今回は前回に引き続き、【魔法科高校の劣等生】における主人公「司波達也」が、「どの時期までにどう成長し、手札を増やしたのか」に観点を置いて時系列順に振り返っていきます。
アニメだけでは分かり難い能力やシステムの解説を行うので、是非アニメのみという方も寄ってみてください。
※入学編は入学前に得てきたものを使ってると思われるので除外します。
以下の内容は一年生の内で加わった能力手札となります。
最後まで読んでいただければ幸いです。
~九校戦編(8月)
一学期末試験後から始まる「武の対抗戦」こと「全国魔法科高校親善魔法競技大会」があった九校戦編では主に技術力的な面での活躍となり、戦闘力的な武の手札は加わっておりません。
このあたりで加わったと言えるのは以下でしょう。
飛行魔法
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常駐型重力制御魔法こと飛行魔法は「加重系魔法の技術的三大難問」の一つに数えられる、現代魔法が確立された当初から提唱されていた机上の空論です。正確には古式魔法師の属人的な異能としての飛行魔法はありますが、魔法師なら適正を問わず使えるように定義化された「汎用的飛行魔法」は理論上で止まっていました。
その机上の空論を、解決をすっ飛ばして実用化まで一気に扱ぎ付けたのがトーラス・シルバーの理論です。
達也が開発した飛行魔法の仕組みは「一秒刻みで連続的に起動され、効果が消える魔法の連続発動」となっており、CADにタイムレコーダーを搭載することでタイムラグ無しに自動で魔法が連続発動されます。簡単に言うならば「1秒間に限定した移動魔法」をラグ無しで繰り返し引き継ぐ理論です。
そのため、魔法師は直後の飛行軌道をイメージするだけで飛行することが出来ます。
それまでも「魔法を連続発動する」というコンセプトはあったようですが、魔法理論の全てを魔法式や魔法技術で負担しようとしていました。達也はそこに機械を導入することで問題を解決したようです。
「何故魔法学者たちは機械に頼ろうとしなかったのか」と疑問に思いましたが、おそらくは魔法研究者たちにとって魔法の行使に利用する機械はCAD魔法発動補助具で、それは「魔法理論の部品にするもの」ではなく「魔法発動時に使うもの」だったからでしょう。しかし達也さんは魔法研究者であり魔工技師ですので、CADも魔法に組み込む部品の一部だったようです。
まあ現代魔法学は確立されてから一世紀も経っていない若く浅い学問ですから、10代の若者が学問の歴史に名を刻むようなこともあのかもしれません。他にも吉祥寺君は中一のときに「カーディナル・コード仮説」の実証を行っていますからね。
汎用型CADへの特化型サブシステム標準補助の接続
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この技術は作中で「汎用スパコンに専用スパコンのシステムを組み込む」と例えられています。汎用型と特化型では規格が全く違うので、特化型CADの構造に合わせて作られた標準補助は汎用型CADに繋ぐことは不可能とされていました。
しかし実用性を度外視しているただ繋げるだけなら、時系列的にちょうど一年前に可能であることが実証されていたようです。
そこで達也さんは汎用型の長所である「系統の違う起動式を99種内蔵出来る」という点と、特化型CADの長所である「同じ系統の9種の起動式に限定することで処理速度が速い」という点を取捨選択して組み合わせます。「系統は違うが2種類の起動式に限定することで処理速度を速くする」という裏技を使い、標準補助を搭載した「特化型に劣らない処理速度を持つ汎用型CAD」を爆誕させました。
とはいっても、達也さんが作ったそのCADは汎用型とはいえ競技用に特化させているので、競技用以外での実用化は難しいでしょう。ですがFLTは、そのノウハウを達也さんから提供されることでちゃっかりと標準補助搭載の汎用型CADを製品化したようです。
またこれはおまけですが、夏休み編+1で達也さんは高度な想子操作技術を以って、暴走して荒れ狂っていた深雪の想子流を深雪の肉体に押し戻すという荒業をやっていました。ここで行った「自分の肉体以外の外界に想子を圧縮する」という技術を発展させ、標的付近に想子を圧縮することで超遠距離でも術式解体を当てることが出来るのではないかと考えています。
~横浜騒乱編(10月前後)
魔法科高校間における「”文”の対抗戦」こと「全国高校生魔法学論文コンペティション」で達也さんは、急遽サポートスタッフとして応援要請されましたが、加わった手札はあまり知識的な”文”のものではありませんでした。
レリック
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レリックとは何らかの魔法的な性質を持つ聖遺物あるいは自然物とは言えない謎物質を指し、例としてアンティナイトもレリックに分類されます。
レリックの共通点は「人工的な処理加工が施されている」こと、および「出土した時代当時の技術水準を超えている加工が施されている」ことです。なので再現は不可能ではないですが、人工的な合成複製は成功例が無いとのこと。
そこで白羽の矢が立ったのは精霊の眼を持つ達也さんです。手に入れた押し付けられたレリックは瓊勾玉系に分類され、保有する性質は「魔法式の保存」と想定されています。
魔法式の保存機能があれば魔法師要らずの魔法兵器が量産出来るので、政府や軍は解析および複製に力を入れています。達也さんもまた、実用化を目指している常駐型重力制御魔法式熱核融合炉に、その機能を取り入れることが最も理想に近づくと予想しているので、解析依頼を受けています。
サード・アイ
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サード・アイとは大陸間魔法専用CADであり、成層圏プラットフォーム衛星のカメラと標準補助をリンクすることで大陸間という超長距離魔法を行えるようになります。とはいっても普通の人間は物理的な距離に認識が引っ張られているので、カメラで対象の映像を送られても座標の標準は出来ません。
しかし達也さんは別で、たとえ封印状態の魔法力だとしても「リアルタイムの映像情報から対象の相対座標割り出し」が出来るので、サード・アイにより大陸間の精密標準を可能にしています。
…質量爆散だけは封印を解除しないとできませんが。
また、これは国防軍の物なので達也の手札というには厳しいかもしれません。自作のサード・アイでは数キロ先の精密標準が限度みたいです。
~来訪者編(三学期)
来訪者編は作品を通して、達也さんが苦戦したランキングベスト3の内2つが埋まる戦いだったのではないでしょうか。なぜなら、このとき主な敵となったパラサイトとアンジー・シリウスは達也さんとの相性が悪く、有効的な無力化手段(非殺傷性)がなかったからです。双方とも殺してしまうと問題が起こる。
なので基本的には誰かを頼って事に当っており、戦闘の多さに対して達也さん自身が得た手札はほとんどありません。
補足ですが苦戦ランキングベスト3は以下と考えています。
- 光宣との抗争
- パラサイト無力化
- リーナとのタイマン
とはいっても話も長く戦闘回数は一番多いので、なんだかんだ得ているものはありました。
誓約〈オース〉の自力解除
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誓約は、母である深夜が永眠した後に付与されたもので、深雪の魔法力の半分を用いて達也の魔法力を半分まで制限する鎖です。この魔法は精神干渉系魔法なので達也さんは行使できませんが、解除するための鍵は無系統魔法として深雪が持っています。
誓約の解除は横浜騒乱編にて一度行っているので、その時使った鍵を再現して一時的な解除を可能にしました。
ピクシー
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達也さんが作中を通して得た手札の中で、最も異色極まるのが「ピクシー」でしょう。
ピクシーとは人型家事ロボットヒューマノイド・ホームヘルパーに取り憑いたパラサイトです。主に念動力PKや念話テレパシーを使うことができ、国内にいる活動状態のパラサイトを相互感知することができます。
なぜピクシーが達也の手札なのか。それは司波達也への絶対的な従属を願っているからです。
そのパラサイトは達也さんに迎撃され消滅寸前でしたが、機械ピクシーに憑依することで消滅だけは免れました。しかし休眠状態になるほど消耗しており、活動再開のための鍵めざめるパワーが必要でした。それが「祈り」です。
宿主を入れ替え、人格が白紙化されたパラサイトは「祈り」に近い”強い想念”を写し取ることで自我を形成します。ピクシーが写し取った祈りは光井ほのかの「司波達也に従属したい」というものでした。そのため達也さんの物となったのです。
また本来の「生物に寄生した場合」は、これらの祈りに加え生存欲求に連なる様々な欲望や衝動が存在するので、それらを混ぜた自我を形成します。しかしピクシーは機械で生存欲求がないため、写し取った祈りのみで自我を形成されています。そのため達也さんへ絶対的な従属願望を持っているのです。
徹甲想子弾
これは情報体に物理次元実体からの間接的な作用ではなく、情報体次元からの直接的な作用を行うために習得した技術です。これにより情報体次元に存在するパラサイトの本体に直接干渉する手段を得ました。
元来精霊の眼を持つ達也さんは、情報体次元に直接干渉する圧倒的な適正を持っていました。しかし、ただの魔法では達也さんの魔法適正上強固な本体に有効なダメージを与えられません。そこで得意な無系統魔法の術式解体を、パラサイトの本体へ有効なダメージとなるほどに改良した、高圧高硬度の遠当て「徹甲想子弾」を習得しました。
これに加えパラサイトの本体と最も繋がりの強い場所である心臓に、「強い想念を写し取る」というパラサイトの性質を利用した強い「拒絶」の念を込めた想子弾を撃つことで、有効打を与えることに成功しています。
また徹甲想子弾は普通の生物人間にも有効な攻撃手段となります。想子弾は物理次元ではなく情報体次元を移動するため、速度の制限は無く術者のイメージに左右されます。さらに術式解体とは違って、直接ダメージを与えるのに急所を狙ったり、人を覆うほどの大きさにする必要はありません。
術式解体よりも高圧高硬度なので、着弾すると想子体が「砲撃を受けた」と錯覚しそれを肉体に反映させ、無傷でダメージを与えることができます。
以上が1年時に手に入れた手札となります。前回の手札に加えると以下となります。
- 分解魔法(秘匿)
- 雲散霧消
- 術式解散
- 質量爆散(封印指定)
- トライデント
- 再成魔法(秘匿)
- 自己再成
- 他者再成
- 精霊の眼(秘匿)
- 解析鑑定
- 遠隔認識
- 魔法の読み取り
- 構造把握
- 時間遡及
- 無系統魔法
- 術式解体(秘匿?)
- キャスト・ジャミング擬き(秘匿?)
- 誓約オースの自力解除new
- 徹甲想子弾new
- 高等技術
- CAD並列操作
- フラッシュキャスト(秘匿?)
- 余剰想子放出抑制
- 超速物体の多数同時遠隔標準
- 多変数化
- 魔法の相克
- 技術力
- 実験無しでの魔法アレンジ
- CADソフトシステム開発+アレンジ
- 常駐型重力制御飛行魔法new
- 汎用型CADへの特化型サブシステム標準補助の接続new
- 精神力
- 痛覚への完全耐性
- 完全記憶
- 情報処理能力
- CAD
- トライデント
- サード・アイ(自作)new
- 道具
- レリックnew
- ピクシーnew
有力なものはサード・アイと飛行魔法でしょうか。ピクシーはそこまで出番はないですし、誓約の自力解除や徹甲想子弾を使うほどの相手はあまりいません。
とはいっても一番大事なものはレリックでしょうね。これの解析・複製が最も重要な仕事でしょう。
今回は以上になります。最後まで読んでいただきありがとうございます。
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