岐点」より引用
次にマントです。これは盾のような物であり、弾丸を防ぐ事に使われています。また、鉛弾のような状態異常系の攻撃をマントで受けることで、マントを身代わりに凌ぐことができます。
最後にアフトクラトルの装備の特徴は「ブラックトリガーと重ねて展開可能」なことです。ボーダーもそうですが、ブラックトリガーは「軍によって開発された物」ではなく「個人によって生成された物」です。なので、ブラックトリガーに軍開発の標準兵装などを搭載できるわけがないのですが、アフトクラトルのブラックトリガー使いは標準装備であろうマントを装備しています。ウィザはマントを切り離しても再生成出来ていたので、マントのトリガーを使っているはずです。
ボーダーでも、通信機はトリガー以外で代替できるにしても、シールドや緊急脱出は搭載出来ていません。これはおそらく、「トリガーを複数展開している」からでしょう。
ボーダーでは、トリガーを「チップ状にした武器」と「チップの空き容量と標準装備、トリオン体変換機能を搭載したグリップ」に分けています。しかしアフトクラトルは、トリガーを「武装」と「標準装備」という形に分けているのでしょう。
そして、トリオン体変換機能を搭載したメインウェポンに、メインに搭載されていない規格化された装備を標準装備として使用していると考えます。だからこそ、完全独自の機能を搭載したブラックトリガーに、軍仕様のトリガーを組み込めるのだと考えられます。
また、アフトクラトルには”強化トリガー”という通常のトリガーを改造したと思われるトリガーがあります。
例えば、ランバネインの「雷の羽」は「空中での高速軌道」&「連射性が高く、発射角自在の大砲」といった、ボーダーのノーマルトリガーでは考えられないような反則級の性能を組み合わせています(それぞれに微小なクールタイムあり)。これは、燃費を犠牲に性能を確保していると考えれば納得ができるので、強化トリガー使用者はトリガー角持ちのみでしょう。
トリガー角
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第25話「ボーダー最強の部隊」より引用
まず最初の特徴として、アフトクラトルの精鋭軍人には「角」が生えています。これは”トリガー角“というトリガーを加工した「トリオン受容体」で、「後天的に高いトリオン能力を与える」という効果があります。
以下の記事で説明したようにトリオン能力は才能なので、後天的に向上させることはできません。
しかしトリガー角は、トリオン能力が成長期に入る幼少期に脳へ移植することで、施術者のトリオン能力を調整します。この調整はトリオン量だけでなく、トリオン能力の性質をも変化させるようです(トリオンの回復力とかかも?)。
例として、ボーダーが参考として定義したであろう最高トリオン値が10であるのに対し、アフトクラトル精鋭の少年であるヒュースは「トリオン値:18」を記録しています。ボーダーにおいて、雨取千佳が入隊するまでは二宮匡貴の「トリオン値:14」が最高であったことを考えれば破格のトリオン能力であることが分かります。
トリオン能力の性質というのはよく分かりませんが、トリガー角はトリガーの情報を全て記録するようで、ブラックトリガーの適合者に移植することで適合情報を洗い出すことができるようです。それにより、次のブラックトリガーのオペレーターを人工的に生み出すことが出来るようになるとのこと。
こうして調整された最高級のトリオン能力により、名高い強化トリガーを難なく扱うことが可能になるのでしょう。
先述したような「雷の羽」はもちろん、ヒュースの「蝶の楯」も「結晶を操るトリガー」ですが、結晶に「磁力」と「トリオン弾を反射する機能」を組み合わせています。どちらもトリガー角により反則級の結晶操作数と効果範囲の性能を両立させています。
さらに、トリガー角による副産物だと考えられますが、トリオン兵に強化トリガーやブラックトリガーの武装を組み込むことに成功しています。その武装を組み込まれているトリオン兵が「ラービット」です。
ラービット
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これはトリオン兵の中で最もコストが高いトリオン兵で、そのコストは1体でイルガー4体相当、モールモッド数十体相当にあたるようです。そのコストに見合う性能は備わっており、”トリガー使い”捕獲用トリオン兵として、同じく捕獲用のバムスターやバンダー、戦闘用のモールモッドとは隔絶した戦闘性能を持ちます。
普通のトリオン兵は、ボーダーの正隊員ならば1人で倒る者は多くいます。しかしラービットは、精鋭であるA級であっても「単騎で挑めば負けかねない」とされています。
装甲が硬いところならばボーダーの”大型トリオン兵破壊用狙撃銃”「アイビス」の一撃を弾くほどで、安定した攻撃力を持つ攻撃手トリガーでも「切り込みが入る」程度のダメージでした。
そして最大の特徴は、先述のように「トリガー使いの武装を組み込んでいる」ことです。強化トリガーとは言え1から作られたノーマルトリガーだけでなく、理論化された技術によるものではない造られ方をしているブラックトリガーの武装をも組み込んでいます。
プレーン体である「卵の冠」ハイレイン型(黒鳥)、モッド体である「雷の羽」ランバネイン型、「蝶の楯」ヒュース型および「泥の王」エネドラ型(黒鳥)がありました。ワープトリガーである「影の窓」は無人兵器に組み込むには扱いが難しそうなことから除外すれば、あとは角無しであるウィザ翁の「星の杖」のみなので、これは角から採集した情報を用いた技術だと考えられます。
ガロプラ
ガロプラは15巻で襲撃してきた国で、アフトクラトルの従属国です。ヒュースによると「小国だが精鋭が揃い、多数を相手取るのが上手い」とのことです。実際に、(トリオン兵は借り物ですが)トリオン兵を上手く利用して少数精鋭・孤軍奮闘という感じで、単騎で部隊を相手にしていました。
トリガーの特徴として、「小型武装を格納するホルダー」と「直接展開式の大型武装」に分かれています。また、武装はなるべく多数を相手にでき、ダメージを負っても戦闘に支障が出にくいトリガーとなっています。
- 「踊り手」
- 空中で自在に操れる多数展開型のビット型斬撃円盤
- 「藁の兵」
- 的を絞らせない浮遊型のダミー投影機
- 「黒壁」
- 固体化したトリオンに対して付着し、付着した物の摩擦係数をゼロにする中空展開型ゲル
- 「処刑者」
- 4本の触腕の鎌
- 「剣竜」
- 多数の刃が付いた尾
- 「仮称:大砲」
- 装甲版を溶かすことが可能な、欠損した腕の代替にもなる大砲
それぞれが両手を自由に出来たり、四肢の欠損を補えたりするので手数を保てるようになっています。なので、そのあたりをコンセプトとしたトリガーを開発していそうです。
ロドクルーン
こちらもガロプラと同じくアフトクラトルの従属国です。ヒュースによると、豊富なトリオン兵団を持っている国で、まだトリガーは出てきていません。
しかしトリオン兵団は、ガロプラの援軍として送られることで登場済みです。
ドグ
複数のタイプがあり、多様性のある中型犬のような外見の小型トリオン兵です。どれもサポート用となります。
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第2話「激突」より引用
偵察・集団戦闘用ドグ・タキアは「偵察モード」でトリオンレーダーを搔い潜ることが出来ます。
ですが戦闘性能はめちゃくちゃ低く、本当の意味で雑魚とされるので数が居ても面倒くさい程度の戦闘力なようです。
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第2話「激突」より引用
支援戦闘用ドグ・マンヴェールドはシールド発生装置を備えているので、付近に侍らせておくのが有用な使い方となるでしょう。
また、ビームによる細かい支援射撃が出来るので、近接戦では数を用意することで敵の足を遅らせることが出来るでしょう。
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第2話「激突」より引用
突撃用ドグ・バトリーレは頭部にブレードを装備した、まともな攻撃力を持つドグです。
結構すばしっこいようなので、他のドグとは違い戦闘では厄介な存在でしょう(それ単体では厄介止まり)。近接戦闘での優秀なサポーターです。
アイドラ
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第2話「激突」より引用
集団戦闘用トリオン兵で、自動兵器では珍しくの同型機同士の連携が得意という特徴があります。作戦行動を細かくプログラムできるため、アイドラ同士の連携が出来るようです。
作者曰く、「コスパが良くてそこそこ強いので数を揃えれば全然あり」とのことです。
とは言ったものの作中では囮の役割だったので、集まってシールドを重ねるくらいしか見せていません。密集戦闘か散開戦闘か、密着戦闘か一撃離脱か、などなど取れる行動パターンは色々とありそうです。
また、遠隔操作が出来る操縦マニュアルモードもあるのでオペレーターを含む後方支援組が前線に参加できるので、さらに細かい戦術行動を取ることが出来ます。コントローラーで操作するようなので、1人1機という制約は無いようです。まあ1人で2機はきついでしょうが。
ロドクルーンは今のところトリオン兵は前述の2機しか出ていませんが、他にも支援砲撃用や遠距離狙撃用のトリオン兵など細かい分類があるでしょう。それを考えれば、この国のトリガーは”指揮機能”に特徴がありそうです。例えば、ドグやアイドラを含む大量のトリオン兵を複数のオペレーターが制御するトリガーなど。
また、トリオン兵を主戦力としているということなので、指揮トリガー以外にも隠蔽・工作トリガーも豊富にありそうです。
リーベリー
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第21話「近界民の世界」より引用
ここは海洋国家とされる国で、大規模侵攻時に惑星軌道が地球へ近づいていたアフトクラトルを含む四つの国の内1つです。
海が武器となるので、船や戦闘機、潜水艦など様々な機体のトリガーがありそうです。また、トリガーには液体を操ったり、三態を操作したりするものもあるので、「海流を操作するトリガー」や「液体を気化させるトリガー」などもありそうです。
レオフォリオ
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第21話「近界民の世界」より引用
ここは騎兵国家とされる国で、リーベリーと同じく大規模侵攻時に惑星軌道が地球へ近づいていたアフトクラトルを含む四つの国の内1つです。
「特殊なトリオン兵に騎乗して戦う」とのことなので、人型や怪獣型ではなく馬のような大型の四足歩行のトリオン兵が普及しているのでしょう。また、騎乗兵となると少なくとも片手は塞がるでしょうから、近接武器ならモージョンが少ない槍、中距離武器ならクロスボウや小銃になりそうです。
キオン
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第21話「近界民の世界」より引用
ここは雪原の大国と呼ばれる国で、同じく大規模侵攻時に惑星軌道が地球へ近づいていたアフトクラトルを含む四つの国の内1つです。
大国と呼ばれるだけあって、アフトクラトルと同じく「イルガー」という高コストなトリオン兵を保有しており、十三年前の時点でアフトクラトルの半分となる6本のブラックトリガーを保有していました。
豪雪という環境負荷が敵を阻むようなので、ガロプラやアフトクラトルのような精鋭による一騎当千タイプではなく、洗練された連携を重視するタイプと考えられます。というのも、環境負荷は対策をしていても自軍に影響を与えかねないでしょうから、不安定な単騎を用意するより安定した軍を配置する方が良くなります。防衛は数がものを言いますし。
また、降雪や積雪は視界を妨げるので罠等の工作と相性が良いです。なので、地雷のような雪に埋もれる系のトリガーが良く使われそうです。
今回はこれで終わりです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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