【転生したらスライムだった件】の作中において、スキルとは「力の大部分を保障するもの」であり、強くなるほど戦闘以外でも重要になります。
今回はその「スキル」を解説していきます。そのため、小説16巻までに登場する一部スキル保有者のネタバレが存在しますので、ご注意ください。
最後まで読んでいただければ幸いです。
スキルとは?
「転生したらスライムだった件」の作中においてスキルとは、‟世界の言葉”から授けられる能力スキルです。修練を繰り返したり、偉大な功績を残すことで『世界』にそのスキルを持つのに相応しいと認められた証のようなものです。
そのため、スキルを獲得するには前提に「スキルへの適性」を有している必要があります。なので、「与えられた力」というよりも「相応しい称号」という風に認識した方が良いかもしれません。
スキルの本質は「世界の法則へ干渉するための力」です。もともとは世界の創造主が保有していた力がスキルの全てでした。しかし、世界が安定した後に大半のスキルを開放することで、スキルは輪廻の輪に取り込まれ、資格ある者に宿るようになりました。
ここで言う資格が、先述の「スキルへの適性」ですね。
またヴェルダナーヴァが「全」を放棄して世界、管理者および配下を創造した結果、反作用として対となる存在が発生しました。それはスキルも同様で、純粋な魂のエネルギーを糧として世界を管理するために創造した天使系の権能に対し、悪魔系の権能が発生したのです。対となるスキルは本家と同等の性能を発揮することが出来ます。
余談ですが、魔素に願い意志を込めることで法則に干渉することは出来、ヴェルダナーヴァが管理者権限を与えた者はそれを常時可能にしています。
以上よりスキルとは、意志ある肉体に宿ることで宿主のエネルギーを糧に稼働し、世界の法則を限定的に書き換えるものです。その干渉力が高いほど強い能力とされ、原点であるヴェルダナーヴァの保有していた数多のスキルに近づきます。
スキルの段階は以下のようになります。
スキルの段階
スキルは大雑把に4つの段階で区別できます。ここに入らない例外としてラミリスの迷宮創造がありますが、この権能は世界の法則の一部そのものであり、「次元の隔離」と「世界の形成」を司っていると考えられます。
スキル
日々の鍛錬や発想のような「何気ない行動」により発現する能力です。腕力を鍛えることによる『剛力』、脚力を鍛えることによる『俊足』、反作用により推力を得る『推進』あるいは暑さへの耐性である『熱耐性』などなど、分かりやすいシンプルな能力が発現します。
そのため、劇的な変化はありません。
エクストラスキル
スキルは基本的に”宿る物”なので、使いこなしたり組み合わせたりすることで能力スキルが『エクストラスキル』に強化されます。
肉体全体の鍛錬による『身体強化』、水の推力操作を使いこなすことによる『水操作』、炎耐性と熱耐性を獲得したことによる『炎熱耐性』などがあります。
また、魔法的な要素もこの枠組みとなり、魔素を感じ取る『魔力感知』あるいは思考を加速する『思考加速』などもあります。
エクストラスキルから上の能力はピンキリであり、使いようによっては格上の能力保持者にも通用することがあります。つまり、これより上は使う者のセンスが問われるということです。
ユニークスキル
エクストラスキル以下とは違って、感情あるいは願望によって獲得します。そのため、権能は発現者に依存した能力になります。また、権能の似通ったあるいは名前が同じユニークスキルでも、必ず細部に性能の違いがあり全く同じユニークスキルは存在しない、とされています。
ユニークスキルの獲得には後述するように、相応のエネルギーが必要なので、ただ単に願うだけでは手に入りません。
そのため、ユニークスキルを獲得した者は「一般人に英雄と称される実力」を持っています。しかし、ユニークスキルの獲得には抜け道があり、界渡りあるいは強奪などによる獲得もあるので、同じ枠内でも下と上ではエクストラスキル同士以上の差が存在します。
ユニークスキルは感情や願望のような精神あるいは衝動に依存している関係上、行使する者の意志の強さが権能の出力に反映されます。そのため、獲得の由来が魂の本質に近づくほど強い能力スキルになります。
究極能力〈アルティメットスキル〉
大きな感情の揺らぎや確固たる意志が、自己の保持するエネルギーを消費し新たな結晶を形成することで獲得するのが究極能力です。ユニークスキル以下とは違い、「世界の法則に直接干渉する権限」だったり、「世界の法則の一部」だったりするので、究極能力保有者は世界の法則を知覚します。そのため、性能の下位互換にあたるユニークスキル以下を無条件で無効化します。
また、究極能力は自力獲得した場合魂に刻まれるため、奪ったり模倣したりするのは不可能とされています。
究極能力への有効的な対策はこちらも究極能力を行使することです。究極にも届きうる意志を持っていれば究極能力にも抗えますが、それほどの意志がある者は究極能力を獲得する資格を得ていることが多いので、究極能力獲得を目指した方が有意義です。
スキルの分類
スキルは以下のように分けられます。
まず、獲得経緯から「魂由来」か「肉体由来」のどちらかに分類出来ます。衝動や意志による場合は魂に由来するスキルとなり、鍛錬や代謝による場合は肉体に由来するスキルとなるわけです。
さらにそこから獲得形態として、刻まれる場合と宿す場合に分けられます。宿す場合は、自己の一部になっていないので奪われる可能性がありますが、刻まれる場合は自己と完全に同化しているので分離は不可能です。
例えば…
- 坂口日向ヒナタ・サカグチは数学者というスキルを保有していました。このスキルは魂に刻まれていたため、スキルが魂を記録・保存しています。さらに演算系スキルであったため、ヒナタの魂が崩壊してもスキルから魂を復元/蘇生することが可能です。不可能ではないとも言いますが…。
- 魔法は意志を伝達する粒子である「魔素」、意志を発生させる「エネルギー」および世界に干渉する「内容」の三つの要素が必要になりますが、内容がスキルと同様の分類になります。詳しい形態は、継承により獲得可能な「魂に宿るスキル」でしょう。継承可能で取得が容易な分、魂への癒着が弱く発動のたびに術式を起動する必要があります。とはいっても、宿るか刻まれるかは術者次第な気がします。ガドラやラーゼンは肉体を転生させても変わらず魔法を使えるようですから。
- 魔物の種族固有スキルは肉体に刻まれるタイプとされています。そのため、遺伝で同一の能力が発現します。豚頭帝の飢餓者が肉体に刻まれたタイプのスキルで、何代挟んでも肉体にスキルが刻まれているため隔世遺伝のように獲得することが出来ます。
スキルは肉体よりも魂の方が、宿すよりも刻まれる方が強くなります。
また、スキルの根ざす先は物質体、星幽体、精神体あるいは魂の四通りがあります。原点のスキルは魂のエネルギーを糧にしているので、魂に近づくほどより強い能力になります。
スキルの獲得
前述したように、スキルは修練や功績により”相応しい証”と言う形で‟世界の言葉”から授けられます。
具体的な方法として、エクストラスキル以下とユニークスキル以上で大きな違いがあります。
スキルおよびエクストラスキル
これらは基本的に、修練や学習により獲得することが出来る能力です。そのためエクストラスキルまでなら誰でも獲得できます。だからこそ一般的に、ユニークスキルは英雄のみが獲得するとされています。
修練や学習による獲得なので、主に肉体や臓器を強化する能力が大半です。稀に思考加速のような星幽体に宿る物がありますが、あくまで例外と言えるでしょう。
ユニークスキル
ユニークスキル以上は、個人の「強い感情」や「激しい衝動」により獲得します。そのため、能力は固有の権能となり、どれだけ似通った能力でもどこかに差異が存在します。
また、意志だけで獲得できるものではなく、権能を形成・許容できるほどの存在値が必要になります。存在値とは保有するエネルギーや身体能力などを数値化した総和でありその人物の容量です。それを上げるには、様々な試練や条件をクリアしていく必要があります。
つまり、意志の強さは”適正”であって、才能とは存在値を指します。
才能の例として、種族が挙げられるでしょう。
例えば
火の妖精族は下記のように最下位のゴブリンからオニへと進化していきます。そうやって次々に位階を上げていくことで存在値は上昇します。ベニマルの場合、鬼人に進化した段階でユニークスキル『大元帥』を獲得しています。
Eランク | Dランク | B+ランク | A+ランク | Sランク |
小鬼族 | 人鬼族 | 大鬼族 | 鬼人 | 妖鬼 |
→→→右へ行くほど進化→→→
もちろん、存在値が上昇したからといって全ての個体が進化出来るわけではありません。ゴブタなんかはハザードクラスになっても人鬼族のままです。これはリムル様の『食物連鎖』やヴェルドラの『暴風の加護』による「才能限界の引き延ばし」による成長だからかもしれません。
つまり、外的要因により存在値は上がりますが、それでは進化しないということです。
ちなみに、自由組合の統計上異世界人は9割以上の確率でユニークスキルを獲得しているそうです。これは界渡異世界転生の仕組みによるものです。
転生、つまり界次元世界を超えるために”次元の狭間”と呼べる混沌世界で一度肉体を再構築して、基軸世界に発生します。混沌世界は大量のエネルギーに満ちているので、その大量のエネルギーを肉体再構築の際に取り込みます。
![](http://ykkapjett.conohawing.com/wp-content/uploads/2022/04/image-13.png)
取り込んだエネルギーは異世界人たちに対して大きな影響を及ぼします。その結果、大半は界渡前後の望みに応じてユニークスキル獲得するようです。
究極能力〈アルティメットスキル〉
獲得条件はユニークスキルと同様で、大きな存在値と強い感情や激しい衝動が必要になります。しかし、ユニークスキルと究極能力ではそれらの規模が違います。
究極への条件:存在値
存在値〔EXISTENCE・POINT〕とは、魔素エネルギー量および身体能力などを数値化し、装備する武具が含有するエネルギー量を合算したものです。以下のようにある程度の強さの指標されています。
究極能力の獲得には覚醒していることが前提となります。人間ならば聖人、魔物ならば真なる魔王が覚醒者に当たります。つまり、自力獲得にはEP:100万以上が必要なのです。
例外として、究極付与あるいは究極贈与のように与えられた場合は、特S級あたりでも保有可能なようです。と言ってもそれらは、劣化した権能や限定された権能だったりするので、自力獲得した権能には及ばないようです。
マサユキはよく分かりません…。ルドラの転生体だからなんでもありかな。
究極への条件:意志
究極能力の場合も強い感情や激しい衝動が必要ですが、ユニークスキルの時のように漠然とした願望では獲得できません。自力獲得には「確固たる意志」が必要です。決死の覚悟と言ってもいいでしょう。
- リムルの場合は敵を喰らい尽くし、死者蘇生を成功させるため。(暴食之王、智慧之王)
- ルミナスの場合はヒナタとクロエ最愛の二人を救うため。(色欲之王)
- グランベルの場合は絶望的な世界に立ち向かうため。(希望之王)
- ミリムの場合は親友を奪った世界に怒りをぶつけるため。(憤怒之王)
- ルドラの場合は世界を統一し平和を実現するため。(誓約之王)
- ギィの場合はヴェルダナーヴァと対等であるため。(傲慢之王)
また、究極に届きうる意志をより具体的に世界へと反映させるのが究極の権能ですから、望む未来に至る「手段」を明確にイメージすることも重要です。個人的にヒナタやガゼルが足りないのはここだと考えます。
つまり、格・意志・具体性の三つが高いほど究極能力の獲得が容易になります。
以上がスキルの全体像になります。もちろん例外は存在するようなので全てを載せられた訳ではないですが、だいたい合っているはずです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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