【転生したらスライムだった件】文庫版小説第20巻では三つの究極能力が新登場しました。今回はそちらの紹介、解説/考察を行なっていきます。また、以下の記事で究極能力の獲得予想を行っているので、そちらも読んでいただければ幸いです。
20巻で登場した究極能力
上記の記事では「20巻以降で究極能力を獲得しそうな10人のキャラ」を挙げ、獲得する権能とともに解説していましたが、挙げた中に20巻で究極能力を獲得したキャラはいませんでした…。しかし、肩を落としはしません。なぜならば、まだあと2巻以上はあるからです。
19巻で天魔大戦は本格化しましたが激動の芽はまだまだ存在し、戦争がさらに激化し窮地に陥れば本命視しているキャラも究極能力を獲得することになるでしょう。
気を取り直して20巻で登場した究極能力に触れていきますが、三つの内1つは「完結後に究極能力を獲得出来そうなキャラ」として挙げたキャラが獲得した究極能力でした。まさか本編で獲得するとは…。しかも予想したスキル名と全然違う…。
光輝之王〈スーリヤ〉
「黄金郷エルドラド」の国王であり八星魔王の一角、レオン・クロムウェルが獲得することで登場した究極能力が『光輝之王』です。レオンは元々、美徳系究極能力の『純潔之王』を獲得していたので、それを神智核シエルが「能力改変」で進化させて獲得しました。
Web版では獲得していなかったので「完結後に究極能力を獲得出来そうなキャラ」として予想していましたが、Web版とは違い文庫版では「天使長の支配」を受けているので、その辺りの違いを考慮していれば予想できた展開でした。
また、私は「究極能力の進化系はクトゥルフ神話の神の名を冠する」と予想しており、さらにレオンが純潔之王を進化させるときはクロエ=オベールへの想いを爆発させる時だと考えていたので、獲得する究極能力の名は『純真之王』を考えていました。しかし、前者の法則を外し、さらにシチュエーションも外したので、全く別の神の名を冠するスキルとなっていました。
ちなみに、〈スーリヤ〉はインド神話における主神〈インドラ〉の兄弟であり、”太陽神”とされています。作中では、レオンの師匠であるシルビアが『雷霆之王』を獲得していたので予想することは出来たでしょう。スーリヤの名を冠するスキルが出てくることは、こちらで予想出来ていただけに悔しい。
権能
光輝之王の権能の詳細は明かされていませんが、特に解説されていないということは純潔之王の上位互換のような権能で、効果はほぼ同じなのでしょう。そのため、光輝之王の権能は「霊子支配」に類する権能があるはずです。
個人的には、作中序盤で登場したエクストラスキル『分子支配』の最上位互換の権能であると考えているので、「粒子支配」であると考えています。その中でレオンは、最も馴染み深く攻撃に応用しやすい「霊子の操作」を得意としているのだと考えられます。
ちなみに、以前行っていた「純潔之王の進化系究極能力の権能」の個人的な予想が以下です。
- 思考加速
- 万能感知
- 多次元結界
- 解析鑑定
- 森羅万象
- 粒子支配
- 聖魔覇気
- 限界突破
標準装備の演算・解析系と結界系、坂口日向の保有している「神聖覇気」と魔王が有する「魔王覇気」を組み合わせた覇気系、象徴となる「粒子支配」、想いが強いイメージから「限界突破」を構成していると予想しています。
スキル名は外しているものの、進化元は同じなので権能の構成は変えなくてもいいと考えました。
風天之王〈ヴァーユ〉
「魔導王朝サリオン」の君主であるエルメシア・エル・リュ・サリオンが保有している究極能力『風天之王』が登場しました。エルメシアは母が神祖の高弟、父が元勇者と血筋的に最高格なので究極能力を獲得しているのは当たり前のように思えますが、今まで戦闘描写は無く、サリオン自体に焦点が当たることも少なかったので20巻でスキルの初登場となりました。
スキルの名を冠する〈ヴァーユ〉は、インド神話における風を司る軍神とされています。「天・空・地」の内、同じく天空の神であるインドラと共に空を統括しているようで、元々は太陽神スーリヤ、火の神アグニと共に”三大神”とされていたようです。
権能
天空神の名を冠しているように「天候系最上位のスキル」とされているので、権能は「天候支配」のだと考えられます。元ネタは「インドラとヴァーユは共に空を支配している」と言った感じなので、それを反映してか雷霆之王とは類似点が多いようです。
しかし、「全く同じ権能は無い」という設定があるので相違点はあるのでしょう。比較に使っている雷霆之王が詳細を明かされていないスキルなので相違点を探すのは難しいですが、雷霆之王は”雷”が特出していて、風天之王は”風”が特出していると考えられます。
そうならば”暴風”繋がりでリムルと仲が良いのも頷けます。
ちなみに、個人的に予想している権能の構成は以下です。
- 思考加速
- 万能感知
- 英雄覇気
- 空間支配
- 森羅万象
- 多重結界
- 天候支配
明かされている性質から『星風之王』と同様の構成だと考えました。そのため、「魔王覇気」を3の「英雄覇気」にしたことと5の「森羅万象」を追加したこと以外は全て同じです。
審罰之王〈メーティス〉
”原初の悪魔”の対となる”始原の七天使”の内1人であるザラリオが獲得することで登場した究極能力が『審罰之王』です。ザラリオは、元々天使系究極能力『審判之王』を獲得していたので、レオンと同じくシエルが改造して審罰之王へ進化させることで獲得しました。
スキルの名を冠する〈メーティス〉は、ギリシャ神話の女神であり主神ゼウスの最初の妻とされています。また、名前は「知恵」を意味し、「「叡智」や「思慮」及び「助言」を意味する知性の神である」とされています。
権能
まず、進化前である審判之王は「『誓約之王』の下位互換スキル」とされていて、「影響下にある空間内に存在する”情報子”、”星粒子”以外の全ての物質や波長の”流れ”を操作できる」という空間管理用の権能が特徴とされています。あくまで「流れ」を操作するだけなので、ザラリオほどの実力者からすれば「空間管理にしか応用できないのに正義之王保有者に絶対的なディスアドバンテージを背負っている」という最悪な状態でした。
そのためザラリオからすれば産廃スキルとなっていたようですが、元々誓約之王が美徳系であり究極能力の中でも最上位の権能であったから下位互換とされていただけで、天使系は究極能力の中でも上位の権能なので強力なことは確実です。
そして、進化した審罰之王は「対象空間内に存在する”情報子”、”星粒子”以外の全ての物質や波長を操作できる」という権能になっています。「流れ」だけではなく「物質や波長そのもの」も操作できるようになっているので、対応幅が格段に上がったようです。
そのため、結界系のスキルの中でも超攻撃的で強力なスキルとされています。
ちなみに、個人的に予想している権能の構成は以下です。誓約之王をモデルとして足し引きしました。
- 思考加速
- 万能感知
- 多次元結界
- 森羅万象
- 神聖覇気
- 法則支配
- 時空間操作
誓約之王の権能は「無限牢獄/法則操作/万能結界/空間支配」の4つです。そこからリムルが個人的にヴェルドラ経由で獲得したであろう「無限牢獄」を抜いて、その他を強化させました。また、それ以外にも汎用的な権能を加えています。
以上が20巻で登場した究極能力の紹介になります。
その他
また、「究極の権能」を持つスキルは上記の3つ以外にも新登場しました。それが「究極授与」です。
究極授与は「究極付与」や「究極贈与」と同様のスキルで、「他者に与えられた究極の権能を発揮できるスキル」です。3つの明確な違いは分かりませんが、個人的には「一方的な契約の押し付け」である究極付与、「”可能性“の顕在化」である究極贈与、「利害の一致による契約」である究極授与という認識をしています。
もちろん、ただ単に2者の関係性を表しているだけの可能性は高いです。
楽天奏者〈オルフェウス〉
神楽坂優樹の配下であった”中庸道化連”の道化の内1人、”涙目の道化“ティアに与えられたことで登場したスキルが『楽天奏者』です。もう1人の道化、”喜狂の道化“クレイマンのスキルであった『操演者』と自身の『楽天家』が、シエルによって統合されることで獲得しました。
スキルの名を冠する〈オルフェウス〉は、ギリシャ神話の吟遊詩人です。非生物さえ聞く耳を立てるほどの堅琴の腕を持ち、死後は琴座として祀られています。
権能
まず、基となっている『楽天家』の権能は「特定条件下で身体能力を三倍にする」とされています。また、素材となった『操演者』の権能は「呪印による強制支配」です。そのため、統合された楽天奏者には強化系の権能と支配系の権能があると考えられます。
そこで、スキル名に使われている「オルフェウス」は「冥府の神や冥界の化け物さえ魅了する奏者」であるとされているので、「歌を媒体とした様々な効果の付与」を行う権能だと考えました。例えば、弱体効果を付与するレクイエム、強化を付与するマーチ、身体を支配するワルツ、催眠作用のトランス、等が簡単に考えられるところでしょう。要は、「楽曲の種類により異なる作用を与える歌を歌う」権能です。
ちなみに、個人的に予想している権能の構成は以下です。
- 思考加速
- 万能感知
- 万能結界
- 音風支配
- 歌奏行列
1~3は汎用型の権能で、自力獲得した権能ではないので弱めのものを考えています。4は星風之王に組み込まれている「音や風を操る」権能?を組み込みました。5は前述した「歌の権能」で、良い語彙が無かったのでやむなく「仮装行列」と掛けました。
楽天奏者はまだ取得したばかりで権能の描写すらないので、予想が当っている自信はありません。
予言之書〈アガスティア〉
先述の”中庸道化連”の副会長であり、元魔王”呪術王“カザリームの転移体である”妖天”カガリに与えられたことで登場したスキルが『予言之書』です。ミカエルにもたらされた究極付与『代行権利』という究極の権能に触れることができた影響か、ユウキにスキルを奪われた後も自身に残ったユニークスキル『企画者』を高めることで、スキルを究極能力の一歩手前まで高めていたようです。
スキルの名を冠する〈アガスティア〉は、インド神話の(七聖以外の)聖仙の1人で「妻を創造したり、海水を飲み干したり、呪いで大蛇に姿を変えられたり」とされていますが、最も有名なのは”預言者”であることでしょう。古代インドにおける聖仙は星占術を用いた予言を残しているようですが、アガスティアもまた「全人類の過去から未来」を遺しているようです。
権能
まず、基となっている企画者は、企画・謀略に向いている演算系のスキルです。さらに”予言の書”なので、予言之書は「未来予測を可能にする」権能となっています。
これはリムル(智慧之王)が習得した技術「未来攻撃予測」や、坂口日向が獲得した『数奇之王』と同じ様な「敵の行動から数秒後の未来を予測演算する」権能でしょう。
ちなみに、個人的に予想している権能の構成は以下です。予想のモデルとするのはもちろん数奇之王です(というよりただの下位互換)。
- 思考加速
- 万能感知
- 万能結界
- 空間操作
- 森羅万象
- 演算領域
数奇之王との違いは4つで、その理由は全て「下位互換だから」です。一つ目は「多次元結界→万能結界」という弱体化、二つ目は「時空間操作→空間操作」という弱体化、三つ目は「覇気系無し」という弱体化、四つ目は「世界系無し」という弱体化です。
以上が20巻で登場した究極授与の紹介です。
以上で今回の「20巻で登場した究極の権能搭載型スキルの紹介および解説/考察」記事は終わりです。予想出来なかったキャラばかりが獲得しているのは悔しいですが、逆に本命視しているキャラが獲得する可能性も上がったので嬉しくもあります。
また、作中の究極能力獲得候補者は既にで揃っていると思われるので、さすがにもう予想外の究極能力獲得者が出ることは無いでしょう()。とはいえ、ティアあたりは究極の権能を獲得することも無いと考えていたので、究極能力の獲得資格者は私が考えるよりも多いような気はしています。堕天使三人衆とか新しく獲得するんだろうか…?
皆さんのご意見や、誤字脱字等があればコメントでご指摘して頂ければ幸いです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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