家庭教師ヒットマンREBORN!の作中において、作品の特徴とも言える独自設定が「死ぬ気の炎」です。死ぬ気の炎により武器を強化したり、炎自体を武器として利用したりします。
今回は、その「死ぬ気の炎」について解説していきたいと思います。
最後まで読んで頂ければ幸いです。
死ぬ気とは
死ぬ気の炎は「死ぬ気」になることで生じる炎です。
そして死ぬ気とは、窮地に立った時に身体のリミッターが解除される現象です。莫大な負荷と引き換えに絶大な身体能力を発揮するもので、強靭な肉体でなければ全身が壊れてしまいます。
また、死ぬ気を強制的に引き出すのが「死ぬ気弾」と呼ばれるマフィア間秘伝の特殊弾です。
「死ぬ気弾」を撃たれた人間は普通に死にますが、心の内に後悔があれば復活し、死ぬ気になって後悔を解消するために暴走します。これが一般的な「死ぬ気モード」です。
死ぬ気〈クレイジー〉モード
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標的1「えぇ!?俺がマフィアの10代目!?」より引用
死ぬ気になっているときは意識とともに肉体の枷も外されているため、常人では不可能な運動能力および耐久力を発揮します。それにより、通常モードに戻った瞬間死ぬ気時に無視していた負荷が一気に押し寄せてきます。ツナも最初はよく筋肉痛とか全身骨折とかの大けがを負っていました。そのうち慣れるみたいですが。
また死ぬ気には段階があり、死ぬ気を制御した「超・死ぬ気モード」、死ぬ気を超越した「死ぬ気の到達点」に至ります。
超・死ぬ気〈ハイパー〉モード
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標的25「勝ちたい!目覚めの瞬間」より引用
死ぬ気モードは目的のために暴走するだけでしたが、目的意識が強すぎて暴走しているだけなので、気力の制御により死ぬ気の制御が可能でした。
死ぬ気になることで生じる荒々しい闘志を静かな闘志に変えることで、死ぬ気モードの身体能力と意志力を得ながら通常時の理性を持つことができます。これが超・死ぬ気モードです。
死ぬ気モードでは気力の消耗が激しすぎるために状態が5分程度しか持ちませんが、超・死ぬ気モードならば気力が制御されているため消耗を半分以下に抑えることができます。さらに理性で死ぬ気を制御している状態なので、「死ぬ気になりながら一時休憩を取る」といった一見矛盾したような行動を行えるようになります。
そして死ぬ気時の気力の制御は、ボンゴレの奥義習得に繋がります。それが「死ぬ気の零地点突破」です。
死ぬ気の零地点突破
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通常時の気性を相対±ゼロとすると、死ぬ気モードは気力をプラスに振れている状態です。そのプラスの幅により死ぬ気の激しさが変わり、最大である死ぬ気モードから気を静めて気力を下げることで超・死ぬ気モードに変化します。
このとき、気力をプラスやゼロの領域を更に超えて、マイナスの領域まで下げることで「死ぬ気の零地点突破」を行えるようになります。
プラスからゼロ地点を突破し、マイナスに移行することで死ぬ気の炎という状態は反転します。周囲に熱を与えるはずの炎は、反転することで周囲から熱を奪う冷気に変化します。それによって発生する氷は、超高密度の熱量を誇る死ぬ気の炎を凍らせるほど安定な物質であるため、死ぬ気の炎でなければ溶かすことは出来ないとされています。
死ぬ気の到達点
死ぬ気の境地であり、死ぬ気の向こう側にある究極の死ぬ気と評されるのが「死ぬ気の到達点」です。幾度の困難を死ぬ気で潜り抜け、内に秘められていた自身に気付くことで到達点への道が示されます。
そして、内に秘められた覚悟を一心に束ねた「一点の曇りなき死ぬ気」により、全身が細胞単位での死ぬ気へと変質します。
作中において死ぬ気の到達点に覚醒した者は主人公の「沢田綱吉」とラスボスの「バミューダ・フォン・ファッケンシュタイン」のみです。
バミューダは失った自身の炎を埋めるために”夜の炎”を創り出し、炎の特性により瞬間移動を可能としています。また到達点に至り肉体が変質したようで、朽ちぬ身体を得ています。少なくともツナのひいひいひい爺さんにあたるボンゴレⅠ世の時代には復讐者として活動していました。
対してツナはバミューダのように新たな炎を得ている描写はありません。その代わりバミューダの瞬間移動を圧倒出来るほどの身体能力を得ています。また、ツナも不朽の肉体を得ている可能性はありますが、バミューダの身体が不朽となっている理由が”虹の呪い”の一つである「肉体が成長しない」という呪いによる結果である可能性がある為、不朽の肉体を得ていない可能性もあります。
しかし、未だ成長期であるツナは肉体が日々変化しているので、成長が終わった後にどうなるのかは分かりません。
また、ツナは未来編の最終戦から自力で死ぬ気モードに成れるようになりました。このとき初めて、「死ぬ気に成るのことにアイテムはいらない」ということが発覚しました。死ぬ気弾は死ぬ気を強制するだけの道具だったわけです。
じゃあどうやって死ぬ気になるの?という疑問を解消した一言が最終巻にでてきました。
死ぬ気とは迷わないこと、悔いないこと、そして自分を信じること。
家庭教師ヒットマンREBORN!,42巻,標的403,by:リボーン
つまり「迷いを捨て、自身の決断を信じる」ことで自然と死ぬ気になるようです。黒曜編で登場した「小言弾」も、あくまで「内に秘めたる意志に気付かせる」ことが主作用で、それによって死ぬ気になるのは副作用でしかないのでしょう。実際にシモン戦では、「気づいたら死ぬ気になっている」ような感じで死ぬ気モードへ移行しています。
そして、死ぬ気によって発生する現象が「死ぬ気の炎」です。
死ぬ気の炎
死ぬ気の炎は「覚悟を燃やす」ことで灯るとされる、生命エネルギーの1形態です。生命エネルギーといっても覚悟を燃やすので、寿命のようなものではなく”生きる気力”を扱っているようです。そのため炎の純度は、当人の抱く覚悟に依存します。
また死ぬ気の炎は14の属性に分類され、人は誰しも最低1つの属性に分類できます。
大空の7属性
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上図は「大空の7属性」を示した代表的な属性図です。天候で属性を表しています。尚、対比の関係は特にありません。
それぞれの属性で独自の特性を持ち、それを戦闘に限らず様々な状況へ応用します。
大空
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標的079「最初の試練」より引用
大空の7属性で最も特殊希少な属性で、作中でボスと呼ばれるようなキャラクターはほとんどこの属性です。「全ての天候を支配するのは大空である」ということでしょう。
特性は「調和」です。「様々な天候を矛盾なく成立させる」という意味でしょう。
効果は同調(変質)です。同調する対象を定め、それ以外の何かを定めた対象と同じ物へと変質させます。簡単に言えば「状態異常を平常へ戻す効果」ですね。ただし、何を”異常”とするかは本人の認識次第。
作中で例えるならば、「コンクリートとの調和による石化」です。ビルなどのコンクリートを同調する対象、敵を同調させる対象とすることで、敵を石化させます。つまり、モデルが必要な錬金術ですね。
個人的な妄想ですが、調和を極めれば「砂利を金に変換する」成金計画どころか、棒を四肢に変質させることによる部位欠損の修復すら可能になるでしょう。
なぜなら主人公である沢田綱吉は、36巻で狂乱しブラックホールに変質しかけた小里炎真を精神的にも物理的にも平常状態に戻しているからです。おそらくは、「ブラックホール状態の炎真」を「異常」として変質させる対象に定め、平常状態へ調和したのでしょう。これを考えれば、銃で撃たれる等で負傷しても「負傷状態=異常」、「無傷状態=平常」として調和すれば、外的要因による死亡は無くなるでしょう。
毒や病気も同様ですね。体内に毒物質や病原菌が増えている状態を「異常状態」、体調が整っている状態を「平常状態」として調和すれば、状態異常を完全に克服できます。ツナの場合は”死ぬ気の到達点”によって全身を細胞単位で死ぬ気の炎を灯せるようになったので、細胞単位で状態異常を解除できそうです。
おそらく原作終了後のツナは死ぬ気の到達点へ至り、常人とは桁違いの炎圧が発揮できるはずです。なので寿命は無く?、傷を負っても毒を盛られても疲労困憊になっても、調和で無害化できそうです。
これ不死身では?
よく逆行系SSでツナが過労死したり、殺されたりというように描かれていますが、もしかしたら自殺以外で死なない可能性があります。
また大空唯一の特徴として、後述する匣兵器を全て開けることが可能となっています。そのことから、大空は「大空の7属性」全ての属性の特徴を内包していると考えられます。
嵐
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標的078「過去への手がかり」より引用
特性は「分解」です。「嵐による破壊」あるいは「嵐には雷雨等の多数要素が内包される」から取られているのでしょう。分解という言葉のイメージに反して、他の属性と関連付けが多くなります。
効果は文字通り、炎に触れた物体を分解していくというものです。炎のみを分解して消したり、敵の肉体を物理的に分解してダメージを与えたり、あるいは敵の攻撃を分解して防御したりなど指定範囲によっては思ったよりも応用ができそうです。
雨
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標的078「過去への手がかり」より引用
特性は「鎮静」です。雨が降ってる時の寂寥感を表しているのかもしれません。それか「嵐の前の静けさ」かも?
鎮静の効果は、気分や衝動よりも物体の運動が主な対象となります。攻撃というよりもデバフであり、鎮静を受けると運動能力が低下していきます。分子の運動にまで効果を及ぼしたり、低下から停止にまで効果を引き上げることが出来るので、使い手によっては凶器にもなります。
雷
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標的164「ボンゴレ匣(ボックス)、修業開始」より引用
特性は「硬化」です。これにより、大空の7属性の中で「最も攻撃的で強度が高い」とされています。一体何をイメージして「雷」から「硬化」なんていうワードが出てきたんでしょうか。
雷の炎だけ他の6属性とは違って、燃え上がるようにではなく弾け続ける電気のように発生します。
晴
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標的164「ボンゴレ匣(ボックス)、修業開始」より引用
特性は「活性」です。「生命の育みを促す」という意味でしょう。
活性はデバフ系の「鎮静(雨)」とは逆でバフ系の特性となります。例えば発射した銃弾の速度を引き上げたり、肉体の自然回復を高めたり、神経伝達速度を高めて運動能力を上昇させたりといったように、何らかの働きを促進させます。
主に治療面で重用されているので医療系の特性と勘違いされやすいようですが、肉体の再生能力と運動能力を同時に活性させられるので、肉弾戦への補助適正があります。デイジーとか不死身ですし。
また獄寺隼人がγ戦で行っていたように、銃弾の運動ベクトルの内「乱雑なベクトル」を活性させることで、弾丸の軌道を不規則にすることが出来ます。リボーンなんかも代理戦争編ではよく銃弾を曲げていました。リボーンが技術のみで行っていたかは分かりませんが、晴れの活性による攻撃は応用範囲がとても広く強力です。
雲
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標的130「覚悟とムカツキ」より引用
特性は「増殖」です。「際限なく前触れもなく増える雲」をイメージしているのでしょうか。
増殖は主に物体の数を増やす「増数タイプ」、物体の量を増やす「増量タイプ」、物体の積を増やす「増積タイプ」、物体の長さを増やす「増長タイプ」があります。
例えば雲雀恭弥の場合、自身の匣兵器の数や体積を増やしたり、トンファーのチェーンを伸ばしたりしています。
霧
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標的095「決断」より引用
大空を除いた6属性の内最も希少な属性で、居たとしても表舞台に出すことは少ないようなので、確認される数は少なそうです。主に術者と呼ばれる暗示や催眠の使い手が霧属性です。
特性は「構築」で、主に暗示や催眠を強化することが主な使い方でしょう。大空の7属性のなかで中で最も攻撃力が無いので、戦える霧の術者は稀です。しかし、幻覚が使える術者となると話が変わってきます。
幻覚は前準備無しで五感を乗っ取ります。さらに構築によって有幻覚という実体を持つ幻影を発生させたり、逆に実体を幻影にしたりと場を掌握します。これにより、そもそも戦いが成立しないことがあります。
以上のように視覚化できるほどの超高密度のエネルギーは、肉体のリミッターを解除する以上に強力な武器となり、未来編では兵器化が進められていました。
兵器化
当初、家庭教師ヒットマンREBORN!の1巻から出てきていた「死ぬ気の炎」は、死ぬ気弾を撃たれた者が「平常状態から死ぬ気状態になった」ことを表すサインでしかありませんでした。しかしギャグマンガだったころとは違い、本格的なバトル漫画となった黒曜編以降からは意味が変わってきました。どう変わったかと言うと、ただのサインから戦闘に直接応用できる武器へと変わったのです。
リボーンは死ぬ気の炎について以下のように言っています。
死ぬ気の炎と闘気ではエネルギーの密度がちがうからな。限られた人間の目に見えるだけの闘気とちがって死ぬ気の炎はそれ自体が破壊力をもった超圧縮エネルギーだ。
家庭教師ヒットマンREBORN!,10巻,標的80,by.リボーン
そのため、
- 熱として焼くのも良し
- 運動エネルギーに変換して推進力にしても良し
- 炎に馴染む武器に流して強化しても良し
といった風に、強力な兵器へと変わっているのです。
またリング争奪戦編からマフィア界の秘宝とされるリングには、所有者の覚悟を消費して死ぬ気の炎を灯す石から造られていることが明かされました。それにより死ぬ気モードにならない他の人間が、死ぬ気の炎を武器として利用してくるようになります。
リング
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標的088「73(トゥリニセッテ)」より引用
身に着けている人間の「覚悟」を燃焼し、生命エネルギーを炎に変換するのがリングです。1つのリングで1つの属性の死ぬ気の炎を灯すことが可能で、リングに灯すことが出来る属性は決まっています。
リングの製作方法は分からないので、どうやってリング側の属性を選別しているのかは分かりませんが、加工段階でリングの属性を設定しているか、加工前の石の段階でリングの属性が決まっているかのどちらかでしょう。
またリングにはランクがあり、それにより炎の出力限界が変わってきます。ランクはアルファベットで表記され、作中ではA~FおよびSランクが存在します。
A以下が通常手に入る石であり、Aから高ランク・高出力となります。そこからランクの低下とともに出力上限が低下するので、Fランクはクズ石とされています。とはいっても炎を灯せる石と炎を灯せる人間自体が希少で貴重なのですが。また出力上限を超える炎圧〔FV〕をリングに課すと、リング(炎を灯す石部分)が耐えられず砕け散ります。例えば未来編の雲雀は、Cランク以下のリングを使い捨てにしていました。
作中で出てきたAランクの石を使ったリングは以下となります。
- VARIAリング
- ヘルリング
- マーレリング(偽)
マーレリング(偽)は、白蘭より「Aランクのすげぇ石だ」ということは分かっていますが、具体的にどんな経歴の石なのかは謎です。
VARIAリング
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標的358「開戦前夜」より引用
ボンゴレⅡ世の遺産の1つとされる「虹の欠片」を加工して作られたVARIA幹部用のリングです。VARIAには雲属性の幹部が居ないので、未来編では雲を除いた6属性のリングが存在していました。
しかし、代理戦争編では未来の情報を先取りすることで新生VARIAリングが作られたのですが、その時は7つのリングが存在していました。なので、雲属性のVARIAリングも作られたのでしょう。あと霧のリングはアルコバレーノ赤ん坊であるマーモン用なので、赤ん坊サイズの小っちゃいリングでした。
ヘルリング
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標的134「地獄の騎士」より引用
「呪いのリング」であり、使用者との契約により強大な力を享受するとされる霧属性最高ランクのリングです(【73】トゥリニセッテは例外)。6つ存在し、それぞれ独自の契約と力呪いを発揮します。
ヘルリングの共通点として使用者の精神と引き換えに戦闘力を数倍に引き上げる「戦力倍加」という特性を持っています。そのため分不相応な者は主従が逆転し、ヘルリングの奴隷となります。
骨残像〈オッサ・インプレッショーネ〉(所持者:幻騎士)
「地獄に落ちる魂が現世へのすさまじい執着によってリングに留まってできた」とされています。またリングに留まる魂の数は膨大で、千から万の魂を内包しているとされています。
内包する魂を骸骨として顕現させることが出来ます。骸骨は、ダメージを受けた際の変わり身にしたり、生者の誰かと強制同期させて命を共有させたりすることができます。
また幻騎士は、使用中に自身も骸骨姿となっていました。これは骨残像を使った代償によるものだと考えられます。
その代償とは「理性を奪われること」です。理性が無くなることで狂暴化する代わりに莫大な力を捧げる、というのが骨残像の効果であり、理性だけでなく肉体(見た目?)をも捧げることもできるのかもしれません。
気配〈セーニョ〉(所持者:チェッカーフェイス〈川平のおじさん〉)
「愛する者の死を拒絶した女の情念により生まれた」とされています。命の存在をコントロールする黒魔術が基礎となっているので、使用者は常に死と隣り合わせとなるようです。
一時的に対象の人物から気配や殺気を奪って消し去ったり、奪った気配等を別座標に投射したりすることができます。チェッカーフェイスの桁違いの規模となっている死ぬ気の炎を完全に隠蔽したり、多人数を同時に効果対象とすることが出来たりと、適用範囲がとても広いです。
666〈セーイ・セーイ・セーイ〉(所持者:フラン)
別名「アンラッキーのリング」と呼ばれる運気を支配するリングです。そのため不運を気にしなかったり、不運を不運と思わない性格の人間が好んで所持するようです。
「666回の不運の後にそれを覆す1回の幸運が訪れる」とされているようですが、成功例は確認されていないようです。これが「666回の不運に耐えられなかったため」なのか、「幸運が訪れていることに気付かなかった」のかは分かりません。しかし、使用者の「運を気にしない」という特徴は良くも悪くもというべきものだと考えられるので、私は後者を推したいと思います。
なので、訪れる運勢は一般的な価値観に沿ったものであり、発生する不運も幸運も変人や狂人のような外れ者にとっては日常の風景の一部に過ぎなかったため、成功例が出ていないのではないかと考えます。
所持していたフランは、先輩であるベルフェゴールから日常的に攻撃されていましたが、あまり気苦にしていませんでした。こんな変人たちなら日常的に不運が起きても気にしないでしょうし、幸運が起きても幸運だと気づかないでしょう。
瞳〈マロッキョ〉(所持者:六道骸)
生きた人間の瞳を材料にして作られている、肉食リングです。瞳の持ち主は「世界を見続けるために、生まれてから一度も瞬きをしなかった冒険家」という説が有力視されており、その冒険家が死に際に自ら抉った瞳を加工したされしています。
瞳に睨まれた者の身体を硬直させ気絶させたり、鉄爪を伸ばして肉を喰らったりします。使用者の骸が霧の術師として特異な武闘派のため、作中で前者の能力は使われていません。
作中で内容が明かされたリングは以上の4つであり、残り2つの内片方はイラストのみ、もう片方は骸が所持するのみで内容描写無しとなっています。
【73〈トゥリニセッテ〉】
そして最高の「Sランク」の石が【73】である以下の三種に使われており、「地球を存続させる」ために存在しています。
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標的136「明かされる真実」より引用
- 貝のリング
- 海のリング
- 虹のおしゃぶり
【73】は「地球を存続させるための人柱」としての機能があり、所持者の死ぬ気の炎を恒久的に搾取します。そのため、ヘルリングとは違った意味での「呪いの石」として多くの人間を物理的に滅ぼしてきましたが、その分Aランク以下とは隔絶された性能を持ちます。
「地球の保全」に見合った出力を誇り、炎圧に対する耐久限界は確認されていません。
代を重ねる”時間”を司る貝、世界を束ねる”空間”を司る海、特異点であり点を司る虹となっており、ボンゴレとマーレの大空およびアルコバレーノは星の管理者によって選ばれます。
ボンゴレリング
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標的202「「海」「貝」「虹」」より引用
HALF VONGOLE RING
世界の裏社会を仕切ると呼ばれるボンゴレファミリーの至宝とされるリングです。
後述する他二つとは違い、リングの所有条件は明確で「ボンゴレの血統」であることです。ボンゴレⅠ世ことジョットがボンゴレリングに選ばれたことと、リングの性質が時間を司ることから、ジョットの血統はボンゴレリングに「拒まれる」ことがなくなりました。
もしも「ボンゴレの血統」ではない者がリングを嵌めれば、リング自体がその者の血を拒み全身の穴と言う穴から血を噴き出して満身創痍に陥りますします。ザンザスは生き残りましたが、普通ならば死んでいることでしょう。
しかし、以上の条件は「ハーフボンゴレリング」の話で、原点のボンゴレリングは違う可能性があります。それはボンゴレリングが「ボンゴレボス継承の厳格性を保つため」に分割できる構造へと改造されており、この改造がリングの質的に見れば「改悪」と言えるからです。
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標的202「「海」「貝」「虹」」より引用
ORIGINAL VONGOLE RING
ハーフボンゴレリングは、分割出来る構造を保つため最大炎圧に制限を掛けられています。そのことから、リングに搾取される炎の量が減り、装着者に掛かる負担も軽減されたことが考えられます。そうなると「負担の軽減が成されたなら所持者の選定条件も緩くなっている」と考えることもできます。
まず作中では、ハーフボンゴレリングの選定条件は「ボンゴレの血統であること」とありましたが、同時に選定条件を満たしていれば「リングに”拒まれない”」と言及されていました。この”拒まれない”という表現が引っかかります。なぜならジョットは、ユニにより「ボンゴレリングに”選ばれた”適応者」と表現されているのですから。
そして原点のボンゴレリングを嵌めた人間がジョットとツナの二人のみです。正確には、ジョットは星の管理者に直接選定され、ツナはジョットに意志を認められて引き継がれました。
ここで、「意志」だけが選定条件ならばジョット以降で選ばれるのがツナだけはずはありません。なぜならⅨ世もジョットと同じ思想を持っていたわけですから。ですが、Ⅸ世は託すことが出来ずでツナは託せた。そうなれば、ボンゴレの血統とは別に条件があることは明白です。
ではボンゴレの血統とは別にある条件とは何なのか。それはボンゴレの格言にあると考えます。ボンゴレのボスの格言は「全てを抱擁する大空」で、それを体現するように味方どころか敵さえも庇護してきました。これがジョットに託された理由でしょう。
またバミューダは、黒曜編にて初めて超・死ぬ気モードとなったツナに対して以下のように言っていました。
まだ軟弱とはいえ、綱吉君はボンゴレⅠ世と同質の炎を灯せるようになった。
家庭教師ヒットマンREBORN!,第40巻,標的387「リボーンの疑問」
ツナはジョットと”同質”の炎を灯せるようになっているのです。この「炎の質」が原型ボンゴレリングの選定条件に関わってくると考えます。
また補足ですが、炎の「質」とは「純度」のことだと思います。死ぬ気の炎は覚悟の質によって純度が変化するので、より「全てを抱擁する大空」に近づくほど原型ボンゴレリングの選定条件を満たすと考えます。
とはいっても以上の考察は全て私の妄想ですので、誰かが二次創作のネタにしてくれることを願います。
マーレリング
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標的134「地獄の騎士」より引用
MARE RING
星の管理者であるユニの先祖であるセピラが創設したジッリョネロファミリーが管理しているリングです。ユニの時代までジッリョネロファミリーで管理していましたが、適合者である白蘭が現れてからは事実上手を離れ、その後アルコバレーノによって封印されました。代理戦争編でも登場していなかったので封印されたままなのでしょう。
マーレリングの適合条件は「世界の隔たりとその先の世界を認識し、干渉する能力」を持っていることだと思われます。白蘭はその適合条件を満たした直後に、マーレリングの大空に選ばれたようです。
またマーレリングは時空における横軸である「空間軸」を司るようなので、上記の能力は次代へ受け継がれる能力ではないと考えられます。そのため元々【73】に炎を灯していたのはセピラたちであることを考えれば、ルーチェが大空のアルコバレーノになる前までセピラの一族がマーレリングに炎を灯していたのでしょう。
アルコバレーノのおしゃぶり
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標的142「最強の7人」より引用
ARCOBALENO
【73】の中で最も呪いによる人柱の性質が強く、古い時期に作られています。【73】の原点となる7つの石を灯すには星の管理者の人数が少なくなりすぎたために作られた物です。
苦肉の策の緊急措置であること、星の管理者と普通の人間では炎圧がかけ離れていることなどから着脱不可能となっており、おしゃぶりに選ばれた者は死ぬまでの一生を人柱として過ごしていきます。おしゃぶりに選ばれた者は「虹」と呼ばれるようです。
確認できるアルコバレーノの呪いは以下となります。
- 一定の〈命の炎〉を搾取され続ける
- 地球に炎を供給するため
- 全身から炎を放出できるような身体へ変質する
- 最大炎圧を上昇させるため
- 赤ん坊の姿を強制させ続ける
- 生命維持に必要な生命エネルギーを減少させるため
2、3の呪いを課す理由は推測ですが、だいたい合っているでしょう。
アルコバレーノの選定はとても単純で、何か特殊な能力を持っているかどうかは関係なく
「その時代の各分野で最強の名を冠するにふさわしい者」
が選ばれます。そのためアルコバレーノは、《呪われた赤ん坊》あるいは《選ばれし7人》と呼ばれていたりもします。
虹のおしゃぶりはその他二つの【73】よりも負担が大きいので、その分限界炎圧は【73】の中で最も高いでしょう。
以上の様々なリングを使って、死ぬ気の炎を用いた戦闘を行います。武器に纏わせることが出来ますが、匣兵器を用いることも多くなります。
匣〈ボックス〉兵器
起源は4世紀前の生物学者「ジェペット・ロレンツィニ」が残した343編の設計書机上の空論であり、それを基に「イノチェンティ」「ケーニッヒ」「ヴェルデ」の3人が白蘭からの情報提供を受け完成させました。(※…作中の話です。)
生物学者の発案なので343編の設計書机上の空論は生物を模した兵器が多く、匣ボックス兵器のオリジナルは生物を利用しています。
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標的088「73(トゥリニセッテ)」より引用
その中でも生きた動物を直接利用しているのが動物匣となりますまた、完成させた3人独自の匣兵器も開発されており道具の保存用匣や武器携帯用匣等があります。
明かされている限りでは、以下の特徴があります。
- イノチェンティ…芸術性のある凝った造形の特殊兵装
- 例)SISTEMA C.A.I
- ケーニッヒ…実用武器の携帯性を重視した正統派
- 例)甲冑シリーズ
- ヴェルデ…???
- 例)アニマルリング
芸術家肌の匣職人イノチェンティ、携行兵器供給源のケーニッヒ、虹である「ダ・ヴィンチの再来」ヴェルデと結構毛色が違う三人です。
ヴェルデは何を作っていたのかは分かりませんが、おそらくは大型兵器の類や特殊炎機器の開発でしょう。それか、早々に白蘭に狩られて自身のオリジナルはほぼ作れなかったのか。一応ですが匣兵器とリングの機能を統合した小型匣兵器ことアニマルリングは、ヴェルデからのプレゼントです。あれを匣兵器の括りに入れていいのかは分かりませんが…。
匣兵器を開ける開匣するには鍵が必要で、それが死ぬ気の炎です。リングと覚悟で死ぬ気の炎を発生させ、匣にある穴に炎を注入することで開匣に至ります。ただし、属性が合わなければ開匣できません。これはおそらく、属性ごとに死ぬ気の炎の発する波長が違うためでしょう。つまり匣兵器を使うには「波動」「リング」「匣」の三つの属性が揃わなければいけません。
しかし、例外は存在し「大空」の属性のみ匣の属性が合わなくても開匣することができます。ようはマスターキーですね。これは大空の属性がその他6属性の波長を内包している、あるいは合成して出来ている波動であるためだと思います。
以上が家庭教師ヒットマンREBORN!の作中における「死ぬ気の炎」の概要です。ところどころ個人的な考察もとい妄想が入り込んでいたので途中読みにくいことがあったと思います。
それでも最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
誤字脱字や間違い、あるいはご意見があればコメントでご指摘お願いします。
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