今回は前回に引き続き、【魔法科高校の劣等生】における主人公「司波達也」が、「どの時期までにどう成長し、手札を増やしたのか」に観点を置いて時系列順に振り返っていきます。
今回は、二年生の部となります。
※…取得時期が割り出せない手札は開示時期に掲示します。
※…アニメ以降の情報が主となります。ネタバレが嫌な方はブラウザバックをお願いします。
最後まで読んでいただければ幸いです。
~ダブルセブン編(二年生春)
ダブルセブン編は一年生の時とは違い、平和的な争いが主でした。そのため、作中ではあまり重要ではない話がメインとなっています。
しかし、さらっとですが重要なものが紛れていました。
設置領域型分解魔法
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一体いつ出来るようになったのか分からない(おそらくは高校入学前)この技術は、文字通り分解魔法を個体ではなく領域を標準し、設置して発動する技術です。
この技術は能動空中機雷のように、一点を起点にした絶対相対座標の任意の範囲に分解魔法を設置します。そのため領域に入った物体は半自動で分解されます。
これにより、標準の余裕がない場合でも迎撃を行うことができます。
恒星炉の基本システム
恒星炉は達也さんが目指している常駐型重力制御魔法継続熱核融合炉の通称です。融合炉自体を開発したわけではなく、核融合炉実現のために必要と想定している魔法的機構を考案しただけです。
しかしこの魔法機構プランは、それまでにあった重力制御魔法式熱核融合炉のどれよりも実現性と生産できるエネルギーが高いと社会的に評価されているようです。
まだまだ要求される魔法スキルが高く実現には程遠くとも、恒星炉の基幹設計が出来たといってもいいでしょう。
因みに、考案されているプランは以下になります。
触媒は重水・軽水の混合液となっています。
- 重力制御
- 球体水槽の中央から壁面への反重力を発生させ「混合液が表面に張り付く」ように制御
- 第四態転移
- 混合液をプラズマへ転移させ、水槽内部に重水素・水素・酸素のプラズマを生成
- 中性子バリア
- 1と2の魔法領域間での中性子の移動を阻害(反射)
- ガンマ線フィルター
- 2と3の魔法領域間でガンマ線を散乱させ熱エネルギーを回収。さらに熱エネルギーを可視光線へ変換。
- 重力制御(60機の標準補助を利用)
- 水槽中央の直径10cm以内に高重力領域を追加し1の重力ベクトルを反転させ。物質相互間の重力を増幅。
- クーロン力制御
- 高重力領域の電磁的斥力を1/10000へ低下(反応条件をクリア)
→核融合反応の発生
![](http://ykkapjett.conohawing.com/wp-content/uploads/2022/04/image-8-300x273.png)
![](http://ykkapjett.conohawing.com/wp-content/uploads/2022/04/image-9-285x300.png)
正直言って、よく分かっていません。
魔法式の書き換え
これは前に出した魔法式のアレンジとは別で、「他人が発動した魔法式を書き換える」という技術です。魔法式が発動し事象改変が行われる前に、魔法式の記述を一部破棄し、新たに書き加えることで、事象干渉力も演算規模も後乗りする形で魔法を発動できます。
常駐型以外の魔法式を情報体に投射した後、すぐに魔法師は魔法式との接続を切ります。そのため投射された魔法式は誰の制御化にもありません。そのため、魔法式を書き換えることが可能になるのですが、もちろん不可能ではないというだけです。普通は魔法式を直接視ることも、直接干渉することも、霧散する一瞬に魔法を書き換えることも出来ないですから。
しかし達也は魔法式を直接認識する眼を持ち、魔法式の記述を部分的に破壊する技能を持ち、一瞬で魔法式を投射する技能を持ちます。
そのため、書き換える前の魔法式の定義に反しない形ならば、後乗りする形で事象改変を利用できます。
~スティープルチュース・クロスカントリー編(二年生夏)
このときは九校戦の時期でしたが、メインの話は九校戦を舞台にして絡み合った国防軍、「九」の魔法師、周公瑾の陰謀との暗闘でした。
そのため直接戦闘はほとんどなく重要な話はしていましたが、重要な手札と呼べるものはあまりありません。
完全思考操作型CAD
完全思考型CADは、思考のみで操作できるCADです。これは達也さんが世界初というわけではなく、二番目らしいです。しかし、思考でCADを操作するというところは同じでも、それ以外のコンセプトは別物となっているようです。
世界初を謳ったCADは、想子波でスイッチを操作する機構を組み込んだ思考操作専用機で、携帯型にしてはかなりの大型になるようです。
対してシルバーモデルでは、「CADを操作する無系統魔法の起動式を出力する」という機能のみに特化したCADとなっています。このCADを、既に所持している既存のCADとペアリングすることで、指ではなく無系統魔法で操作することが出来るようです。
ペアリングは特化型や汎用型に問わず、ほとんどのCAD(FLT産のみ)で行えるため使い慣れた物を引き続き使うことが出来ます。
間に一つ挟む形になっていますが、魔法の区別を番号として変数化しているため実質的に「〇番の魔法を使う」と考えるだけで魔法が発動できます。そのため、白兵戦などの手がふさがれている魔法師にとって
- 操作に手を使わない
- 戦術の幅を狭めない
という要求を同時に満たしているため、飛行魔法と合わせて白兵戦革命が起こっているようです。
術式複写
これは再成魔法の一種です。
術式魔法式は想子で構成されているため、想子情報体に分類されます。そして再成は想子情報体を複写する魔法です。そのため術式もまた再成魔法の対象になり、対抗魔法で無力化されてしまっても再成魔法で復元することができます。
とはいっても「魔法が消されなかった」ことになるだけで、魔法の記述は全て同じです。なので有効時間を過ぎていれば復元できないので、常駐型魔法以外に使い道はないでしょう。
他にも術式解体:拍手verによる全方位の魔法無力化なんてのもありましたが、単に方向性の無い術式解体というだけなので割愛。
~古都内乱編(二年生秋)
ここでは、入学時から今までの達也さんの敵の背後で暗躍し続けていた「周公瑾」を追っています。そんな大物相手ですが、だからこそ今回は使える人手駒が多く達也さんは新しい手札を増やす必要があまり無かったため、前編と同じくあまり強大な手札は加わりませんでした。
しかし、成長の伏線としての技能が加わっていました。
シルバートーラス
これは達也さんが今後使うCADで、シルバーホーン・カスタム〔トライデント〕と双璧を成すCADです。どちらも特化型CADですがシルバーホーンが小銃形態で魔法戦中・遠距離に適しているのに対して、シルバートーラスは腕輪形態で格闘戦近距離に適しているCADとなっています。
おそらくは十三束君との試合でシルバーホーンが近接格闘の邪魔になっていたから、あるいは前から近接格闘には小銃形態では邪魔だと思ったから作ったのかもしれません。まあ、その不便を無くすための完全思考操作型CADなのですが。
個人情報取得
これは精霊の眼による情報体エイドス解析の読み取り深度を上げた技能です。
精霊の眼は情報体に刻まれた情報を正確に把握する眼であり、情報的な近さ縁によって取得情報量も変わってきます。また世界の情報は日々一瞬毎に更新されていくので、より不変な情報ほど読み取りやすくなっています。
そのため遺伝子情報や健康状態、魔法力だけでなく、現在の立場職種や立場、直近24時間の行動および親密な人間関係といった多くの情報を得ることができます。
一応、拒絶抵抗されることで情報も取得深度や精度が変わってくるようですが、普通は気づかれないので無意識的な拒絶以外はほとんど無視できます。
印〈マーカー〉による探知
これは精霊の眼の遠隔視を使った探知技能です。探知する人物の想子情報体に印となる「何か」を刻み、「何か」の座標を常時取得することで追跡を行います。この印は有害な物である必要がないので、想子情報体を調べても発見を困難にすることが可能です。
とは言っても想子情報体に異物を混入させるので、精霊の眼などの有害無害にかかわらず情報体を詳しく調べることが出来れば、印に気づくことは出来ます。また、追跡であって探索ではないので何も知らない相手には使えませんし、最低限印を刻むことが出来るほど情報的に接近しなければなりません。
このときは事前に開発した訳ではなく、周公瑾に接敵してから異物の混入に気づいた形なので、追跡技能開発のきっかけを得たといった感じでした。
周公瑾を視る→想子情報体に異物が混入していることに気づく→その異物を視ることで動きを追跡。
といった流れなので、最初から印による追跡を行う場合は真ん中のプロセスで印を刻むことになります。
~四葉継承編(二年生冬休み年末年始)
四葉家での深雪の立場が変わる確定することで達也の立場が大幅に変化する継承編では、出生に関する秘話だのなんだのと色々な暴露話が成され、達也さんがどれだけ化け物じみているのかが語られました。
それによる影響も含め、達也さんは強力な手札を得ました。
四葉家での地位
今まで深雪の守護者でしかなかった達也さんが新しく手札を得ようとする強くなるには、新しい何かを自力で開発する以外に無く、一使用人でしかないので手駒と呼べる者が全くありません。
- 国防軍は利害の一致のみでの相互利用
- 九重八雲はやむを得ず介入してきた場合のみ
- 学友は手駒には出来ない
- 水波は深雪の傍から動かせない
- 深雪は戦力にはしたくない
といった具合に、達也が私的に使える戦力はいませんでした。それこそピクシーぐらいです。
しかし「四葉家当主の息子」および「四葉家次期当主の婚約者」という地位を得ることで、ある程度四葉の戦力を融通することが出来るようになりました。
これにより達也さんは、弱点であった戦闘面以外での不足を補うことが可能になります。
バリオンランス
達也さんの保有する分解魔法は、通常ならば逃れる術がない最強の矛です。しかし、直接的な干渉が出来ず分解が効かない例外も当然存在します。その場合は別の攻撃手段が必要ですが、間接的な事象改変を行うには適正が足りません。そこで新たに開発した魔法が「バリオン・ランス」です。
バリオン・ランスは近距離用致死性魔法で、分解・収束・移動・加速による中性子線の射出と再生による再装填を行う魔法です。中性子線の射出は、フリー・アフター・エグゼキューション理論を利用していたリーナの戦術級魔法「ブリオネイク」を参考にしています。
- 情報体に直接干渉する魔法ではないため標準精度は劣る
- 専用の武装デバイスが必要
- 魔法力不足により魔法発動時は魔法力が割かれるため完全に無防備になる
- 標準はCADの射線に依存
といった弱点はありますが、回避以外での防御手段がありません。
また、長所として
- 中性子線のため射程距離平均自由行程が長い
- 中性子線のため透過性が高い壁に阻まれない
- 中性子線の無力化遮断手段は「中性子バリア」のみ
- FAE理論を利用する関係上魔法発動が速い
といった特徴があるため、貫通性の高い最強の矛と呼べるでしょう。
また、この時点で達也さんが実現を目指している恒星炉プラントの計画に着手し始めました。プロジェクト名は「ESCAPES」で、「恒星炉による太平洋沿海地域の海中資源抽出および海中有害物質除去」を英語に訳し短縮した名称です。
事業内容は上記の名称通りですが、主目的は「魔法師の軍事利用からの脱却」であり、ESCAPESには「脱出手段」の意味も込められています。
魔法的に利用する部品をトーラス・シルバーとして開発し世界中にばら撒くことが終わり、恒星炉の発電システムを作り終え、レリックの解析も進んでいる。それによりようやくプラントの企画書作成とシステム設計に着手することが可能となったようです。
~師族会議編(二年生三学期)
師族会議編では主に顧傑の捜査および追跡を行っており、状況は古都内乱編と似通っています。四葉の手駒黒羽、他の十師族主に七草、警察といった多くの協力があるため周公瑾よりも簡単かと思いきや、顧傑の潜伏・逃走能力は高く捜査がとても難航していました。
そのため達也さんは精霊の眼による探知技能を全力で行使することを余儀なくされています。それにより得た技能が以下になります。
- 遠隔情報探知
遠隔情報探知
これは精霊の眼による探知の発展型です。
精霊の眼は、視ている情報体の”情報的な遠近”により情報取得難易度が変わります。情報的な遠近とは「縁」の有無であり、24時間以内情報遡及限界に限り縁の種類は問いません。
例:時間的遠近、空間的遠近、実行者と標的、遺伝子情報、…etc
作中では以下の縁により相手の魔法師を探知しました。
- 魔法式の情報
- 手段
- 魔法の中継・発動地点の存在
- 発動経路
- 中継点との空間的接近数メートル
- 空間的遠近
- 魔法発動後からの時間的接近十数秒
- 時間的遠近
- 自身への故意的な攻撃
- 因果的遠近
これにより魔法を発動した魔法師を1秒未満で発見し、さらに個人情報取得まで行っていました。
また上記のような「縁」が無かったとしても、精霊の眼で一度でも探知する人物を直接視ていれば、読み取れた個人情報から現在情報の特定が可能です。しかし、それは意識的なリソースを70%以上行使しなければなりません。達也さんは常時精霊の眼の半分を深雪に向けているので、最低でも20%以上の視野を離さなければなりません。
達也さんは深雪を常時視ていることが当然なため、少しでも眼を放すことに恐怖心を抱いています。そのため個人情報のみでの探知は使える条件が限られています。
しかし、一度でも現在情報を探知できれば「印による追跡」を行うことが出来ます。
~南海騒擾編(二年生春休み)
南海騒擾編では前編で使われた精霊の眼の発展技術を制限なく(封印あり)使える状況となっており、発展技術の利用例を出しています。
印からの個人情報取得
これは精霊の眼による「個人情報取得」と「印による探知」を組み合わせた技能です。
- 対象に印追跡用想子マーカーを刻撃ち込む
- 情報体次元から印を探す
- 印から対象の情報を読み取る
といった簡単な手順で座標以外の詳細情報も取得できます。
もちろん「一度は直接捕捉しなければならない」という前提条件は変わりませし、印自体も摩耗して長期間存在することは出来ません。しかし座標は補足しており、印の消滅前に代わりを即座に打ち込むことが出来るので、一度でも捕捉されれば逃走が意味をなさなくなる技能となっています。
因果律の俯瞰的視野
これは因果の連なりを俯瞰的に視る技能です。
因果とは情報の連続性であり、それを繋ぐことで因果律因果の系統樹を表すことが出来ます。
達也さんは今まで、精霊の眼による情報を三次元的な空間情報を起点にその他の情報を(おそらく文字や数字で)読み取っていました。因果の繋がりが強い情報ほど簡単に読み取ることが出来、それを手繰ってさらに情報を読み取っていきます。
これでは、因果律を点として読み取っているので、欲しい情報にたどり着くまで順に繋がりを読み取っていく必要があります。しかし、因果律の俯瞰的視野を習得したことで「因果律を線として読み取る」ことが出来るようになりました。限定的なものですが、これにより情報を順に読み込む手間が省け、情報取得効率が上昇しています。
ゲートキーパー
これは魔法師無力化魔法です。魔法ではなく魔法師の無力化なので「ゲートキーパー」の術中にある魔法師は魔法を発動できなくなります。
ゲートキーパーは魔法師と情報体次元の接点である「ゲート」に仕掛けられます。魔法は例外なく情報体次元に送信され、魔法を情報体次元に送信するためには必ず「ゲート」を通過します。そのためゲートに魔法を無力化する術式が待機していると、魔法師は魔法を発動できなくなります。
達也さんは精霊の眼により対象の魔法師のゲートを常時監視することが可能となったので、「印による探知」と合わせることでゲートキーパーを行使する事が出来ます。
また魔法式を改良することによって、精神干渉系魔法に改造することが出来るようです。
以上で二年生の部は終わりです。手札を追加すると以下になります。
- 分解魔法(秘匿)
- 雲散霧消
- 術式解散
- 質量爆散(封印指定)
- トライデント
- 領域設置型分解魔法new
- バリオン・ランスnew
- ゲートキーパーnew
- 再成魔法(秘匿)
- 自己再成
- 他者再成
- 術式複写new
- 精霊の眼(秘匿)
- 解析鑑定
- 遠隔認識
- 遠隔情報探知new
- 印マーカーによる探知new
- 印からの個人情報取得
- 魔法の読み取り
- 構造把握
- 時間遡及
- 個人情報取得new
- 因果律の俯瞰的視野new
- 無系統魔法
- 術式解体(秘匿?)
- キャスト・ジャミング擬き(秘匿?)
- 誓約オースの自力解除
- 徹甲想子弾
- 高等技術
- CAD並列操作
- フラッシュキャスト(秘匿?)
- 余剰想子放出抑制
- 超速物体の多数同時遠隔標準
- 多変数化
- 魔法の相克
- 技術力
- 実験無しでの魔法アレンジ
- CADソフトシステム開発+アレンジ
- 常駐型重力制御飛行魔法
- 汎用型CADへの特化型サブシステム標準補助の接続
- 魔法式の書き換えnew
- 恒星炉の基本システムnew
- 精神力
- 痛覚への完全耐性
- 完全記憶
- 情報処理能力
- CAD
- トライデント
- サード・アイ(自作)
- 完全思考操作型CADnew
- シルバートーラスnew
- 道具
- レリック
- ピクシー
- 立場(対外的)new
- 四葉家次期当主の婚約者
- 四葉家当主の息子
- 手駒new
- 四葉の配下(一部)
精霊の眼による技能が一気に増えた印象ですね。これにより対応できる範囲が大幅に増えています。
また、載せていないですが格闘能力はすでに九重八雲と同レベルにまで到達しているようです。白兵戦で勝つには程遠いようですが。
さらに理想である「ESCAPES」の実現のための一歩が始まったり、FAE理論を後乗りで自分専用ですが実用化したりと色々やり始めている時期でもあります。
以上で今回の記事は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字、ご意見等ありましたらコメントでご指摘お願いします。
次回もよろしくお願いします。
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