【転生したらスライムだった件】では作品固有の超常要素として「スキル」が存在します。スキルの起源は、世界の創造主が「世界を効率良く運営するためのシステム」として、”世界の法則を覆す能力”である「美徳系究極能力」という7つのスキルを産み出したことがきっかけです。
また、その後には直属の配下として創造した”始原の七天使“に力を与える為に「天使系究極能力」という7つスキルを産み出したようです。天使系究極能力が”始原の七天使“全員へ与えられることはなかったようですが、現在小説第20巻では多くの者が天使系究極能力を獲得しています。
そこで今回は、現在登場している天使系究極能力を解説、考察していきます。
最後までお付き合いいただければ幸いです。
ちなみに、美徳系究極能力の解説と考察も行っているので、そちらにも寄っていただければ幸いです。
天使系七種
まず、天使系究極能力はその経緯から「7つ存在する」とされていますが、結局は始原へと送られなかったため本当に7つ存在するのかは分かりません。そこで、18巻までで作中に登場した7つの天使系究極能力を基本の〔天使系七種〕として扱います。
支配之王〈メルキセデク〉
元魔王”呪術王“カザリームの転生体である人造人間のカガリが、妖天へと進化した際にミカエルから究極付与『代行権利』を与えられたことで登場したスキルが究極付与『支配之王』です。究極能力『正義之王』の権能の内「支配」に属する権能を纏められたのが支配之王で、代行権利が天使系のスキル扱いであるために最適化された支配之王もまた天使系の一種となります。
スキルの名を冠する〈メルキセデク〉は旧約聖書にて”エルサレムの王”とされていますが、今回は天使の名に当るので偽典とされる『第二エノク書』に載る力天使メルキセデクを指すと考えられます。力天使メルキセデクは「平和と正義を司る」とされ、”平和を司る天使たちの統率者”とされているようです。
権能
前述の通り、正義之王の「支配」に属する権能に最適化された代行権利が支配之王です。作中でも「あらゆる権能を瞬時に分析し、支配下に置ける」とされているので、支配系のスキルとなるでしょう。また、最適化されたスキルなので汎用系の権能はあっても強力ではないと考えられます。
「権能を分析し、支配~」というニュアンスから、スキルと魂の関係を利用した支配だと考えられます。
ここで言うスキルと魂の関係とは”スキルの在り方”の話で、スキルには「魂に刻まれて存在するスキル」と「肉体に刻まれて存在するスキル」に大別できます。その内の前者は意思の力の影響をもろに受けるので、前者の方が強力なスキルになるとされています。ちなみに、究極能力は総じて魂に刻まれたスキルとなります。
この関係を利用すれば、「スキルを支配することでスキルと直接繋がっている魂も支配する」ということが可能です。この理論の究極系が正義之王の「天使長の支配」となり、支配之王にも下位互換とでも呼べるような権能があるのでしょう。
個人的な予想では「ユニークスキル以下を対象にした権能支配」です。さすがの天使系といえど、究極付与では究極能力を支配下に置くことは難しいでしょう。あっても「王権発動」のような「自身よりも低い存在値の者のみ支配可能」といった縛りはあるはずです。
ちなみに、構成する権能は以下を考えました。
- 思考加速
- 解析鑑定
- 森羅万象
- 並列演算
- 和平要請(能力支配)
支配、演算・解析系の権能で纏めました。”瞬時に分析する”という点から「思考加速/解析鑑定/森羅万象」、”あらゆる”という表現から複数の演算処理を可能にする「並列演算」です。そして、”平和を司る天使たちの統率者”の持つ支配の権能なので、支配系の権能を「和平要請」としました。
「支配で無理やり平和を創り出す」という構図から思いつきましたが、他に良いネーミングがあればぜひコメントで教えてください。
断罪之王〈サンダルフォン〉
元帝国軍人の異世界人である近藤達也中尉が獲得していたために、近藤中尉とともに登場したスキルが究極能力『断罪之王』です。近藤中尉は情報部の人間であり”情報に巣くう怪人”という呼び名がありますが、そのおどろおどろしさを象徴するかのような慈悲も容赦も無い権能となっています。
スキルの名を冠する〈サンダルフォン〉は、ユダヤ教の大天使でありメタトロンの双子の兄弟とされています。そのためメタトロンの代わりに七大天使に数えられることもあるようです。音楽で人々を癒し天啓を与えるとされ、同時に罪を犯した天使たちを永遠に閉じ込めておく”幽閉所の支配者”でもあるとされています。
権能
断罪之王は、人々に癒しを与える側面ではなく幽閉所の支配者としての側面を反映させたスキルとなっています。ちなみに、作中で披露された権能は以下です。
- 破界弾…防御結界を破壊する権能
- 解呪弾…魔法効果を打ち消す権能
- 呪壊弾…魔力回路を破壊する権能
- 消滅弾…高密度の魔力弾を打ち出し、調整によって対象のエネルギーを消耗させる権能
- 神滅弾…1~4の全てを統合した権能(日に一回のみ発動可能)
主に権能を弾に込めていたために”~弾”となっていますが、剣に同じものを込めることも出来るようです。また、断罪之王は悪魔系究極能力『死滅之王』へと統合されましたが上記の権能が表記されていなかったので、上記の権能は近藤中尉が権能から編み上げた技術である可能性があります。
おそらくは弱体付与系の権能が存在し、そこから様々な単性弱体付与能力を引き出したのだと考えます。
そこで、個人的に考えた断罪之王の権能が以下の構成となります。
- 思考加速
- 万能感知
- 万能結界
- 英雄覇気
- 執行権利
- 破界
- 解呪
- 呪壊
- 消滅
1~3が標準装備の権能で、4が覇気系、5が本命である弱体系の権能となっています。「執行権利」は「様々な弱体効果を発揮する権能」を考えていて、4つの技術もこれを基にしていると考えています。ちなみに、名前は”断罪者”よりも”執行者”の方が合っていると考えたからです。
また、近藤中尉は作中においてユニークスキル『解読者』を用いて解析行為をしていた為、断罪之王には解析系の権能は無いと考えました。
審判之王〈イスラフィール〉
始原の七天使の内の1人であり、妖魔族軍における対蟲魔族の指揮を担っていたザラリオが妖死族の肉体を器にして受肉した際に獲得し、登場したスキルが究極能力『審判之王』です。
ザラリオは、元から始原としての管理者権限を用いれば超常を発揮できるのに加え、作中最高クラスの強さを持っていました。そのため究極能力の獲得に関しても消極的で、天使系スキルに存在する「正義之王への絶対的不利要因」を危険視していることから、究極能力の獲得は計算外だったようです。それでも獲得してしまった理由は「力が高まったせい」とされ詳細は不明ですが、おそらくは受肉で自身の存在が確固たる物となったことに付随して自身の”意志の力”も確固たる形状を持ってしまったのでしょう。
スキルの名を冠する〈イスラフィール〉は、イスラムにおける”ラファエル”の別名でありイスラム教における四大天使とされています。音楽を司る天使とされ、”最後の審判”にてラッパを吹く役目を持っているようです。
権能
ラファエルの別名を冠していますが、権能は『誓約之王』の下位互換とされています。
誓約之王は美徳系究極能力の内の1つであり、結界系の最上位の権能を構成しています。何に限らず”管理”に用いる為の権能で、世界基準で見ると「スキルや魂等を把握し整理するための権能」だったようです。
作中では、審判之王の権能は「影響下にある空間内に存在する”情報子”、”星粒子”以外の全ての物質や波長の”流れ”を操作できる」とされています。(実用には智慧之王級の演算補助が必須とはいえ)誓約之王には”情報子”や”星粒子”への干渉権限があるので、「審判之王は誓約之王の下位互換」なのでしょう。
そのため、審判之王の権能の構成は以下だと考えられます。誓約之王の権能をモデルとしました。
- 思考加速
- 万能感知
- 万能結界
- 法則操作
- 空間支配
誓約之王の権能は「無限牢獄/法則操作/万能結界/空間支配」なので、リムルが個人的にヴェルドラ経由で獲得したであろう「無限牢獄」を抜くと、残りは「法則操作/万能結界/空間支配」となります。そこに、汎用型の権能である「思考加速/万能感知」を加えました。「法則操作」は、前述したように誓約之王の「法則操作」の下位互換だと考えています。
救済之王〈アズラエル〉
始原の七天使の内の1人であり、妖魔族軍における対幻獣族の指揮を担っていたオベーラが妖死族の肉体を器にして受肉した際に獲得し、登場したスキルが究極能力『救済之王』です。ザラリオと同じ様に天使系スキルへの危機感から究極能力は無用の長物でしたが、受肉で勝手に獲得してしまいました。
さらに、ただ「天使長の支配」を危険視していただけのザラリオとは違って、オベーラは裏切る予定があったため天使系スキルは自身の進退を脅かす脅威でした。そのため、救済之王はその力を発揮する間も無く速攻で廃棄されました。一度正義之王保有者の認識下に置かれた”天使系スキルの情報“は正義之王保有者の管理下に置かている可能性が高いので、おそらくは廃棄後もミカエルが保有していると考えられます。
スキルの名を冠する〈アズラエル〉は、先述のイスラフィールと同じくイスラム教の四大天使の内1人です。”告死天使”と称される死神であり、「地上に生きる全ての人類の名を示す名簿を持ち、そこから名を消すことで該当者を死に至らしめる」とされています。
権能
前述の通り、救済之王は日の目を浴びることなく廃棄されたため、大雑把にどのような権能なのかも明かされていません。そのため、救済之王の権能は完全に個人的な妄想の産物となります。
救済之王のスキルとしての情報が無いため、名前を参考にします。
アズラエルは前述の通り”告死天使”であり死の管理者です。そのため、”生と死を司る”とされる美徳系究極能力『希望之王』、あるいは「”生と死”の内の”死”に偏っている」とされる悪魔系究極能力『死界之王』に類似していると考えられます。そのため、「生命支配」に類する権能を構成しているでしょう。
ちなみに、救済之王を構成している権能は以下を考えました。希望之王の権能の構成は明かされていませんが、死界之王の権能の構成は明かされているので参考にしています。
- 思考加速
- 万能感知
- 空間支配
- 多重結界
- 生命支配
死界之王の権能は「思考加速/万能感知/魔王覇気/時空間操作/多次元結界/森羅万象/生命支配/死後世界」の8つですが、その内の「魔王覇気/森羅万象/死後世界」は保有者であるテスタロッサが意図的に自身の権能を加えた結果なので、救済之王には森羅万象、覇気系、世界系を加えていません。また、死界之王はシエルにより権能が強化されていると考えられるので、汎用型の権能は下位互換に置き換えています。
他にも「オベーラの性質を反映した結果、対幻獣族用の権能を獲得している」と考えましたが、「スキル自体を必要としていなかったためオベーラオリジナルの変化は加わってない」と考え、権能の追加は辞めました。
ちなみに、追加する場合は「意思統制」や「軍隊指揮」のような指揮系の権能を考えていました。これはオベーラが”軍師”であることもそうですが、「無秩序に暴走する幻獣族を駆逐するには軍団の緻密な連携は必要不可欠」と考えた為です。
至天之王〈アスタルテ〉
始原の七天使の内の1人であり魔王である”眠る支配者“ディーノが、迷宮でお披露目することで登場したスキルが究極能力『至天之王』です。ヴェルダナーヴァより貸し与えられたスキルなので、権能はディーノの気質とは関係の無いものとなっているでしょう。
スキルの名を冠する〈アスタルテ〉は、地中海に縁のある様々な神話にて”豊穣の女神”の系譜を汲む存在です。様々な神話に登場するため類似する様々な呼び名が存在し、〈アスタルテ〉はウガリット神話やカナアン神話を中心に呼称されている名称です。
権能
作中にて使用された権能は「創造進化」のみですが、当然ながら「他にも権能はある」とされています。
まず「創造進化」は、「自身の能力を望む形に進化させる権能」とされています。対価として相応のエネルギーを用いることになり、対象も自身の能力限定ですが、ユニークスキルを究極能力に強制進化させるほどの効果があります。
また、他の権能として考えられるのはアスタルテに存在する”豊穣”以外の面を反映させたものです。アスタルテには”愛”や”多産”、場所によっては”軍神”などの形容があり、前述の「創造進化」が「実りを大きくする”豊穣の権能”」だとすれば、その他の権能はその他の形容を示す権能となるでしょう。
個人的に考えているのは、”多産”を示す「能力を生産する権能」です。ディーノは大罪系ユニークスキル『怠惰者』を保有していましたが、堕天したとはいえ主への信仰を失っていない天使が属性的に対極な大罪系のスキルを獲得しているのは少しだけ違和感がありました。そのため、「創造進化」がスキルを強制進化させるように、”多産”によって適正のあるスキルを強制獲得させることが出来ると考えました。
まあ堕天使は魔王と同一視されていますし、そもそも本人が魔王ですし、本人の気質が合っていたとされればそれまでなので可能性は低いです。それでもレインの方が適正も属性も合致してそうなので違和感は消えませんが…。
以上で権能についてダラダラと述べましたが、簡単に言えば「『豊穣之王』の下位互換なのではないか」と考えています。
ちなみに、個人的に考える権能の構成は以下です。
- 思考加速
- 万能感知
- 多重結界
- 創造進化
- 能力創造
1~3が汎用型の権能で、4が作中に登場した「創造進化」、5が豊穣之王にも組み込まれている「能力創造」です。豊穣之王の「能力創造」は究極能力さえ創造可能ですが、至天之王のものはユニークスキルレベルで考えています。
栄光之王〈ハニエル〉
始原の七天使の内の1人でありディーノと共に人間社会の監視を行っていた堕天使族のピコが保有していて、上司となったミカエルに暴露される形で登場したスキルが究極能力『栄光之王』です。ディーノと同じくヴェルダナーヴァより貸し与えられたスキルなので、権能はピコの気質とは関係無いでしょう。
スキルの名を冠する〈ハニエル〉は、旧約聖書にて語られる”愛と美を支配する天使”であり、名前は”神の栄光”を意味します。”人と神を繋げる”役割を持っていて、人の成長や変化を手助けし”神の叡智”を理解させることで人と神を繋げるため、”神の栄光”を意味するようです。また、他にも女性の体調を整えたり、霊的感覚を与えたりします。
権能
権能は作中にて描写されていないどころか、一切触れられていない為完全に不明です。そのため、救済之王と同様に栄光之王の権能は完全に個人的な妄想の産物となります。
先述の通り、名前の出典元である〈ハニエル〉は「人間に教えを説くことで、神と近づけ繋がりを強固にする役割」を持っています。そのため、成長補助に類する権能があると考えられます。具体的には、存在値100万EP未満である聖人未満の存在を対象にした成長補助です。一定レベル未満に適用できる「獲得経験値増大」バフだと考えてもいいです。
また、ハニエルは他にも女性に対する癒しや感覚器の拡張に類する伝承があるので、(自身含む)女性に対する回復・強化付与系の権能があるとも考えます。ちなみに、性別の無い種族(精神生命体等)への対象判定は肉体の性別に依存する形で考えています。例えば、悪魔族には性別が無いのでギィやディアブロは普段男性型であっても女性型に変化することが可能なので、女性型になった場合のみ能力の対象判定が通るということです。
以上より、まとめて「弱者限定の成長補助や女性限定の強化付与・回復能力がある」と考えています。これならば、始原であるピコの実力が(ブランクがあるとはいえ)低めに描写されている理由が理解できます。戦闘に向いている権能ではないですから。
ザラリオ?異界で何万年も戦争やってきたやつと人間社会を中心とした監視任務で平穏を謳歌していたやつを比べちゃアカンすよ。
ちなみに、予想する権能の構成は以下です。
- 思考加速
- 万能感知
- 多重結界
- 啓示指導
- 女系優遇
1~3が汎用型の権能で、4の「啓示指導」が弱者限定の獲得経験値増大の権能、5の「女系優遇」が女性限定で様々なバフを付与する権能です。
厳格之王〈ジブリール〉
始原の七天使の内の1人でありディーノ・ピコと共に人間社会の監視を行っていた堕天使族のガラシャが保有していて、上司となったミカエルに暴露される形で登場したスキルが究極能力『厳格之王』です。ディーノやピコと同じくヴェルダナーヴァより貸し与えられたスキルなので、権能はガラシャの気質とは関係無いでしょう。
スキルの名を冠する〈ジブリール〉は、イスラム教における四大天使であり〈ガブリエル〉のイスラム表記です。キリスト教とは違って、天使長はミカエルではなくジブリールとのこと。「誠実なる霊」「聖なる霊」とも称されるようです。
権能
先述の栄光之王と同じく、厳格之王の権能は作中にて描写されていないどころか、一切触れられていない為完全に不明です。そのため、またも個人的な妄想の産物となります。
先述の通り、出典元の〈ジブリール〉は〈ガブリエル〉なので、美徳系究極能力『忍耐之王』に類似する権能があると考えられます。忍耐之王の権能は「不測の事態に対処する権能」としか明かされていませんが、Web版では「事象の固定」を行う権能が描写されました。そのため、厳格之王にもそれに類する権能があると考えられます。
個人的には、事象の固定とはいかないまでも「事象の制限」のような権能があると考えています。また、威力が下位互換である代わりに適用範囲が広いとバランスが良いので、思考などの精神活動にも適用できる「精神操作」の権能も考えています。
以上を踏まえて、考えられる権能の構成は以下になります。
- 思考加速
- 万能感知
- 多重結界
- 事象制限
- 思想統制
1~3は汎用型の権能で、4の「事象制限」は事象固定の下位互換の権能、5の「思想統制」は精神活動に制限を掛ける精神操作の権能を考えています。
以上が、〔天使系七種〕の究極能力の解説/考察でした。
天使系亜種
次からは、基本と定めた〔天使系七種〕ではなくそれ以外の天使系究極能力を見ていきます。ちなみに、私はそれらの〔天使系七種〕以外の天使系究極能力を〔天使系亜種〕と呼称していて、主に究極付与『代行権利』関連になります。
また、天使系七種の究極能力から進化したスキルもこの分類に入れています。
刑罰之王〈サンダルフォン〉
ミカエルが近藤中尉から回収していた究極能力『断罪之王』を、フェルドウェイ麾下の妖天となっていたアリオスへ送ったことで登場したスキルが究極付与『刑罰之王』です。アリオスの保有していたユニークスキル『殺人者』を母体とし付与させたため、断罪之王が刑罰之王へと変質したようです。
権能
刑罰之王の権能は、断罪之王とほぼ同様です。断罪之王との相違点は、刑罰之王には『殺人者』に備わっていた「存在隠蔽」という権能が加わっていることと、他者に貸し与えられた究極付与は自力獲得による発現である究極能力よりも格が下がるので、権能は下位互換であるという二点です。
以上を踏まえると、権能の構成は以下だと考えられます。
- 思考加速
- 万能感知
- 万能結界
- 存在隠蔽
- 執行権利
- 破界
- 解呪
- 呪壊
- 消滅
断罪之王で入れていた「英雄覇気」は入れていません。これは単純に、アリオスに「英雄覇気」は荷が重いと思ったからです。断罪之王に近藤中尉の「英雄覇気」が組み込まれていて、そのままアリオスに与えられていた場合は残っていると思います。
武創之王〈マルチブルウェポン〉
フェルドウェイ麾下の妖天となっていたオルリアに、ミカエルが究極付与『代行権利』を付与したことで登場したスキルが究極付与『武創之王』です。アリオスが自身のユニークスキルを母体として最適化したように、オルリアも自身に付与された代行権利を最適化し武創之王を創り上げました。
権能
権能は「あらゆる性能の神話級武器を生み出す」となっています。
生み出す際に魔素を必要としている描写は無いので、対価は不要なのでしょう。また、剣だけではなく槍や斧、鎧まで生み出しているので、”武器”のカテゴリーに入るならば何でも創れるようです。さらに、それらを級位としては最上級の次に位置し、それ単体で存在値100万EP超えとなり究極の権能と張り合える”神話級“として生み出すします。
簡単に言うと「あらゆる”神話級“の武具/鎧を無条件・無制限に生成する」ということです。作中ではオルリアの所属する天陣営自体が少数精鋭で動いていて、軍団に焦点を当てられなかったので「武創之王による神話級武装の大量生成」が可能なのかは不明ですが、それができれば戦況をひっくり返す”戦略級スキル”になるでしょう。なぜなら、武創之王があれば「自軍の標準装備が神話級武装となる」訳ですから。
使いこなせば究極能力とさえ張り合えるようになる神話級武装を、雑兵にまで標準装備させることを可能にするとか強すぎです。なので、生成出来る数には制限があるかもしれません。
ちなみに、個人的に考える権能の構成は以下となります。
- 思考加速
- 多重結界
- 並列思考
- 武装創造
- 能力付与
1,2は汎用型の権能です。3の「並列思考」は、オルリアが「2人の自我が混ざり合ったオルカ=アリア」であるため入れました。4の「武装創造」は前述の権能です。そして最後の「能力付与」は、武器の生成と武器の能力付与は別の権能だと考えた為です。
前述の通り「あらゆる性能の~」とされていますが、作中で武創之王で創られた武器は特殊な能力がある描写はありませんでした。神話級ほどの容量がありながら能力が付与出来ないというのはありえないので、おそらくは能力を付与出来ていないのでしょう。ヴェガのように、「得たばかりのスキルを使いこなせない」というのは珍しくはないでしょう。
地形之王〈ワールドマップ〉
フェルドウェイ麾下の妖天となっていた古城舞依に、ミカエルが究極付与『代行権利』を付与したことで登場したスキルが究極付与『地形之王』です。アリオスと同じ様に、代行権利により自身のユニークスキル『旅行者』を進化させています。
権能
まず、『旅行者』の権能は「瞬間移動」で「一度訪れたことがある場所へ瞬間移動する」という能力でした。「空間支配」等の権能でも瞬間移動は可能ですが、それらとは違って「空間の固定」や「現在地と移動先の空間を繋げる」といった準備工程がありません。リアルタイムでの空間への干渉が無い為、事前に気付くことは不可能で、さらに結界などの防御も全てすり抜けられるのが強みです。
それが究極の権能へと昇華されたことで「世界のあらゆる場所を把握し、瞬間移動する」という能力となっています。「一度訪れる」という制限が外れ、移動先の範囲も基軸世界全体へと拡張され、その範囲の情報収集が可能となりました。つまり、「世界のどこであろうと知覚することが可能となり、知覚した場所へ瞬間移動できる」ようになったわけです。移動系の能力としては最強格ですね。
さらに、瞬間移動の対象は自分だけではなく、作中では軍団の移動なども行っていました。ここまで来たら反則級です。
そのため、マイは自身の所属する天陣営における強力な運搬要員となっています。マイがいなければ少数精鋭を活かした奇襲作戦の連続など不可能でしょう。まさに扇の要です。
ちなみに、個人的な権能の構成予想は以下になります。
- 思考加速
- 万能感知
- 解析鑑定
- 森羅万象
- 天の瞳
- 瞬間移動
1~4が汎用型の権能で、解析系を多く入れています。5の「天の瞳」が「世界の全範囲を知覚する」権能で、名称は『月影之王』の「月の瞳」を参考にしました。ちなみに、「月の瞳」は影を操り、範囲内の情報を収集する権能です。そして最後が「瞬間移動」です。
審罰之王〈メーティス〉
『審判之王』を獲得した影響でフェルドウェイの支配に甘んじていたザラリオが、支配から脱して”世界を護る”ために動いた結果登場したスキルが究極能力『審罰之王』です。審判之王に存在する「天使長の支配」用の支配経路をシエルが削除し、その分の空白を含むスキル全体を能力改変することで審罰之王へと進化しました。
スキルの名を冠する〈メーティス〉は、ギリシャ神話の女神であり主神ゼウスの最初の妻とされています。また、名前は”知恵”を意味し、「”叡智”や”思慮”、”助言”を意味する知性の神である」とされています。
権能
改造元であった審判之王は、先述の通り「誓約之王の下位互換」とされていました。しかし、改造後の審罰之王は「戦闘特化の最強の一角」とまで称されるスキルとなっています。
権能は「対象空間内に存在する”情報子”、”星粒子”以外の全ての物質や波長を操作できる」という能力で、審判之王では無かった物質や波長そのものの操作が可能となっていました。誓約之王のような”情報子”や”星粒子”への干渉権限はありませんが、あくまで”空間管理”に特化した誓約之王とは違って”空間の変質”も行えるので、より攻撃的で応用幅も広いのでしょう。
ちなみに、個人的な権能の構成予想は以下になります。
- 思考加速
- 万能感知
- 多次元結界
- 森羅万象
- 神聖覇気
- 法則支配
- 時空間操作
参考に誓約之王を用いました。誓約之王の権能は「無限牢獄/法則操作/万能結界/空間支配」です。
そこから、リムルが個人的にヴェルドラ経由で獲得した「無限牢獄」を抜いて、その他を強化させました。また、それ以外にも「思考加速/万能感知/森羅万象/神聖覇気」といった汎用的な権能を加えています。
以上が〔天使系亜種〕の紹介でした。
まとめ
今までの解説をまとめると以下のようになります。
天使系七種
- 支配之王
- 権能の支配を行うスキル
- 「天使長の支配」および「王権発動」の下位互換の可能性
- 権能の支配を行うスキル
- 断罪之王
- 手段を剥奪する弱体系のスキル
- 審判之王
- 空間管理に特化した結界系スキル
- 誓約之王の下位互換
- 空間管理に特化した結界系スキル
- 救済之王
- 「生命支配」に類する権能が存在する可能性大
- 指揮系の権能も存在する可能性あり
- 至天之王
- 「能力の進化」を行う強化系のスキル
- 「能力の創造」も行える可能性あり
- 豊穣之王の下位互換
- 「能力の進化」を行う強化系のスキル
- 栄光之王
- 成長補助を行う強化系の権能の可能性あり
- 女性限定の強化・回復を行う権能の可能性あり
- 厳格之王
- “制限”を行う権能の可能性あり
- 忍耐之王の下位互換である可能性あり
天使系亜種
- 刑罰之王
- 断罪之王の下位互換
- 武創之王
- 神話級武装を生成するスキル
- 地形之王
- 単位世界内の感知と情報収集を行う演算系スキル
- 範囲内は瞬間移動で自由になんでも移動させられる
- 審罰之王
- 空間掌握を行う結界系のスキル
以上で今回の記事は終わりです。半分近く詳細の無いスキルが存在するので、妄想が多くなってしまいました。あと、汎用型の権能として出している「思考加速/万能感知/結界系/覇気系」は究極能力とは別に個人で保有するエクストラスキルである場合もあるので不安です。シエル関連は権能を一纏めする傾向があるのですが、如何せんそれ以外の例が少ないので…。
いずれ設定集などで答え合わせができると良いんですが…。まあ、それは終わってからの楽しみですね。
誤字脱字等の訂正点、ご意見等ありましたらコメントでご指摘お願いします。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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