転スラ 本編完結までの究極能力獲得候補者(既刊19巻)

自己解釈・妄想録

 私は以前、転生したらスライムだった件の既刊18巻時点で「究極能力を獲得出来そうなキャラ」を予想し、紹介しました。計10人程度で、既に究極能力を保有しているが更に進化させそうなキャラや、出番によっては新しく獲得出来るキャラ、出番がないので本編中には獲得出来なそうだが今後に期待できる資質だけは持っているキャラなど、人数が少ない為それぞれの前提の下予想していました。

 中には19巻ですぐに獲得するであろうキャラを予想していましたが、全く的中せず。また、獲得しそうなキャラに挙げたキャラの中ですぐに獲得したキャラはいましたが、予想した権能とは異なり撃沈。中にはWeb版に出ているにも関わらず知らなかったため、的外れな予想をしてしまったものもありました。

 そんな感じでたった一巻しか増えていないのに散々なことになりました。しかし私は諦めません。今回の失敗を糧にWeb版も読み直して20巻以降の展開も予想しすることで、新しく「既刊19巻における究極能力を獲得しそうなキャラ」を考察します。

 それも今回は「こいつなら原作終了後に獲得出来そうだな」といった”未来に期待”タイプは出しません。”本編中のみ”に絞った考察を行います。とはいっても最終巻まで残り3巻程度ですが…。

 最後まで読んで頂けたら幸いです。

※…以下の内容には文庫版19巻およびWeb版のネタバレが含まれていますので、ご注意ください。


既知の究極能力獲得者

 まずはWeb版で究極能力を新たに獲得しており、文庫版でも順調にいけば究極能力を新たに獲得するであろうキャラクターを紹介します。基本的に、Web版で登場したとしても詳細が明らかになっていないものばかりなので、スキルを構成する権能も軽く考察していきます。

シオン

 シオンはジュラ・テンペスト連邦国こと魔国連邦テンペストの国主であるリムル・テンペストの第二秘書(側近?)です。リムルから聖魔十二守護王の”闘神王ウォーロード“の称号を授けられており、リムル配下であるために魔王を名乗られない覚醒魔王の内1人となっています。

 そんなシオンは聖魔十二守護王の中で唯一、究極の権能を保有していません。これは弱いからではなくむしろ逆で、保有しているユニークスキルが既に究極の権能に届きうるレベルの性能を持ち、素の戦闘能力が高く、種族特性により強者である精神生命体(ワンピースで例えるならば自然ロギア系能力者)に対する特攻を保有しています。さらに究極の権能と比することが出来る神話級ゴッズの武器を持っているのです。

 普通に圧倒的格上以外には究極能力は必要ありません。だからこそ、圧倒的な格上を相手にした場合は、本人の素養やシエルの能力改変もあって確実に究極能力を獲得します。

 その結果Web版で獲得しているのが『暴虐之王スサノオ』です。

暴虐之王〈スサノオ〉

 ユニークスキル『料理人サバクモノ』を消費・進化させて獲得したとされる究極能力で、判明している権能は「因果律操作」のみです。これは「確定結果」と「最適行動」による”既に確定された結果とそれに至る過程を自在に引き出す能力”を進化させた権能とされています。そこで、「因果律操作」は”既に引き出した”結果と過程だけでなく、”未だ実現していない”机上の空論を引き出す能力だと考えました。

 これはダグリュールに対し通常攻撃が成功していないにも関わらず、権能によって引き出された必殺技が成功していることから分かることです。『料理人サバクモノ』の場合は最低でも一度、かすり傷でもいいので「攻撃が成功した」という結果とその行動を”自分が行った事象ではないとしても”認識していなければなりません。つまり、シオンはシュナの料理の味を知っていなければシュナの料理を再現出来ないのです。

 しかし、ダグリュール戦で”敵味方の誰もダグリュールに傷を付けることが出来ていない”のに、「致命傷を負わせた結果」を叩きつけていました。

 これならば、一度は結果を提示されてからしか発動しないスロースタート型の権能が、初手から自身の望む実現出来ていない結果を押し付けることが出来るスタートダッシュの効く権能になります。

 また、他にも権能はあるでしょう。例えば「思考加速」が代表的ですね。これはリムルの配下にいる者の究極能力、あるいは究極贈与には全員に備わっている権能です。もちろんそれぞれの練度で倍率は変わるのでしょうが。

 なので暴虐之王の権能は以下になるでしょう。

  1. 思考加速
    • シエルが覚醒した配下全員に与える権能
  2. 万能感知
    • 最低でも魔力感知は組み込まれる
  3. 並列演算
    • 何気に配下の誰にも受け継がれていない智慧之王の権能
  4. 魔王覇気
    • 存在値約200万以上の者に組み込まれる
  5. 因果律操作
    • 前述より
  6. 多重結界
    • リムル配下の究極能力には最低でも組み込まれる
  7. 完全再生
    • 種族固有スキルのままの場合あり
  8. 限界突破
    • 『闘神化』が覚醒による祝福ギフトと『食物連鎖』により進化した権能と予想
    • 種族固有スキルの場合あり

ギィ

 ギィは最古の魔王として君臨する、「人間が内外の理由に問わず滅びないよう調整する」役割を持った〈調停者〉です。そのため、ヴェルダナーヴァ亡き後は最恐の擬人化のような扱われ方をしており、人間達だけでなく癖のある魔王達の制御も行っています。

 また究極能力を最初に自力獲得した者と考えられ、スキルが進化する前から究極能力を保有する竜種であるヴェルザードに引けを取らない実力を保有していました。そのためスキルに対する造詣は深く、自身の保有する究極能力『傲慢之王ルシファー』の権能も相まって「出来ないことが無い」状態となっています。

 それはシエルの行った”究極能力の超克進化”においても同じです。Web版では直前にヴェルグリンドがシエルの助力によりスキルを超克進化させていたところを視ていたため、直後にヴェルザードのスキルを超克進化させ、また最終決戦後に自身のスキルも超克進化させています。

深淵之王〈ノーデンス〉

 進化前の傲慢之王ルシファーには主に”解析”と”模倣”の権能があります。相手の得意分野を解析・模倣し、その模倣を以って倒すという横綱スタイルであり、他の傲慢を叩き潰すためのスキルです。また戦闘特化の男性型と解析特化の女性型があるので、自身の適性を自在に変化させる変化系の権能も保有しているかもしれません。リムルの初対面時に力を偽装していたのも変化の権能によるものかもしれません。

 そのことから考えられる傲慢之王ルシファーを構成する権能は以下でしょう。

  1. 思考加速
  2. 万能感知
  3. 魔王覇気
  4. 時空間操作
  5. 多次元結界
  6. 解析鑑定
  7. 森羅万象
  8. 権能模倣
  9. 能力万化

 そして深淵之王は”地帝竜”ヴェルガイアの「万物具現」をも取り込んだ万能能力とのことです。なので以下のような権能になっているでしょう。

  1. 思考加速
  2. 万能感知
  3. 魔王覇気
  4. 時空間操作
  5. 多次元結界
  6. 解析鑑定
  7. 森羅万象
  8. 万象具現
  9. 能力改変

 万象具現は物だけではなく現象も具現化させるイメージです。これは悪魔族が魔法に長けており、様々な現象を操作していることから連想しました。また能力改変は智慧之王ラファエルの権能ですが、ほぼ同じものと思っていただいて結構です。これもヴェルザードの超克進化を促したことから、獲得できてもおかしくはない権能でしょう。

 もちろん文庫版の現状ではヴェルガイアは存在せず、今後ガイアがヴェルガイア進化したとしても「万物具現」をギィが目にするかはわかりません。そもそも、リムルがスキルを進化させている様子を視ることが出来ていないので、ギィは超克進化を行えません。

 ですが「万物具現」は”悪魔達が使う「武具創造」や「物質変換」を併せたような特殊スキル”とされており、それをラミリスの「迷宮創造」に匹敵する規模まで拡大したものです。ギィは悪魔族なので「武具創造」と「物質変換」は当然行えますし、ラミリスの「迷宮創造」は視ています。なので過程は違えど「万物具現」の権能は獲得するでしょう。

 また「ヴェルグリンドが究極能力を超克進化させた」と聞いたギィは「自身の獲得した究極能力がスキルの限界点ではない」と認識し、今まで美徳/大罪系を頂点と思っていたことを”慢心”として自身を窘めました。このように、”知っている”ことは重要です。戦闘民族であるギィは、自然とスキルの超克進化への道を模索するでしょうし、そうなれば獲得までは時間の問題だと考えます。

 個人的な予想として、進化したイヴァラージュにギィとルドラ(マサユキ)のコンビで対処すると考えています(願望)。なので、その時のギリギリの状況で気分が高ぶりスキルを超克進化させ、ルドラの「英魂道導ハシャノヨルベ」という”記憶から過去の英雄を再現する権能”を模倣して、”記憶から過去の現象を具現化する権能”として「万象具現」を獲得する、と考えています。魂を再現するルドラと現象を再現するギィみたいな対比が良い味出しているのでは。

ヴェルザード

 4体いる竜種の内の2体目、長女とされており、基本的にギィの傍に居ます。当時は究極能力を獲得していなかったとはいえギィに引き分けるほどの力を持っており、ヴェルダナーヴァが居ない現状ではギィに次ぐ力を持っているといっても過言ではありません。

 地・水・火・風・空間・光・闇の七属性の内、水属性の最上位聖魔霊と考えられており、自身の性質は「減速」となっています。そのため氷を司る”白氷竜”としても名を馳せています。またヴェルダナーヴァから与えられた究極能力『忍耐之王ガブリエル』を保有しており、Web版ではさらに「ギィにかまってもらえない」という嫉妬から『嫉妬之王レヴィアタン』も獲得しています。

 それをギィが統合させ、超克進化させたスキルが『氷神之王クトゥルフ』です。

氷神之王〈クトゥルフ〉

 構成するスキルである忍耐之王と嫉妬之王はどちらも弱体付与系の権能を保有しています。

 忍耐之王は”事象の固定”を行う為の権能であり、不測の事態に対処するための権能です。そのため自身の性質と合わせて使われる「雪結晶盾スノークリスタル」は物理防壁でありながらあらゆる波長の攻撃を断絶させます。リムルが行おうとしたエルドラドへの直接転移を阻んだのはヴェルザードの隔離結界なので、完全に隔離する結界系の権能もあるのでしょう。

 また、ミリムの「竜眼ミリム・アイ」を超える認識能力も持っているので、それに関する権能もあるでしょう。

 そのことから予想される権能の構成は以下です。

  1. 万能感知
  2. 多次元結界
  3. 乱数調整
  4. 時空間操作
  5. 事象固定

 嫉妬之王は「対象の権能を自分以下に降格させる」という弱体系の権能です。さらに「降格させたことによる減衰分は自身に還元される」という権能もあります。完全に”強者殺しジャイアントキリング“のスキルであり、嫉妬之王を獲得するのが覚醒者の中でも弱い方の者ならば、竜種すらも下すことが出来る強力な権能となっていたでしょう。ヴェルザードの場合は存在値、スキルの格、種族の格全てにおいて頂点に立っていたので強さが分かりずらいスキルになっていましたが。

 また、嫉妬により自身を狂わせているかのような描写もあるので、精神汚染に関する権能もあるかもしれません。支配解除のためにギィがヴェルザードの精神世界に侵入した際、ヴェルザードの精神は”幼い”と描写されてもいたので、精神の退化に関する権能の可能性もあります。それを制御出来ずに、自身を蝕んでしまったとも考えています。

 以上のことから考えられる権能は以下になります。

  1. 思考加速
  2. 解析鑑定
  3. 森羅万象
  4. 降格吸収
  5. 精神退化

 以上2つの権能を統合させて進化させるので、氷神之王クトゥルフの権能は以下の構成となると予想します。

  1. 思考加速
  2. 極寒基底
  3. 万能感知
  4. 解析鑑定
  5. 森羅万象
  6. 時空間操作
  7. 多次元結界

 「極寒基底」は『炎神之王クトゥグア』の「灼熱励起」を反転させただけですが、中身は「乱数調整/事象固定/降格吸収/精神退化」のミックスを想定しています。

ユウキ

 ユウキは魂のみでさ迷っていた死にかけのカザリームが、器を求めて召喚した異世界人です。召喚前から念動力サイコキネシスを持つ超人で、召喚直後には即座に世界の仕組みを理解しユニークスキル『創造者ツクルモノ』を獲得しました。それによってカザリームはユウキに取り込まれますが、社会という物の理不尽さに行き場のない怒りを覚えていた為、カザリームの理想に共感し協力することにしました。最終的に世界征服を目的としています。

 まずは西欧諸国を支配しようとしましたがマリアベルに手こずり、グランベルに嵌められ東の帝国へと逃亡。その間、ギィに苛められるという地獄を味わったものの聖人へと覚醒。逃亡先で伸し上がり、東の帝国を支配しようとしたものの、ルドラに支配され手下諸共従属。そして芽生えていた『強欲之王マモン』を排除するついでに支配から逃れるも、ジャヒルによる攻撃で消滅。と過ぎた欲が身を滅ぼした結果になりました。

 ですが、以下の復活の伏線があります。

  1. シエルに「生存している可能性はゼロではない」と言及されている
  2. 共に消滅したラプラスは、5巻冒頭にて自身の死を偽装している
  3. 召喚主のカザリームはレオンに滅ぼされた後、魂のみでさ迷い器を探していた
  4. ユウキはWeb版のラスボスであり、ラプラスはWeb版で結局生き残った
  5. ジャヒルは攻撃時「”魂”すらも粉々に消し飛ばし、この世から消し去ってくれるわ!!」と言った

 正直、2はシエルの眼を欺けるとは思いません。しかし5をフラグとするならば、「魂は砕けず、異界へと吹っ飛ばされた」と考えることもできます。

 とはいってもユウキとラプラスなので、そんなフラグとか関係なしに勝手に復活するかもしれません。”道化”なので。

 個人的な予想では、進化したイヴァラージェを乗っ取り復活すると考えているので、その時に究極能力を獲得するでしょう。

創造之王〈アフラ・マズダ〉

 ユウキは既に大罪系究極能力『強欲之王マモン』を保有しています。しかし、これは元々ユウキにとっての障害であったマリアベル・ロッゾが保有していた大罪系ユニークスキル『強欲者グリード』です。それを奪い、ギィと衝突して上を体感し、その強さを欲したからこそスキルは進化し、強欲之王マモンを獲得しました。

 ユニーク以上のスキルは自身の意志によって獲得できるので『強欲者グリード』の適性はあるのでしょうが、自力獲得なのは『創造者ツクルモノ』である以上そちらの方がユウキにより適合したスキルであるはずです。召喚された時期的にもユウキの方が早い以上、『強欲者グリード』は先に獲得したマリアベルに適合したスキルのはず。奪った際は「自分ユウキが持っている方が相応しい」的なことを言っていましたが、あの時はマリアベルがリムルに精神的に叩き潰された後で、さらに想定していた奥の手は空振り。さらにユウキの支配は失敗していた、という精神打撃三連弾を喰らい自身の能力に対する疑念を抱くような精神状態だったので、ユウキは『強欲者グリード』を奪えたようなものです。

 つまり何が言いたいかというと、ユウキが実力を十全に発揮できる最適なスキルは自身により適合している『創造者ツクルモノ』なのです。実際にWeb版では、強欲之王を分解して『創造之王アフラ・マズタ』を獲得しています。文庫版でも同じような手順になるかは分かりませんが、生きていれば確実に『創造之王アフラ・マズダ』を獲得するでしょう。

 元となる創造者ツクルモノは、”能力封殺者アンチスキル“の付与や聖人への進化を行えるようですが、スキルを創り上げるような描写はありません。なので創造者ツクルモノの権能は「肉体の改造」に当る能力なのでしょう。ですが、異常は魂を明確に認識できないであろう”仙人”以下の時に行われたことです。しかし聖人へと覚醒すれば精神生命体へと進化し魂に干渉することが可能になります。さらに魂レベルで繋がっている究極能力を獲得することで、明確に魂を認識できるようにもなるでしょう。

 聖人への覚醒後は強欲之王を獲得し、それを多用していたため創造者が表に出てくることはありませんでした。しかし、覚醒により保有魔素エネルギー量、肉体強度、および認識範囲が格段に上がっているはずなので、創造者の対応範囲も拡大しているでしょう。おそらくは、スキルを創り上げることも可能だと考えます。もちろん、構築するための前提意志力/エネルギー/具体性は必要でしょう。

 なので進化した創造之王アフラ・マズダを構成する権能は以下を考えました。

  1. 権能創造
    • 権能を創造する権能
  2. 法則構築
    • 世界に作用する法則を追加する権能
  3. 能力変性
    • 既存の能力を改造する権能
  4. 解析鑑定
  5. 森羅万象

 シエルの権能と被ってしまうので解説するまでも無いと思います。ですが前述の通り、創造/改造を行うにもエネルギーを始めとする前提が必要なので、最低限「情報とエネルギー」が必要ですし、存在値容量が足りなければ付与・強化はできません。

未知の究極能力獲得者

 ここからはWeb版では究極能力を獲得していないキャラクターを紹介していきます。例えば、マサユキとヒナタが挙げられるでしょう。

 Web版で覚醒しなくとも文庫版では覚醒しているキャラ、あるいは文庫版で新登場した覚醒者のキャラが候補となります。

レイン

 レインはギィと同じく最初に発生した悪魔族の七君主である”原初の青ブルー“ですが、ギィにちょっかいを掛けた結果滅ぼされ、悪魔族デーモンの性質により復活後は滅ぼした相手であるギィに従属するメイドとなっています。

 サボり癖とふざけ癖があり、ギィ直々でなければ仕事は他人に任せるのが当然という困ったちゃんです。また「個人レイン的に厄介者ランキングツートップ」であったテスタロッサディアブロを制御し、”真なる魔王”への覚醒を促してくれたリムルに対してもよく分からない信仰心を捧げています。「ファンになった」とのことなので「推し」でしょうか。

 原初の内ギィが大罪系、リムル配下の四人は悪魔系の究極能力を獲得しています。また悪魔系の枠は跡二枠残っているので、レインも悪魔系のスキルを獲得するでしょう。

憂鬱之王〈アシュタロト〉

 レインは戦闘描写がディアブロとの一戦のみなので実力は分かりにくいですが、覚醒した原初だけあって高い技量レベルと最高位魔法の手札を両立している実力者です。ディアブロにはミザリーと二人で挑んでも負けるようですが…。また、レインのスキルである「遍在ミスト」は身体を分割するすることで本体を2体に分割することができます。並列存在とは違って意識は一方にしか残せませんが、意識を残した方が消滅しても意識はもう一方に移るので滅びません。

 「遍在ミスト」がユニークスキルなのかは分かりませんが、レインの性格上ディーノと似たようなスキルでしょう。ディーノのスキルは『至天之王アスタルテ』と『怠惰之王ベルフェゴール』です。その内至天之王アスタルテは与えられたスキルなので、今重要視するべきは怠惰之王ベルフェゴールでしょう。つまり”怠惰”に似たスキルという予想です。

 まずは名前の予想として原初は今のところ「ルシファー/アザゼル/アバドン/ベリアル/サマエル」と、全員が出典によっては堕天使とされる悪魔の名を冠するスキルとなっています。その傾向はレインにも共通すると仮定して、”怠惰”を司るベルフェゴール以外の悪魔を検索したところ出てきたのが「アスタロト」です。

 まさかの事態で、くしくもディーノに与えられた「アスタルテ」と同一視される「アシュタロト」が出てきました。これはディーノのスキルに同士で関連があるように見せる為でしょうが、「アスタルテの揺り返しでアシュタロトが発生した」と考えればちょうどいいので、関する悪魔は「アシュタロト」でいいでしょう。慈雨の神「バアル」と同一視されていたりするので、レインとも相性は良いでしょう。

 またスキルは”怠惰”に関連付けて”憂鬱”にしましょう。”憂鬱”にした理由は、レインとの相性が良さそうなワードだったのと、”七つの大罪”の前身である”八つの枢要罪”の”憂鬱”が”怠惰”に統合されて無くなったという経緯から決めました。

 なのでレインの獲得する究極能力は『憂鬱之王アシュタロト』と予想します。

 代表する権能は、レインの人任せな性格から指揮型、無責任な性格から弱体系スキルであると考えます。具体的に言えば以下のような二つ、プラス「遍在ミスト」が進化した権能を考えました。

  1. 自身を弱体化させる代わりに配下を強化し配下の管理を行うことが出来る、軍隊指揮の権能
  2. 自身に対する負債(ダメージ等)を他の誰かに押し付ける、受け流しの権能
  3. 自身を拡散させ周囲と同化し自身の存在を増大させていく、支配系の権能

 権能に名前を付けるならば、1は悪魔族デーモンは部下に対する当たりが強いので「酷使指令」、2は性格に基づいた「責任転嫁」、3は広い分布を意味する”偏在”の進化と言う点といい加減な性格から「飽和支配」です。

 なので構成する権能は

  • 思考加速
  • 万能感知
  • 魔王覇気
  • 時空間操作
  • 多次元結界
  • 酷使指令
  • 責任転嫁
  • 飽和支配

と予想します。

ミザリー

 ミザリーは前述のレインとほぼ同じ立ち位置の”原初の緑ヴェール“です。基本的にレインの”やらかし”の尻拭いをしたり、負債に巻き込まれたりする不憫枠のキャラとなっています。真面目な者が損をするのは共通の構図なのでしょう。また、ただでさえギィの存在感があり過ぎてギィの配下は存在感が薄くなっているのに、ギィの配下枠ではレインが主張し過ぎて”名前付きネームド“のモブのような立ち位置になっています。

 その影響でミザリーが動いている描写はほとんど無く、ある情報といえば

  • ギィの魔王活動を補助するために西欧諸国の人間を自身に崇拝させ、”緑の使徒ヴェルト“を代表とする集団を手駒としていた
  • 基本的に強さはレインと同程度
  • 悪魔の中では比較的交渉しやすい系統

 というだけです。ほぼ”献身的なメイド”という側面しか出てきていないわけです。ですが、『究明之王ファウスト』と『幻想之王メフィスト』、『女王崇拝プロセルピナ』と『数奇之王フォルトゥーナ』のように、他の関連人物やスキルからある程度当たりを付けることは出来ます。

虚栄之王〈フェネクス〉

 まず「原初は堕天使とされる悪魔の名を冠する」という点から考えていきます。

 レインとセットな扱いという点から「アシュタロトに関連する悪魔」に焦点を当ててみました。しかし、ルシファーやベルゼブブと並んだり、別名がイシュタル(シュメル神)やディアボロスだったりと有力候補が見つかりませんでした。なのでアシュタロトから「八つの枢要罪」に焦点を移動させてみます。

 八つの枢要罪で排除された二つは「憂鬱」と「虚飾」なので、残りの「虚飾」になります。虚飾は”傲慢の一例”とされたので、傲慢に関する悪魔の内ルシファー以外を上げて結果出てきたのが「アバドン」です。ですがカレラのスキルが破滅之王アバドンなので、これも除外。ですが虚飾は良い線行っていると考えています。その理由は以下の「始原と原初の対応関係」によるものです。

 原初は始原を創造した際の揺り返しによって発生したので、スキルと同様に対応関係があると考えました。そこで対応するキャラを予想したものが上の表です。キャラの強さ関係や性格などから考えていて、前述のレインとディーノの関係もここから思いつきました。
 そして、ミザリーはガラシャと対応関係にあると考えたのですが、ガラシャの保有するスキルは『栄光之王ハニエル』であり”栄光”は”虚栄”の類義語である”虚飾”と対極になります。

 虚飾に関連するワードとして出てきたのが「大淫婦バビロン」と「孔雀」です。
 「大淫婦バビロン」は”悪魔の巣くう場所”を”煌びやかさで汚れを隠した場所”といった感じに称した”比喩”ですが、汚れ(欲望)への結びつきとして「女」や「黄金」、あるいは独裁者であった「ローマ皇帝」を指しています。
 「孔雀」は「アンドレアルフス」という「孔雀の姿をした悪魔」に関連付けられますが、こちらも堕天使とは程遠い。ですが、聖書というよりキリスト教において「孔雀」は「永遠/不死/復活」のシンボルとなっています。”鳥”で”不死”となったらあとはもう「フェネクス」一択でしょう。

 フェネクスは”聖鳥フェニックス”を堕とした存在とされているので、堕ちた存在である堕天使とも近い存在になります。また詩人であり、人の姿を模した時は「聞くに堪えない声を発する」とのこと。これは”ミザリー”の意味に近いのではないでしょうか。

 以上からミザリーの獲得する究極能力は「虚栄之王フェネクス」だと考えます。”フェニックス”を”虚栄”とするのは業腹過ぎる気もしますが、まあそちらの方が皮肉が利いててしっくりきます。

 またミザリーが能力にどんな特徴があるのか分からないので構成する権能は予想しようがありません。ですがギィ勢力を管理する事務方であるという点から演算系、”緑の使徒ヴェルト“を使ったように人を使うのが上手そうなので支配系、フェネクスの特徴から弱体系を考え、とりあえず思いついたのは以下になります。

  1. 思考加速
  2. 万能感知
  3. 魔王覇気
  4. 時空間操作
  5. 多次元結界
  6. 並列演算
  7. 音波支配
  8. 不滅幻影

 6は苦労人対質なので「並列存在」でも良い気がしましたが、とりあえず並列演算で我慢しました。7は「音の波長や強さ」を支配する権能を考え、音の種類によって強化や弱体、精神支配などができることを考えています。8は仮にもフェニックスの名を冠しているので不滅っぽく見えるように、不滅の幻影を見せる権能を考えました。

フェルドウェイ

 フェルドウェイは基軸世界(転スラ世界)の創造主であるヴェルダナーヴァが最初に創造した天使で、”始原の七天使”の筆頭としてヴェルダナーヴァの補佐や異界の監視を行っていました。しかし、死後復活しないヴェルダナーヴァに「自分たち元天使は見放されたのか」と疑問を持ち、ヴェルダナーヴァに愛された基軸世界の人々への怒りを持つと同時に、ヴェルダナーヴァの復活を自らの手で成し遂げようと画策します。

 これはヴェルダナーヴァからすれば勝手な行動であり、「ヴェルダナーヴァ自身の意思で復活を選んでいない」という選択肢を取っている可能性がある以上主の意思に反する行動をしているということになり、本来”自由意志を持たず与えられた役割を熟す”天使族エンジェルの在り方からは外れています。とはいえそれも全ては「ヴェルダナーヴァが愛した世界を滅ぼそうとすれば、それを防ぐために復活する」、「その結果自身が滅びてもヴェルダナーヴァが健在ならそれで良い」といフェルドウェイが抱く信仰心故の行動です。

 信仰心故に否定されても止まらず、障害として道を阻んでもその強さ故に止めることができない厄介な存在です。本編では、ただでさえ竜種以上の実力を保有しているにも関わらず、絶対防壁と絶対支配の権能有する究極能力『正義之王ミカエル』をミカエルから提供されており、最強とも言える強さを誇っていました。

 さらに、それが本来ヴェルダナーヴァに与えられた本体ではなく自身で用意した端末での強さですから、本気で全力のフェルドフェイの実力は予想もできません。もしかすれば単騎でイヴァラージェと渡り合えるかもしれません。

 そんなフェルドフェイですが以外にも究極能力を自力獲得していません。これは異界で活動している精神生命体の弊害です。

 異界は物質世界とは違い精神が単体で存在できる半物質世界なので、精神活動(意思)によって全ての現象が引き起こされます。そのため「強さ=意思力」となり、肉体の枷も無いので強さは無制限です。そんな存在に、「世界の法則を上書きする為の自己法則」であるスキルは無用の長物なので、獲得することはありません。

 これは原初達も同様です。ですが、物質世界で活動する以上自身の存在エネルギーを維持するための依り代が必要で、物質世界にある数多の法則を書き換えて自身の力を発揮するにはスキルが必要不可欠です。

 フェルドウェイは前述の通り、ミカエルから正義之王ミカエルの複製を与えられているのでスキルは必要ありませんでした。しかしミカエルがリムルに吸収され、最悪の場合はフェルドウェイが保有する複製された正義之王ミカエルも吸収されているかもしれません。

 それがなくとも、長年の友であり唯一の理解者であったミカエルが滅ぼされたと知れば、その時の激情からスキルを獲得する可能性は十分あります。正義之王ミカエルを保有している場合は正義之王ミカエルを進化させる、吸収された場合はその情報エッセンスを基にクトゥルフ系の究極能力を獲得するでしょう。

信仰之神〈クタニド〉

 まずフェルドウェイの情報をまとめると以下になります。

  • ヴェルダナーヴァより最初に創造された存在
  • 始原の七天使の筆頭熾天使セラフィムだった
  • 妖魔族ファントムの祖
  • ヴェルダナーヴァへの忠誠から復活を、ヴェルダナーヴァの愛した世界への憎悪から破滅を望んだ
  • 自己完結型の性格

 最初の被造物でありヴェルダナーヴァ以外には基本的に命令する側。高い忠誠心と能力から一人で考え計画を立てた方が速いため他人の話を聞かない自己完結型の性格で、その頑固さが意思の強さでもあり柔軟さの欠如という弱点にもなっています。

 そのことから考えればクトゥルフの神の中でも古い存在、あるいは統率者の名を冠するでしょう。

 また、始原と原初の対応関係から考えるに、フェルドフェイはギィと対応していると考えられます。ギィはWeb版より「ノーデンス」を冠するスキルを獲得するので、それに関係する神が候補になります。

 よって、スキルの名前は「クタニド」と予想します。クタニドはノーデンスの他に旧神の統率者とされることもある神性で、指導者ともされています。「慈愛に満ちた理性の神」ともあり、ヴェルダナーヴァさえいればそうだったことを考えれば、妖魔へと落ちた後に獲得する力としては最高な皮肉として合っているのではないでしょうか。

 またフェルドウェイの行動は全て「ヴェルダナーヴァへの信仰」によるものです。それゆえにヴェルダナーヴァが存在しない現実を許容せず、ヴェルダナーヴァに愛された存在を憎悪します。そして、最初にヴェルダナーヴァへの信仰を捧げたものです。

 だからこそ、スキルの名前は『信仰之神クタニド』が良いと考えます。これは信仰心をエネルギー源にし、精神を支配し心を上書きする正義之王ミカエルの進化系としてふさわしいのではないでしょうか。

 構成する権能は以下を考えました。

  1. 信仰付与
    • 自身への信仰心を他者に付与する支配系の権能
  2. 天星隔離
    • 王宮城塞キャッスルガード」の上位版となる権能
  3. 神権行使
    • 自信を信仰する全ての者の能力を究極の規格スケールに進化させて自身に集約する権能
  4. 信教拡大
    • 自身を信仰する妖魔族ファントムを召喚する権能
  5. 多重存在
    • 「並列存在」の上位版となる権能

 他を理解しようとする意思を持っていないので、解析系の権能は入れていません。

 1は精神を支配するというよりも、自身の信者になる要因を植え付ける権能です。

 2は拠点が”天星宮”だったので「王宮城塞キャッスルガード」の上位版として採用し、「天星宮は専用の鍵がなければ開かない」とのことなので「事前に設定された攻撃をされなければ破壊されない防壁」の権能を考えました。

 3は「代行権利オルタナティブ」の上位版として考えました。「正義之王ミカエルの劣化した一部の権能を付与し、支配した対象の権能を行使できるようにする」のではなく、「食物連鎖」のように信者の権能を自身へ集約し究極の権能へと進化させ行使する権能です。

 4は「天使之軍勢ハルマゲドン」の妖魔族版として考えました。天使族エンジェルには「自由意志を持たない」という枷があるので、それが無くなったと考えればいいでしょう。

 5は「並列存在」の上位版としてWeb版にあった「多重存在」を採用しました。

ラプラス

 かつてはまさかの元勇者であった道化ことラプラスは、因果にもいずれ魔王となるカザリームによって蘇生された妖死族デスマンです。記憶はなくとも元勇者であった時の技量レベルは健在なようで、特に立ち回りが上手いような印象があります。また、仲間が妖天へ進化した後でも”中庸道化連”の中ではユウキの次に強いとされています。

 それでも勇者時代は、竜族ドラゴンの源流である天災こと混沌竜カオスドラゴンを追い払うほどの実力を持っていました(その時の呪いで死亡しましたが)。混沌竜カオスドラゴンは竜種に匹敵する力を持っていることを考えれば、それこそ覚醒魔王と同等の実力を持っていても不思議ではありません。

 ですが、ラプラスを蘇生したカザリームは当時覚醒しておらず魔王種であると考えられるので、能力を完全に復元することは出来なかったのでしょう。記憶が全損していることも、”魂”の完全蘇生に失敗している証と考えられます。

 現状ユウキとともに消滅していますが、前述のユウキ同様生存フラグがあります。また消滅直前は記憶が戻っていたので、”魂”に何かしらの変化があった可能性があります。なので、”生きていれば”究極能力を獲得できるでしょう。

偽創之王〈ブラフマー〉

 ラプラスが保有しているユニークスキルは『詐欺師アザムクモノ』と『未来視ミエルモノ』の二つです。詐欺師は「対象の認識情報を誤認させる」認識改変の権能で、未来視は文字通り「数手先の”確定した未来”を視る」権能です。二つともあまり類似した権能はありませんが、未来視ミエルモノがヒナタの究極能力『数奇之王フォルトゥーナ』と同系統のスキルであるということは分かります。

 ラプラスは”道化”なので、究極能力を獲得する場合は詐欺師アザムクモノが進化する可能性が高いでしょう。未来視ミエルモノを消費することで詐欺師アザムクモノを進化させるかもしれません。もちろん、近藤が『断罪之王サンダルフォン』と『解読者ヨミトクモノ』を保有しているように、究極能力とユニークスキルを同時に保有する場合もあるでしょう。

 また、ラプラスは勇者時代の妻であるシルヴィアがインド系の究極能力『雷霆之王インドラ』を保有しているので、勇者時代の力を取り戻して究極能力を獲得するとなるとインド系の神格がスキルの名前として適用される可能性が高いでしょう。そうなると帝釈天インドラに比する存在として、ラプラスに似合う神格は「梵天ブラフマー」でしょう。

 ブラフマーはインド最高神の”創造神”ですが、三柱の中で最も信仰が薄く場所によっては最高神から外れることもある不人気神です。仏教では「帝釈天インドラ」と対になる守護神「梵天ブラフマー」として取り込まれており、相対関係もあります。また、別名に「言葉の王」とあったり、名前の由来が「ブラフマン」だと考えられたりと、道化ラプラスぴったりな神格となっています。創造神としても、(不敬ですが)中身のない幻像のみを創造している、と考えれば権能として適用できます。

 それに自身の名前が国名になっているくらいですから、勇者時代なら国家の祀る最高神的な存在と言えるでしょう。

 なので、ラプラスが獲得する究極能力は『偽創之王ブラフマー』です。権能は未来視ミエルモノも消費した場合を想定して、以下を考えました。

  1. 思考加速
  2. 万能感知
  3. 虚仮脅仕
    • 「余計な事を考えさせられる」覇気系の権能
  4. 解析鑑定
  5. 森羅万象
  6. 確定誘導
    • 幻視した未来を自在に誘導し、望む現実を確定させる権能
  7. 認識詐称
    • 認識情報を改変する付与系の権能
  8. 偽創世界
    • 個体だけではなく領域に「認識詐称」を施された世界系の権能

 1,2,4,5は解析系の権能としてありふれていると思われるので割愛します。因みに、これらを入れた理由は「認識情報を改変するなら本来の情報が必要だろう」と考えたからです。

 3は「魔王覇気」だと似合わないと思ったので、”こけおどし”から取った「余計なことを考えさせられる」威圧の強化版を考えました。

 6は未来視の改変版を考えた結果の、「幻視した数手以上先の未来を、誘導によって自在に取捨選択する」権能です。

 7は詐欺師の権能を強化したものです。

 8は「ヒナタが世界系の権能を獲得できたならラプラスもいけるのでは?」と考えた結果です。

ゼラヌス

 ゼラヌスはWeb版にはいなかったラスボス候補の一角です。後述するイヴァラージェから発生する幻獣族クリプテッドの変異種であり、ゼラヌスは自身を頂点とした蟲魔族インセクトを生成しています。混沌とした環境である異界で発生したため強力で、異界の魔素濃度によるものか蟲魔族インセクトは「魔法に対する絶対的な耐性」を保有しています。

 蟲魔族は妖魔族、幻獣族と異界で覇権を争っていたので、種族特性による個としての強さと上位者を絶対とする駒意識による軍として強さを兼ね備えており、それらの頂点に立つのがゼラヌスとなります。

 自身に名を与えたヴェルダナーヴァ以外の命令は聞かず、独自に蟲魔族の繁栄を狙っていましたが、ミカエルの登場により蟲魔族と妖魔族がまとめられ、天魔大戦では天異界陣営として協力することになっています。

 具体的な強さは分かっていませんが、フェルドウェイに匹敵する強さであろうことは分かるので、魔陣営の中でも頭抜けているギィやミリムとも互角に戦えるのでしょう。12人以上の覚醒資格者を眷属として生成できることから分かる通り、存在値は一千万を優に超えていることが伺えます。ヴェルダナーヴァへの忠誠も高いので、ゼギオンのように究極能力を獲得することは出来るでしょう。ゼギオンがゼラヌスに似ているんでしょうが。

超越之王〈ヘラクレス〉

 ゼギオンが悪魔系の究極能力を獲得したので、ゼラヌスも悪魔系を獲得すると予想する人は多いと思います。しかし、私はレインとミザリーが悪魔系を獲得すると予想しているので、ゼラヌスは別カテゴリーのスキルを獲得するでしょう。

 それを深く考える必要はありませんでした。ゼラヌスは蟲の王様とも言える存在で、それをいずれかの神話になぞれば良いわけです。そうして予想したのが『超越之王ヘラクレス』です。

 ヘラクレスといえば世界最大のカブトムシです。まさに昆虫の王様とも言える存在でしょう。また、ギリシャ神話における半神の英雄であり最高神ゼウスの息子で、ヨーロッパだけではなく世界中に名を馳せている最優の英雄と言えるでしょう。滅界竜から生まれ、星王竜が誕生を祝福したゼラヌスのスキルにはうってつけの名前だと考えました。

 ゼラヌスの能力は分かりませんが、蟲魔族インセクトは半精神生命体のため自在に物質体マテリアルボディになれたり、魔法への耐性を持っていたり、外殻による物理防御の高さもあったりと、変化能力に優れていると考えました。なので、超越之王ヘラクレスを構成する権能は以下を考えました。

  1. 肉体変性
    • 肉体の特性を変化させる権能
  2. 浸蝕同化
    • 接触した対象を吸収する権能
  3. 無限再生
  4. 無限増殖
    • 眷属となる蟲魔族インセクトを生成する権能
  5. 魔王覇気
  6. 多次元結界
  7. 災害統制
    • あらゆる災害を再現する権能

 これはほぼ見たままなので説明は要らないでしょう。8だけ解説するならば、蟲は古来から疫病や災害として例えられてきたので、災害を再現する権能を入れました。代表的なのは「バッタの蝗害」でしょう。

イヴァラージェ

 いったいどこで発生し、どこから来たのかも分からない存在です。理性や知性は無く本能的な破壊に明け暮れる異質な存在で、竜種を凌駕するフェルドウェイですらタイマンで勝てない強さを誇ります。また、漏れ出る魔素からは幻獣族クリプテッドという「劣化版イヴァラージェ」とも呼べる種族が発生し、個だけではなく群としても厄介です。

 今までは知性を持たなかったので明確な意思は持たず、意思によって獲得できるスキルも獲得していませんでした。しかしイヴァラージェには悪意が芽生え、明確な破壊の意思を獲得しました。さらに”邪神への進化ハロウィンカーニバル“が始まり、異界から物質世界へと侵攻しようと考えています。

 これならば究極能力を獲得する土壌は整っていると考えてもいいでしょう。

悪徳之王〈アンラ・マンユ〉

 イヴァラージェに映し出されたのは「憎悪」で、悪徳の化身へと進化を開始しました。こうなれば獲得するスキルの名はたった一つ、「アンラ・マンユ」でしょう。

 アンラ・マンユはWeb版にてユウキに宿る”悪徳の意志アンラ・マンユ“とされており、その後は「ヴェルダ」と名乗りラスボス候補となっていました。ですが文庫版ではユウキの中に『強欲之王マモン』の意志が宿るも、その意志はミカエルに支配されユウキから排除された可能性が高くなっています。この意志がその後どうなったかは描かれていませんが、イヴァラージェが”悪徳の化身”と描写された以上「アンラ・マンユ」はイヴァラージェに与えられるのでしょう。

 なので獲得する究極能力は『悪徳之王アンラ・マンユ』です。構成する権能は以下を考えました。

  1. 夢幻氾濫
    • 眷属となる幻獣族クリプテッドを生成する権能
  2. 悪意蒐集
    • 世界に蔓延る悪意をエネルギー源として回収する権能
  3. 執着対象
    • 狙った者を逃さない為の標準を補正する空間系の権能
  4. 時空破壊
    • 世界を破壊する権能
  5. 破滅浸蝕
    • 破壊を周囲に伝播させる権能

 1は”無限”を幻獣族クリプテッドに合っている”夢幻”へと言い換えた、自身の手足となる幻獣族クリプテッドを自発的に発生させる権能です。

 2は悪意の”回収”なので、「蒐集するほど世界からは悪意が無くなっていくけどイヴァラージェは強くなる」、という平和的なのか破滅的なのか分からない権能です。

 3は「憎悪とは執着」なので、狙ったものは逃がさない権能を考えました。『混沌之王ナイアルラトホテップ』の「標準補正」と、グレンダの扱っていた『狙撃者ネラウモノ』の「空間連結」の掛け合わせを想像しています。

 4は”滅界竜”なので「時空を破壊する」的な権能を考えた結果です。

 5は「悪意とは振り撒かれるもの」なので入れた権能です。

 これぞラスボスの持つ力、といった権能を考えました。


 以上が、文庫版20巻以降で究極能力アルティメットスキルを獲得するキャラクターの予想および獲得するスキルの予想でした。獲得できるキャラクターはともかく、候補を本命の1つに絞った「スキルの予想」は色々と異論はあると思います。私自身も、何度見返しても思うので歓迎します。既刊18巻の時の予想から変わっている場合もありますし。

 特にミザリーは難解でした。変な前提を作ったせいで回り道になるし、結局堕天使じゃないし。ここだけは全く自信がありません。ですがそれ以外はけっこう良い線行っていると思います。ラプラスは他にも、Web版でガビルに贈与された『御調子者ピエロスター』を再利用して『道化之王ピエロスター』も良いかと思ったんですが、「ブラフマンハッタリ男」が強すぎました。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 間違いやご指摘などあれば気軽にコメントしてください 


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