【ONE PIECE】政府と海軍の対立?

ONE PIECE(ストーリー)

 【ONE PIECE】における”正義の軍隊”こと「海軍本部」は、大海賊時代で星の数ほど存在する海賊たちに対抗し、海の平和を守る為に死力を尽くしています。また、海軍本部が帰属している「世界政府」は170以上の加盟国からなる国際連盟組織で、世界の秩序を守る為に海軍本部を含む兵力を駆使しています。
 共に海の平定に貢献している両組織ですが、二つには見過ごすことが出来ないギャップが存在します。それが、海軍本部が目指すのは”平和”であることに対して、世界政府が目指すのは”秩序”であることです。

 一見同じように感じる両組織は、その行動に対して大きな違いを生み出しています。それにより海軍本部は、政府直轄の軍事組織でありながら世界政府と敵対する可能性を孕んでいると考えられています。

 とはいえ、どんな組織でも内部党争は付き物であり、世界政府ほど大きな組織ならば当然の話でした。私自身、敵対の可能性自体は前々から聞いたことはあっても、海軍の現状を考えれば「現実的に無い」と思っていました。しかし本誌を読んでいたところ、個人的な見解であるものの「海軍が政府から離反する」という可能性を無視できなくなりました。

 そこで今回は、個人的に考える「海軍と政府の本格的な対立が無視できなくなった理由」について語っていきます。ちなみに、本誌掲載第1070話までの情報を用いているので、展開のネタバレになります。ご注意ください。

(追記…対立は無いことが判明したので、展開の妄想とでも思いながら読んでください)

 最後までお付き合いいただけると幸いです。

解説:組織概要

 まず、本題に入る前に両組織の軽い振り返りを行い、現状やスタンスの違いを見ていきます。

海軍本部

アニメ ONEPIECE第45話
「賞金首!麦わらのルフィ世に知れ渡る」より引用

 海軍本部は、世界政府直轄の治安維持組織です。海の軍なので主な摘発対象は海賊ですが、大海賊時代において海賊は星の数ほど存在するので、付随して海軍本部も巨大な組織となっています。
 世界中に支部が存在し、凶悪な海賊が蔓延る偉大なる航路グランドラインに精鋭である本部の海兵が、各四方の海に支部の海兵が詰めています。その組織の巨大さに比例して世界政府より大きな権限も委譲されていて、(実際に行使されるかは別として)代表的な例で言えば「バスターコール」のような島1つ消す権限さえ与えられています。(バスターコールは海軍大将のみに許可されていて、大将は天竜人の直属となるので特例ではある)

 上記の組織力や武力の全ては「海の平和のため」に費やされていて、”政府の表の顔”として市民の安寧を第一に死力を尽くしています。しかし、膨れ上がる海賊の数に対して戦力は圧倒的に足りていません。それこそ、四皇同士の睨み合いへの静観や七武海制度の導入などの苦肉の策で辛うじて均衡を保っているにすぎませんでした。

 とはいえ、最新章直前ではSSG海軍特殊科学班の功績により七武海制度撤廃の動きを静観するほどの余裕が出来たのも事実です。今後もSSGの貢献とともに海軍本部は軍拡を進め、サカズキ政権の強硬姿勢徹底的な正義はより勢いを増していき、海賊を駆逐していくことでしょう。

世界政府

アニメ ONEPIECE
第889話「遂に開幕 陰謀渦巻く世界会議!」

 世界政府は、天竜人である”五老星”を頂点とした秩序維持機構です。170以上の国が加盟しているとされ、「天上金」という税を取り立てる代わりに世界政府の後ろ盾を与えます。この後ろ盾は全てが明かされているわけではないですが、基本的に国家権力や人権の保証などでしょう。
 大海賊時代において非加盟国は国家を維持できないほどに荒廃するので、世界最大の軍事組織である海軍を擁する世界政府の権威は絶大な効果を発揮します。それこそ、非加盟国の人間には「人権が無い」とされるほどです。そんな過激さを孕んでいる権威であるため、絶対的である事実と比例するように周囲の反意を集めています。

 政府への反意の代表的な例が「革命軍」でしょう。海賊は海軍を滅ぼすべき敵と認定しているわけではなく結果的に敵対しているだけですが、革命軍は明確に「世界政府天竜人の打倒」を掲げています。これは、世界政府の権威が強すぎるためであり、周囲の権利を簡単に剥奪出来てしまうためです。
 実際に、世界政府の頂点である天竜人は加盟国の人間だろうと好き勝手に他者の権利を踏み倒し、奴隷とします。人が利益の奪い合いで他者を食いつぶすのは自然の理ですが、さすがに強すぎるのでしょう。天上金が高すぎて加盟出来ない国も多くあることから、作中で描写されている以上に反発は大きそうです。

 以上が世界政府と海軍本部のスタンスの違いになります。世界政府はあくまで「天竜人が君臨するための土台を維持するための秩序維持」であり、海軍本部の「一般市民の安寧を勝ち取るための武力闘争」とは根本的に違っています。
 だからこそ、最初に言及した「世界政府(天竜人)と海軍本部の敵対」という可能性が存在しています。もちろん、ここまではあくまで低い可能性の話です。

政府と海軍の対立について

 そして、ここからが世界政府と海軍本部の対立についてとなります。

問題発生

 先述したように、スタンスの違いから内紛の可能性自体はありましたが、最近の本誌1060話以降を読んでいてそれを無視出来なくなるほどの決定打が発生しました。
 それが、世界政府の決行した「”Dr.ベガパンク”暗殺計画」です。

 好奇心や探求心の赴くままに研究を続けていたDr.ベガパンクは、世界政府がひた隠しにする”歴史の闇”に触れてしまいました。そこに+α、画期的で強力な発明品の数々を危険視された結果、政府側から危険認定を受けます。
 そのため、政府はセラフィム開発直後に「用済み」として暗殺を実行しました。

 しかし、海軍からすればそれは「ちょっと待った」と言いたい話です。

海軍視点の思惑

アニメ ONEPIECE第377話
「仲間の痛みは我が痛み ゾロ決死の戦い」より引用

 Dr.ベガパンクは”世界最高の頭脳”を持つとされ、先述した海軍科学班SSGの班長でした。パシフィスタを代表とする作中での特殊な科学技術の多くはベガパンクが生み出しており、もしも直接開発に携わっていない技術だとしてもベガパンクの技術が関係していることがほとんどです。
 そんなベガパンクの脳力によって、ついに新型パシフィスタ「セラフィム」の開発・運用に成功しました。セラフィムの登場により、海軍は王下七武海という毒を飲む必要性が薄れ、七武海の撤廃に繋がりました。つまり、ベガパンクは「王下七武海の代替品」を創ったのです。

 もちろん、セラフィムの開発機体は少数で軍事行動を行うには少なすぎるますし、まだまだ導入開始直後なので実践試験が足りていないようです。実際に、制度撤廃直後行った七武海殲滅作戦では戦果を挙げることは出来なかったようですし、七武海よりも格上である”四皇”にも通用するよう開発を続ける必要があります。
 そのため、海軍本部にとってベガパンクの存在は「まだ欠くことの出来ない重要戦力キーマン」に当ると考えられます。

 しかしそんな中、世界政府の上層部五老星は「ベガパンクキーマンの暗殺計画」を実行に移しました。海軍側からすれば「早すぎる」といった話でしょう。
 たしかに思想的に毒にも成り得るものの、七武海という猛毒を飲むよりはるかにましな選択肢です。そして、まだまだ貢献してもらうべきところは多くある現状で、海軍はその話を飲めるわけがありません。それに、海軍からすれば歴史の禁忌は政府の上層部が決めたことで、「歴史の闇に触れた」という事実はどうでもいいでしょうし。

 そのため、海軍本部はこれからの海賊との戦いのためにも「ベガパンクの暗殺計画」を阻止しようと動くと考えられます。

海軍の動き

 とはいえ、”歴史の闇”に触れた人間はバスターコールで根絶させる程の禁忌なので、ベガパンクを生かそうとすれば海軍といえどただでは済みません。動員された兵士が消されるだけなく、海軍上層部も危険なのではないでしょうか。
 そのため、海軍はベガパンク1人のために明確な敵対行動へ移ることは出来ません。つまりは、まだ権力闘争のような外部からは見えない形での一部の対立となると考えられます。

 具体的な海軍側の動きで言えば「ベガパンクの暗殺偽装・保護」です。

 政府側は暗殺要員にCP-0を動員していましたが、本誌掲載第1069話ではそれとは別で海軍も大将黄猿を動員しています。結果的にベガパンクが麦わらの一味を味方に付けたため支援のような構図に見えますが、麦わらの一味の登場は政府にとっても海軍にとっても想定外のようなので、本来ベガパンクのみならば黄猿を動員する必要はないはずです。援護に送るにしても既に暗殺が本業のCP-0がいるので、中将もしくは少将クラスで十分でしょう。
 ですが、現実には黄猿が動員されているので、「黄猿でなければ出来ないこと」があるはずです。そこでまずは、黄猿の力を軽くさらって行きます。

黄猿(ボルサリーノ)の能力(解説)

 海軍大将黄猿ことボルサリーノの能力は「ピカピカの実」で、自然系ロギアの「光人間」です。特徴を挙げると、「速さ」と「ビーム」あります。

 ピカピカの実の能力で身体が光子に変化するため「光の速度」で動くことが可能です。光速度は人間の認識内ではないためか常時光速で動くことは出来ないようなので、動き自体は単調になりやすいですが、事前に光を投影・屈折させて”道”を作ることで長距離瞬間移動ワープの真似事も可能です。

 また、主な攻撃手段は光速を利用した肉弾戦ですが、中距離攻撃手段として光を束ねた熱線ビームを放出することもできます。これは、ベガパンクの研究によって人間兵器パシフィスタの武装にもなっています。

 以上が作中で描写されている大雑把な黄猿の能力になります。常に余裕を持った人物で、未だ全力が描写されたことはないので、”悪魔の実の覚醒”なども備えているでしょう。

 能力の覚醒は系統によって形態がことなり、自然系ロギアは唯一明確な説明が為されていません。しかし、作中での描写から自然系ロギアの覚醒は「環境の”改変”と”定着”」だと考えられていて、パンクハザードで赤犬と青キジが島の環境を変えたのは覚醒によるものとされています。
 これによって作中に登場する島に特徴的な環境がある理由が付けられました。例えば、エニエス・ロビーの不夜環境はピカピカの実の覚醒によるものではないかと考えられています。

手段

 私はピカピカの実の覚醒を用いることで、「ベガパンクの暗殺偽装および保護」を可能にすると考えています。具体的に言うと「立体映像ホログラムの投影と定着」です。

 立体映像ホログラムとは「現実に投影された三次元映像」で、映像とは光信号です。色は光の波長で変化し、人は認識の大半を視覚に依存しています。つまり、自在に光を発するピカピカの実ならば、熟練度によっては映像を投影することも可能なのです。(透明になることも可能なのでは?)
 ならば、ベガパンクの暗殺を偽造することも可能でしょう。さらに、覚醒による現象の定着を行なえば投影した映像は残り続けます。

 そのため、私は黄猿ならばベガパンクの暗殺偽造も可能だと考えます。また、黄猿の速さならば秘密裡にベガパンクの本体ステラ確保拉致することも容易ですから、その点でも黄猿は適任です。

 もちろん、これだけでは如何に黄猿といえど暗殺のエキスパートであるCP-0を欺くことは出来ないで可能性があります。ベガパンクの保護がCP-0にバレたら政府と決定的な敵対に至ってしまう可能性がある以上、慎重を期する必要があります。そのため、CP-0を出し抜くための目くらましが必要です。
 そして、それが「バスターコール」です。

目くらまし

 バスターコールは先述で触れた「海軍の持つ特権の1つ」で、多数の軍艦と人員で1つ滅ぼす軍事行動です。そして、バスターコールの発動権限は海軍大将のみに委譲されていて、黄猿は1070話にて「可能な限りの軍艦」を集めています。
 先述したように、本来なら黄猿を動員することさえ過剰なはずが、さらに近隣の海軍基地からも人員を集めています。これは、バスターコールの準備をしていると考えてもいいでしょう。建前上でも、ベガパンクの暗殺は「”歴史の闇”を知った」ためなので、バスターコールの発動条件を満たしているはずです。

 バスターコールは、島1つを焦土とする破壊を行うので、目くらましにはちょうどいいでしょう。

 バスターコールという派手な目くらましでCP-0の注意を引き付けて、裏で黄猿がベガパンクを保護・移送する。

 以上が個人的に想定している「ベガパンク暗殺計画に対する海軍の動き」になります。
 もしも首尾よくいけば世界政府との決定的な決別も防げますし、なにより政府の管理下にはない海軍独自の戦力が手に入ります。ベガパンク死亡(仮)後も画期的な発明品が生まれれば政府に怪しまれるでしょうが、なんだかんだシーザーのようにベガパンクの技術を利用して画期的な発明を行える者もいるので、なんとかなるでしょう。

 そしてここから、海軍はベガパンクの隠匿を皮切りに世界政府からの独立路線を推し進めていくと考えます。なぜなら、海軍は既に「世界政府に対抗するため」と考えられる機密部隊”SWORD”があるからです。 SWORDは”天竜人の狗”であるCPサイファーポールに対抗するための部隊と考えられ、ワノ国編でもSWORDとCP-0サイファーポール”イージス”ゼロは対立して描かれていました。そもそも名称からして「ソード」と「イージス」なので、対立の関係なのは間違いないでしょう。

 ベガパンクの科学力により海軍が世界政府の後ろ盾を必要としないほどに盤石な戦力を揃えた時、海軍は世界政府と決別して独自の治安維持組織へと移行する。これが私の考える海軍の世界政府との敵対√への道です。


 以上で今回の記事は終わりです。
 気軽に離反すると予想していますが、さすがに四皇の一角でも墜としてからでなければ難しいでしょう。なので、海軍はまず黒ひげ海賊団を墜としに行くと考えていたのですが、おそらく外れています。しかし、まさかの展開も発生し結果的に正しい予想になるやも!とテンションが上がっています。今後も楽しみですね。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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