トリオン能力による影響

ワールドトリガー(設定)

 ワールドトリガーにおいてトリオン能力とは、主に「武器トリガーをどの程度の規模で扱えるか」というステータスの項目です。この項目は「生まれ持った才能が全て」と言ってもよく、成長期以外で普通は大きく増加させることはできないようです。なぜなら、トリオン=生体エネルギーだからです。

 トリオン生体エネルギーはトリオン器官という「見えない臓器」に貯蓄され、トリオン器官は心臓の隣にあるとされています。

 トリオンを消費し武器トリガーに出力することで、武器トリガーを起動します。この時の出力値パワー=トリオン値をトリオン能力としてステータスに反映しています。

 出力値パワーはトリオン器官を鍛えることで多少上昇するようです。というのもトリオン器官は臓器ですから、運動して心臓の心拍機能を鍛えるようにトリオン器官もトリオンの出力を繰り返すことで鍛えられるようです。

 しかし、これはあまり大きな意味を成しません。なぜなら根本の容量トリオン量は変わらないですから。例えるならば、貯水タンクの容量は変えずに大きい口径の蛇口に取り換えただけです。こんな急造工事じゃ取り付けられる蛇口の大きさも限られますし、大きい蛇口は大きい貯水槽にしか合いません。

 そのためトリオン能力は才能が全てで、トリオン能力が高い人間は〈才能有り!〉として重宝されますが、今回はトリオン能力はどのような影響があるのかを解説します。

前置きが長くなりましたが最後まで読んでいただければ幸いです。


 トリオン能力は主に以下へと影響があります。

戦術の展開

 ワールドトリガーの戦闘においての必需品であるトリガーには、それそれの機能には特徴があります。単一の機能に特化した特化型、複数の機能を搭載した汎用型、あるいは複数の武器トリガーを組み合わせる改良型など国に寄って様々です。

 全てのトリガーは共通点として、機能を搭載してるだけでトリオン量を圧迫します。例として『BORDERボーダー』のトリガーを解説します。

 図のようにボーダーでは複数の武器を個々人で組み合われるタイプです。この武器や機能を戦闘中にトリオンを消費しながら使用していきますが、トリガーは戦闘トリオン体になった時点で全ての機能が待機状態まで起動されるのでトリオンが圧迫されます。

 要は画面を点けていないのにスマホのバッテリーを消費している状態です。そのため武器や機能を載せれば戦闘に使えるトリオンが少なくなります。(武装用と戦闘用でトリオンを分けなければならない)

 だからこそ様々な戦術を展開するにはトリオン能力が直接影響してきます。トリオン能力が大きければ色々な武器や機能を選ぶことが出来ますが、低ければ取れる手段を限定しなければなりませんから。

 もちろん戦術と武器の数がイコールというわけではありません。しかし使える武器が多くなれば、出来ることが増えますから戦術の幅も広がるでしょう。

武器〈トリガー〉性能の変化

 これは前置きで話した出力パワーの問題で、武器トリガーは一部を除いてトリオン能力により特性ともいえる性能が変化します。

 例としてボーダーの狙撃スナイパー武器トリガーが分かりやすいでしょう。

・イーグレッド…威力と弾速を両立し、高い射程を保持する対人狙撃銃(仕留め用)

・アイビス…弾速を削ることで、威力を上げた対大型兵器破壊用狙撃銃

・ライトニング…射程と威力を削って弾速と連射性を上げた対人狙撃銃(削り用)

 

 上記のようにイーグレッドは射程、アイビスは威力、ライトニングは弾速がトリオン能力によって変化します。当然ですがデメリットの削った性能は更に下がるということはありません。

 このような性能の変化は主に中・遠距離用武器に見られ、トリオン能力が低い者は満足に戦えないとすら言われています。

 その理由はトリガーが物質化していないためです。武器を物質化する近距離の攻撃手アタッカー武器トリガーは、武器を物質化するので安定しています。そのため一度出したら追加でトリオンを補充する必要が無く、体裁きの問題になるのでトリオン能力による差が出づらくなっています。しかし、攻撃用だろうと補助用だろうと物質化していない武器は安定していないため、出力されたトリオン量がそのまま性能に反映されます。

 そのためトリオン能力による武器トリガー性能の変化が起こります。

副作用〈サイドエフェクト〉の発症

 サイドエフェクトとはトリオン能力が高い影響で発症する可能性のある感覚器あるいは臓器などの”肉体の異常”を指します。異常といってもあくまで人間の身体機能の延長線上にある能力で、人間の技術的に再現は不可能ではありません。

 例えば作中で最も有名なサイドエフェクトである迅悠一の「未来視」は、読んで字のごとく未来を視ることができる”視覚異常”です。受動的な場合と能動的な場合があり、前者は確立の高い「避けられない未来」、後者は定まっていない「選択の余地がある未来」を視ています。

 迅悠一はこれを前提条件無しに、その場の視覚のみで認識することが出来ます。これと同じことをやれと言われても不可能でしょう。しかし、方法や前提を変えてしまえば大なり小なり皆やることができます。

 単純ですが、

情報を集めて未来予測→失敗→情報再収集から未来予測→失敗…endless

という行為を繰り返していけば情報の精度が上がっていき、いつかは同じことができるようになります。

 しかし、確率論の話で「不可能ではない」というだけです。サイドエフェクトはそういった「確率的に不可能ではないこと」を可能にします。

 サイドエフェクトを発症している人間は、普通の人間がコツコツやっていることを限定的に省略することが出来るので、強さという面でアドバンテージを得ています。そのため、サイドエフェクトを発症しているだけで強者の仲間入りと言えるでしょう。そもそもトリオン能力が高い人間な訳ですし、プラスαがあれば強いのも当然とも言えますね。

 しかし、当然ながら良い影響だけでなく悪い影響もあります。

 普通の人間には分からない、あるいは出来ないことが出来てしまうのです。サイドエフェクトによって得て知っている、あるいは体験した情報でコミュニケーションを取ってもその他大勢は理解なんて出来ません。同じことは出来ないんですから。

 そして、人は理解できない者を様々な思惑で排斥しようとします。人間不信にでもなるでしょう。そのため、強いサイドエフェクトであるほど負の影響は大きくなります。

 だからこそ迅さんがあんな良い人であれる理由過去を早く知りたいですね。

 サイドエフェクトは生まれ持って発症していた”先天性”と外的ストレスによって発症した”後天性”の2種類があります。そのため、トリオン能力が高い人間は全てサイドエフェクトを発症する可能性を秘めているといえます。

 サイドエフェクトの発症原因はわかっていません。しかし既出で以下の情報があります。

  1. トリオンを保有しているトリオン器官が心臓に隣接している
  2. 異常サイドエフェクトが発生する器官は個人によって違う
  3. 外的要因によって発症する
  4. トリオン能力が高い人間に発症する可能性がある
  5. 先天性と後天性の2種類がある

 そのため、私の現状の予想では以下のように

 トリオン器官から隣接する心臓にトリオンが送られ、血液と一緒に血管を回ることでトリオンが各器官に影響を及ぼすことが出来る。

 そこに外的な負荷ストレスを加えることでトリオンが各器官に影響を及ぼす(果実の糖度を上げるみたいな)。

 しかしトリオンの絶対量が少ないと影響が軽微でサイドエフェクトの発症まで至らない。

 また先天性の場合は胎児のときに母体に負荷がかかる出来事があった。

 といったことを考えています。なのでトリオン量が高い人間なら誰でも発症する可能性があると踏んでいます。

標的にされる

 トリオン能力の高い人間は敵の標的になりやすく、戦闘員か非戦闘員かに関わらず保持しているトリオンを有効利用されます。

 なぜ非戦闘員も標的にされるのかというと、近界ネイバーフッドの星々は常にトリオン不足のようなものだからです。近界の星々は地球(玄界ミデン)と同じように物理法則が働いているようですが、物理法則によって世界が成り立っているわけではないようです。

 星はマザートリガーによって形成されます。トリオン能力がより高い人間が起動する星の《神》になることでより大きくなり、有機、無機に限らず資源はマザートリガー(一部はクラウントリガーなどのその他トリガー)によって生成されます。

 全てのトリガーはトリオンの供給によって起動されますが、トリオンは生体エネルギーです。星を維持するには誰かからトリオンを補給しなければなりませんが、自国民から補給するには限度があります。

 そのため、近界ネイバーフッドの国々は敵国から民を奪って搾取します。トリオン能力が低い人間が捕まった場合トリオン器官ごとトリオンを摘出され死亡しますが、トリオン能力が高い人間は戦力にして飼い殺しにしたり、トリオン電池にしたりと用途が多々あります。

 たからこそトリオン能力によって捕縛の優先度が上下し、優秀な程標的になります。強くなれば良いかもしれませんが、それならそれで警戒度が上がり敵が手ごわくなることが予想できるので、危険であることには変わりないでしょう。

 それを考えれば、もしもの時に何も出来ないことを度外視すれば、トリオン能力が低い人間の方が標的にされないので安全と言えるかもしれません。


 長くなりましたが今回は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました。

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