トリオン体標準機能

ワールドトリガー(能力)

 【ワールドトリガー】の作中においてトリオン体は「戦闘体」とも呼ばれ、戦闘時あるいは作戦行動時にはトリオン体に換装して行動します。

 トリオン体は文字通り、トリオンで作られます。そのためトリオン能力の無い人間は、それを作った上でさらに戦闘に回す分のトリオンが無いため、戦闘員にはなれません。

 しかし、トリオン体を作ること自体は誰にでも可能なようです。また、トリオン体は物質化し安定しているので、運動能力はトリオン能力による性能差が出にくい項目でもあります。

 さらにトリオン体は戦闘体なので、戦闘員として最低限の装備機能はトリオン体に付属しています。

 今回はそんなトリオン体の標準機能を解説します。

 最後まで読んで頂ければ幸いです。

物理影響耐性

 これはトリオン体の「機能」というよりも、「特性」に当たります。

 トリオンは生体エネルギーなので、そのままではエントロピーの法則により周囲と反応して霧散してしまいます。しかし、物質化し安定になったトリオンは物理的な影響を極端に受けなくなります。

 それはトリオン体も例外ではなく、運動・熱・電磁波・光による影響を自由に制御することが出来ます。

運動

 物体はもう一つの物体に作用し、作用に対して反作用が返ってくることで、運動を行います。作用反作用の法則ですね。

 地面に作用を加えれば地面からの反作用により反発が生じ、走ったり跳んだり出来ますし、物に作用を加えれば投げたり跳ばしたり出来ます。また、受ける作用が大きければ重くなりますし、壊れることもあるでしょう。

 しかし、トリオン体はトリオン以外による影響を軽減します。それにより物体からの作用を軽減し、物体との衝突によるダメージを無効化します。

例えば

  • 三輪の鉛弾レッドバレットは一発で数百キログラムの重石となります。それを生身に付けられれば、起き上がれないどころではないでしょう。当たり所によっては捥げます。しかしトリオン体ならば多少身動きが取れなくなる程度で済みます。戦闘自体、人によっては可能でしょう。
  • トリオン体による戦闘はとても立体的で、機動的です。そのため、ビルから飛び降りるなどザラにあります。生身ならば地面からの反作用に耐え切れず潰れますが、トリオン体ならば傷一つ付きません。
ワールドトリガー 2ndシーズン第2話「激突」より画像を引用

 これは単に運動能力と頑丈さが大幅に上昇すると考えても良いでしょう。

 また、運動能力と頑丈さはトリオン能力に左右されず一定です。そのため、トリオン体による近接戦闘はセンスが最重要です。

 トリオン体は物理的な影響を制御出来るので、熱などの「肉体への直接的な自然影響」を排除できます。そのため、砂漠地帯のような寒暖差が激しい場所でも問題なく行動できます。しかし、排除出来るとはいっても完全に熱を遮断するわけではありません。

 これは感受性を下げないためです。感受性とは、外界からの刺激情報を感じ取る能力です。これにより五感情報に危険度の優劣をつけることができます。

 温度とは触覚で感じ取る情報で、触覚で感じ取れる情報の大半は温度になります。つまり熱を遮断するということは触覚を消すということになります。そうすると感触が悪くなり力加減が出来なくなるので、満足に動くことすら困難になります。

 また、恐怖心という情報をピンポイントで消すことも出来るので、熱による情報を消すことも出来ると思いますが、基本的に生身との感覚に違いがあると戦闘力が落ちることが分かっています。

 そのため、戦闘行為に悪影響を及ぼす情報(痛覚等)以外はトリオン体でも感じることが出来ます。

電磁波

 電磁波とは、光子によって発生する波であり、赤外線、可視光および紫外線などが存在します。トリオン体はこれらの電磁波を選択的に遮断します。

例えば

  • 周りを視認するための可視光や通信を行うための電波は戦闘時に利用するので受容しています。
  • 恒星から放射される宇宙線などの生身に悪影響のある電磁波は遮断しています。そのため生身へ送らる酸素や熱などの生命維持に必要な物質が切れない限り、宇宙でも活動することが出来ます。

 基本的に外界からの影響は五感と切り離せない部分があるので、必要最低限を選別して得ているようです。

標準装備

 標準装備とは、戦闘時に必要な最低限の装備を指します。軍隊で言えば、防弾チョッキや通信機がこれに当たるのではないでしょうか。

 標準なので、その軍隊にとって隊員が絶対に装備していなければならない武器トリガーですね。

通信機

 まず、隊員が第一に必要になるのが通信機でしょう。仲間の戦闘員やオペレーターとの連携、司令部からの命令はとても大事です。基本的に戦争は数ですから、連携が取れない浮いた駒は喰われる定めです。自分の身を守る為にも、自軍が勝つためにも最重要な装備となります。

 ボーダーの通信機は一対一の送受信だけではなく、選択された隊員の間で表層思念を共有する形でもあるようです。後者だけの方が効率良いように思えますが、現場の隊員は情報を増やされると気を取られて動きが鈍くなります。そのため、二つに分けられていると考えられます。

 また、この通信機内部通話機能は表層思念を全て伝えるわけではなく、伝える内容と相手がはっきりしていないと発信できないようです。

 通話時の例は下図みたいな感じです。

ワールドトリガー3rdシーズン第11話「最終戦」より引用

 こんな感じで、内部通話がガヤガヤしちゃう場合があるので指揮者の腕の見せ所。

 また通信機能は言葉ではなく思念を発信する為、自動的な翻訳が可能です。

翻訳機能

 トリオン技術の栄えている近界ネイバーフッドは国が星のように浮かんでいます。そのため国々は地続きではなく、隔離されています。それとクラウントリガーの影響で、近界ネイバーフッドの国々は独自の文明を確立していきます。

 そうなると当然ながら近界ネイバーフッドの国々は独自の文明を構築することになり、主要言語コミュニケーションツールも違うはずです(肉体言語の場合もあるかも?)。しかし、近界民ネイバーはどの国の民でも言語を共有できています。実際に、地球人ですらない游真やヒュースは日本語によるコミュニケーションが取れています。

 これは近界民が全員日本語を習得しているから、というわけではありません。トリオン体による通信機能の産物あるいは主機能です。

 通信機は前述の通り「言葉ではなく思念を発信する」為、”共通の意味”あるいは”共有できる概念”があれば翻訳できます。また、トリオン体は耳で聴いて音を捉えているわけではなく、通信機で拾った音を届けることで周囲の音を認識しているので、翻訳は常態化しています。

 游真の場合は換装前からトリオン体の為、ヒュースの場合はトリガーホーンが通信機能も兼ねている為、日常的に会話が可能です。

レーダー

ワールドトリガー第15話「ブラックトリガー・風刃」より引用

 レーダーは主に索敵に使う装備です。これはリアルタイムのデータが共有できる以上、全隊員が使う必要はありません。しかし、ボーダーは人が少なく孤立することも考えられるので、装備しておいた方がいいということでしょう。

 索敵対象は主にトリオンで、トリオン反応から相対位置を示すのが主流です。レーダー使用中は微量のトリオンが常時消費されることから、トリオンを発信して返ってくるトリオン反応を探知する方式であると予想できます。そのため、バッグワームのような「トリオン反応隠蔽トリガー」はトリオン反応を返さないように常時トリオンを吸収しているのではないかと考えます。

 また、ボーダーの隊員用レーダーは、二次元マップとなっているので高低差は反映できません。立体マップの投影とかは出来るようなので、これは単純に容量不足だと思います。なので、指令室などの大型レーダーは立体的な反映が成されるでしょう。

生体模写

 これは生身の反応をトリオン体で再現する機能です。

 前述の通り、トリオン体は生身とはかけ離れているので、細かいところに違和感が生じます。その違和感はトリオン体を操作する上でのパフォーマンス低下に繋がるので、トリオン体には生身と近い機能を再現する機能があります。

例えば

  • 発汗
  • 暑さ
  • 触感
  • 栄養補給

etc

 またトリオン体は睡眠欲など、生物の根源的な欲求が生じずらいようです。生体ではないからでしょう。しかし、飲食によるエネルギー吸収効率が100%近いので、トリオン体でいる方が快適だと思う人は多そうです。

緊急脱出〈ベイルアウト〉

 これは珍しく亥界ボーダーが先に実装した装備で、トリオン体の活動限界を迎えた時に任意の地点へ生身を転送する機能です。

 何故ボーダーが初実装なのかというと、緊急脱出ベイルアウトはトリガーの容量の大半が占有されるからだと考えられます。ボーダーは様々な理由より、軍人ではなく民間人の子供を徴兵することになりました。そこで一番叩かれるのは安全性です。まずはそこを埋めるために、真っ先に緊急脱出ベイルアウト機能を搭載させることで回りからのバッシングは回避したのでしょう。

 ですが、近界民ネイバーは基本的に軍人が戦争行為をします。民間人とは違い、軍人はその性質上前提として命を預けるわけですし、近界ネイバーフッドの価値観とはは少し違うでしょう。それらを含む諸々の理由で、ボーダーは初めて緊急脱出ベイルアウトを開発したと考えられます。

 ボーダーの緊急脱出ベイルアウトの機能範囲は「三門市内」で、遠征時は「遠征艇から3km以内」だそうです。

視覚支援

ワールドトリガー2ndシーズン第11話「強者」より引用

 これはARナビゲーションと言えるでしょう。戦闘中は言葉で示されるよりも、視覚的に示される方が分かりやすい時があります。

 そんな時に、オペレーターと連携して視覚支援を受けます。

例えば

  • 弾道解析
  • 座標指定
  • 移動補助
  • 暗視

etc

 基本的にこれらはトリオン体が受信している視覚情報なので、他の隊員と共有できます。

 また、生体機能を再現出来ているので視覚だけでなく五感情報も共有することが出来ます。今のところ聴覚共有が出てきています。


 以上で既出のトリオン体機能を記せたと思います。

 最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 誤字脱字等の間違い、その他ご意見などありましたらコメントでご指摘お願いします。


コメント

タイトルとURLをコピーしました