先日私は「スキルとは何か」を解説しました。解説した通り、スキルには明確な種類や序列が存在し、その最上位が究極能力です。
究極能力とは才能と適正を持っている者が種族に関わらず獲得できる最上位の能力です。究極能力に対しての有効な対応手段が「究極能力を使う」ことである以上、作中で強さを比べる場合、上位は究極能力保有者で占められることになります。
そんな究極能力ですが、才能と適正の厳しいを条件をクリアしているからと言って、必ずしも獲得できるわけではありません。それは「既存の力を更に進化させる」という望みが必要だからです。
困難に打ち勝つことだけが強さではありません。人はいつだって安定した勝利を求めます。そのために既存の手札で勝てるように策を練ります。それは良いです。しかし、それでは更なる進化を望みません。
究極能力の獲得は「明快な意志」によるものである以上、進化を望まなければいけません。しかし、「才能と適正が獲得の条件を満たしている」状態だけでも隔絶した力を発揮することが出来ます。そのため、進化を望む環境に至らないことがあるようです。また、進化への渇望は死中にいるほど高まりますから、安定の中にいれば獲得はさらに遠のきます。
以上から、究極能力を獲得出来ない理由は大まかに3パターンあり
- 才能が無い場合
- 適正が無い場合
となるでしょう。
そういった才能と適正を持っているのに究極能力を獲得していないキャラクターを載せていきます。つまり「獲得出来そうでしていないキャラ」の紹介で、できるだけですが獲得する究極能力の予想をしていきます。
今回は魔物側の資格者を挙げていきます。
※…既刊18巻まで情報を前提にした紹介になります。ストーリーのネタバレは極力行いませんが、人によってネタバレと判断できる場所があるのでご注意ください。
最後まで読んで頂ければ幸いです。
魔国連邦〈テンペスト〉
魔国連邦は正式名称‟ジュラ・テンペスト連邦国”とされる魔物と人間の多種族国家です。多種族国家だとUSAのように人種差別が酷くなりそうですが、国家元首である‟魔王”リムル・テンペストのカリスマ?により差別は発生していないようです。
そんなリムル様には究極能力『智慧之王』が進化した神智核‟シエル”を保有しているので、10人以上の覚醒者と究極の権能の保持者の魔物が存在します。
紫苑〈シオン〉
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第37話「訪れる者たち」より引用
”聖魔十二守護王”の一人であり”闘神王“の称号を持つシオンは、守護王のなかで唯一究極の権能を保有していません。究極贈与も貰っていないのです。その理由はとても単純で、必要ないからです。これは、前述した究極能力を獲得出来ない理由の内、2番目に当たります。
究極能力を必要としていない理由として、まずユニークスキルが究極に届きうる権能となっているからです。
ユニークスキル
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第37話「訪れる者たち」より引用
シオンの保有するユニークスキルは〈料理人〉です。料理人の権能は『最適行動』と『確定結果』の二つ?です。これは世界に‟致死毒”と認識されるほどのシオンの料理を、美味しく?食べられるようにするために獲得した能力です。
最適行動
最適行動は「二度目以降の行動は自動で最適化される」という権能です。これにより、一度倒したことのある種族や人物を楽に倒せるようになります。そのため、魔王達のような超越者クラスでなければ二度目以降は絶対に勝ちます。
15巻では、闘霊鬼に進化する前に自分と同格以上の蟲型魔物を複数体相手にしていましたが、最適行動により一瞬で蹴散らしていました。
ユニークスキル獲得経緯から、シオン的に正しい使い方は「一度行った料理を絶対に身に着ける」とった感じでしょうか。
確定結果
確定結果は「自らの望む結果を対象に押し付ける」という権能です。これにより、かすり傷ほどのダメージでも傷つき方から致命傷をイメージすることが出来るので、敵に致命傷を確定させることが出来ます。つまり、かすり傷が致命傷になるわけです。
これは因果律の操作に類する能力で、究極能力による権能を付与した防御以外に防ぐ方法がありません。
この権能は主に、料理や食材の味の変更に使われており、白米の再現に使われていました。
シオンは最適行動と確定結果により、「一度傷を付けたら最適行動により再現→確定結果による致命傷の確定」という即死コンボを決めることが出来るます。
また、シオンの強さはユニークスキルに頼らないところにもあります。それが武器と肉弾戦です。
武器
シオンの武器「剛力丸」は自身の覚醒に呼応して、等級が神話級へと進化しています。
神話級とは武具の等級の内、事実上最上位となり、真なる勇者/魔王の中でも一部が装備するレベルになります。神話級武具の正確な発生条件は詳しくわかっていませんが、神話級の潜在存在値は最低100万EPとされています。なので「覚醒者相当の魔素密度にする」ことが第一条件です。また、神話級は武具自らが所有者を選定するので、「武具に意志が芽生えている」ことが第二条件です。
以上の条件から予想出来るように、最低でも覚醒者相当の魔素密度である意志を持った武具となるので、それ自体が究極に届きうる威力を発揮します。
シオンは、日々愛刀の剛力丸に魔素と愛を込めていました。料理すら頑なに包丁ではなく剛力丸を使い続けたほどです。それに加え、意志を持ったスキル‟神智核”である「シエル」の支援と、自身の覚醒に付随する祝福により上二つの条件が満たされ、剛力丸が‟神・剛力丸”に進化しました。
神・剛力丸の存在値は108万EPとなっており、紅丸の腹心である蒼影の存在値に匹敵する数値です。また、固有の特性としてシオンも保有している「無限再生」の権能を保有しているので、折れても砕かれても瞬時に復活します。
肉弾戦
神・剛力丸の存在値は108万EPですが、シオンは423万EPとなっています。つまり、武器を持ったシオンは531万EPとなります。これ自体が高いかと言われればめちゃくちゃ高いですが、元来成長限界が定められていない最上位天使は優に1千万EPを超えてくるので、最高級であっても最高峰ではないと考えます。
しかし、覚醒した時点で戦闘勝利の要素として存在値(魔素量)はあまり関係なく、究極能力と技量が重要なようです。
シオンは覚醒前に(嵐牙と組んでいたとはいえ)覚醒者の蟲型魔人「ラズル」との戦いに勝利することで、脳筋を卒業し白老から免許皆伝を得ています。さらに、闘神‟闘霊鬼”としての各種耐性、固有能力「無限再生」による不死身性、および身体機能超過の技術である神気闘法を保持しています。また、精神に対して直接攻撃をすることが可能となっているので、精神生命体への有利を獲得しています。
以上によってシオンは肉弾戦において圧倒的な優位性を保持しています。
「確定結果」と精神生命体への直接攻撃による攻撃力、種族特性と「最適行動」による持久戦への有利、神気闘法による瞬間火力。これらが通用する限り、シオンは究極能力を必要としないでしょう。
シオンはWeb版小説にて究極能力を獲得していたはずなので、20巻辺りで獲得するでしょう。能力もほぼ同じ因果律操作による破壊系でしょうかね。Web版では『暴虐之王』で、文庫版でも名前は同じでしょう。
ミリム領従属国(獣王国ユーラザニア/天翼国フルブロジア)
カリオン
カリオンは旧魔王であり「獣王国ユーラザニア」の国王ですが、魔王を退く上で敗北を喫したミリム・ナーヴァの軍門に下りました。その後、東の帝国との戦争時に真なる魔王に覚醒しています。
しかし、カリオンは覚醒してから究極能力を獲得していません。覚醒前魔王種時代からギィ・クリムゾンに高く買われていたほどの人物なので、資格はあると思うのですが。ユニークスキルも強そうですし、存在値も高いですから。
ユニークスキル
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第37話「訪れる者たち」より引用
カリオンの覚醒前に保有していたユニークスキルは『百獣化』です。これは獣人族の種族固有スキルである『獣身化変身』を進化させた能力のようです。
本人由来の獣の形状を段階的に表に出すことで変身するのがこの能力のようで、獣人族は変身により身体能力の強化や特殊能力の解放を行えるようです。ただし、変身は限定時間内でのようです。
変身すると文字通りの獣人になるので、由来の獣が何かは分かります。しかし、カリオンは「獅子王」を名乗っているのでライオンだと思うんですが、変身したときの姿だとライオンだけじゃなさそうなんですよね。羽生えてたし。キマイラとかも考えられます。
もしかしたら『百獣化』の権能にも、暴食者の『受容・供給』に似たものがあるのかもしれません。例えば「配下にした獣人族の変身を自由に行える」とか。それによりいくつかの獣を部分的に変身できるため、羽が生えているのかも。
存在値
カリオンは覚醒前の時点で70万EPもの存在値を誇っていました。ギィから高く買われるわけです。この存在値は覚醒後のアピトやアダルマンと同じ程度ですので、この時点で究極の権能に届くことが可能なレベルとなります。
そして覚醒後は277万EPまで上昇しています。もともと身体能力が高いので防御特化のゲルドを素の殴り合いでKOするほどでしたが、進化によってさらに倍以上に上昇しているでしょう。また、変身により身体能力を3倍近く上昇させることで存在値が倍近く上昇するようです。つまり、変身後の存在値は500万EP以上になると考えられます。
また、覚醒により獣神‟光霊獣”に進化し、精神生命体としての性質を持ち合わせる神格を得ました。それにより肉体に依らない生命体となったため、自身の肉体あるいは自身の一部と言える武具を自在に意志ある粒子に変換することが可能になりました。この粒子は移動・拡散・収束が自由なため、変幻自在・光速の収束粒子砲「獣王閃光吼」として応用されています。まあ、時間制限がありますし連発できないようですが。
さらに精神生命体の性質の恩恵として「意思の強さがそのまま力として表れる」ようになっています。そのため、究極に匹敵する意志により究極贈与で補強した多重結界を貫くことが可能となっています。
上記により、ベニマルに「究極能力『陽炎之王』が無かったら負けてた」と言わせています。
究極能力を獲得していない理由はおそらく、2番目の適正不足のタイプでしょう。
前述した通り、究極能力は「死中で活路を開く」ために力を渇望することで獲得しやすくなります。しかしカリオンは覚醒後の戦闘経験が全くありません。自身の力を把握するために地下迷宮に潜ったほどです。そのため、究極能力獲得に足る適正がありません。
とはいっても究極に匹敵する意志を引き出すことは出来るようなので、新しく獲得したい権能を具体的に思い浮かべるか、危機的状況に追い込まれるかのどちらかで究極能力を獲得できるでしょう。
獲得する究極能力〈アルティメットスキル〉の予想
自分なりにカリオンが獲得する究極能力を自分で考えてみた結果、
- 『百獣之王』
- 『獅子之王』あるいは『百獣之王』
- 『怪獣之王』
が浮かびました。
『百獣之王』はユニークスキル『百獣化』を進化させることと、変身後がキマイラっぽい雰囲気であることから連想しました。変身のデメリットの消去やメリットの強化、変身種の増加などの権能を考えています。
『獅子之王』あるいは『百獣之王』は、上記の中で一番可能性が高いのではないでしょうか。「獅子王」とのマッチもありますし、レグルスは獅子座の1等星で「王の星」あるいは「獅子の心臓」といった意味があります。これはカリオンの種族や光粒子化とマッチしている思います。
さらに獅子座は、動物の王ことギリシャ神話の「ネメアの獅子」が元となっています。ネメアの獅子は、ヘラクレスの第一の試練としてでており、特徴はあらゆる武器を無力化する「頑強な毛皮」です。この毛皮で作った服を着たヘラクレスは不死性と頑丈さを授かったとされているので、権能として「武具の無力化」や「絶対防御」を考えることが出来ます。
『怪獣之王』は「上記二つだと語彙的に物足りないかな?」と考えたとき浮かびました。テュポーンはギリシャ神話における最強の怪物とされているので、箔は十分でしょう。怪物の父としてキマイラやヒュドラ、ケルベロスなどを生んでいるので、怪物を産み出すあるいはそれらに変身する権能が適用できそうです。とはいったものの、正直言ってこれはおまけです。「『邪龍之王』に対抗するなら『怪獣之王』ぐらいの格が必要かな~」と考えただけです。
もしも究極能力を獲得する場合、Web版のようにヴェガと戦った時ですかね。カレラが居ますがカリオンも覚醒していることですし、カリオン(&ガビル)がヴェガと決着をつけるのではないでしょうか。
フレイ
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第46話「魔王達の宴 ~ワルプルギス~」より引用
フレイはカリオンと同じく旧魔王で「天翼国フルブロジア」の女王ですが、カリオンと同じくしてミリムの軍門に下り、その後の東の帝国との戦争時に真なる魔王に覚醒しています。
まずフレイの強さは以下のようになっています。
スキル
フレイの種族である「有翼族」は鳥類の特徴を持つ魔物で、全員が空戦への適性を持っています。獣人族のように様々な鳥種が存在すると考えられ、フレイは猛禽類の特徴を持ちます。
種族固有能力スキルとして『魔力妨害』を保有しており飛行系魔法や遠距離魔法を妨害出来ます。また『魔力妨害』は捕らえた相手の能力にも影響を及ぼすことが出来ます。魔物はほとんどが体内魔素に依存しているので、直接摑まれただけ行動不能に陥ります。これにより有翼族は種族レベルで空の覇者と言われていますが、女系種族であり戦士型は希少とされています。しかしフレイの『魔力妨害』は、自身を中心とした半径50㍍の円内が魔法不能領域となるほどの規模です。
フレイの覚醒前から保有していたエクストラスキル『天球眼』は、千里眼の一種で特定範囲を隅々まで視ることができ、魂すら視ることができます。
さらにフレイは有翼族の女王のため、生まれながらに女王として必要な色々な能力を保有しています。例として同族への優位性が挙げられ、それにより有翼族からの攻撃は完全に無害化できます。
存在値
フレイの覚醒前の存在値は40万EP程度で、「魔王種としては普通かな」といったレベルでした。
覚醒後は195万EPへ上昇し、種族は鳥神‟空霊鳥”となりました。神格の条件は定かではないですが、およそ200万EPで神格を得るための資格を得るようです。190万EPのクマラや200万EPのユウキが神格を得ていないことから、王としての称号が必要なのではないかと考えます。神格ってことは信仰の対象ですから、大衆に崇められる立場に着くことで信仰を獲得することが条件なのではないでしょうか。ルミナスが代表的な例でしょう。
フレイもまたカリオンと同じく、神格により精神生命体の性質を得て、究極の権能に対抗することが可能となっています。それにより種族固有能力スキルの『魔力妨害』が、アダルマンの究極贈与『魔導之書』による魔法や権能の妨害を可能にしています。
上記によりフレイは、有翼族としての高速の空中戦闘、『魔力妨害』による機動の制限、さらに神話級ゴッズの武具に匹敵するかぎ爪を持っています。
フレイが究極能力を獲得していない理由は、カリオンと同じく2番目の適正不足のタイプでしょう。しかしフレイはカリオンとは違い、既に究極能力を獲得している可能性もあると考えています。存在値や強さでカリオンに敵わないのに何故フレイなのかというと、フレイはゴリ押しが苦手で思慮深いからです。
適正不足とはいっても究極の権能に対抗出来ている時点で、究極能力を獲得する資格は得ています。しかし究極能力の獲得には、能力と向き合うことによる具体性が必要です。それをするのに一番手っ取り早いのが「死中に活を求める」ことですが、別にそれ以外でもいいわけです。リムル様の場合はさらっと『誓約之王』を獲得していますし、能力進化の方向性が定まっていれば究極資格者は究極能力を獲得できるのでしょう。
フレイは進化の詳細な仕組みに気づき、自分の能力と向き合って力を弁える思慮深さと、力へを得ることへの貪欲さも持ち合わせています。そのため、死線を潜り抜けなくても究極能力を獲得する可能性は高いと考えられます。
獲得する究極能力〈アルティメットスキル〉の予想
フレイの獲得する究極能力は以下を考えました。
- 『天翼之王』
- 『神罰之王』
『天翼之王』はフレイが猛禽類の特徴を持つことから連想しました。わし座の1等星であるアルタイルは「飛翔する鷲」の意味を持っているそうです。ギリシャ神話において、わし座は天の遣いだったり、ゼウスの雷の矢を運んだりするそうなので、移動・運動の補助・強化系の権能を適用できそうです。
『神罰之王』はネメシスが”有翼の女神”として有名なようなので浮かびました。ネメシスはギリシャ神話において「義憤の女神」とされ、人間に対する「神の憤りと罰」の擬人化とされています。またガチョウに化け、ゼウス(白鳥ver)と交尾しディオスクロイ双子座(卵)を産んでいます。フレイはたびたびミリムを説教しており、副官に双子の有翼族がいるのでいい感じの繋がりだと思います。『断罪之王』と似た系統を想像したので、攻撃の補助や敵の弱体化などを考えています。
上記の予想をしてみましたが、これからフレイの出番がどれだけあるのか分からないのがネックです。戦うとしたら相手は誰になるのか。
白氷宮
白氷宮とは、北・中央・南にある大陸の内に存在する北の大陸に存在する魔王の支配域です。別名「氷土の大陸」と呼ばれ、極寒に地となっており他の生命体を完全に遮断しています。
そんな場所を領土にしているのは、最強最古の魔王である‟暗黒皇帝”こと「ギィ・クリムゾン」です。ギィは最強に恥じない超越者ですが、さらに2人の覚醒者を配下メイドにしています。
その2人は確かに強いはずなんですが、主であるギィの強さが先立ちすぎて本人の強さは不明瞭です。そのため雑になってしまいますが、許してください。
レイン
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第43話「開宴の合図」より引用
ギィ・クリムゾンの忠実?な配下でありギィに自由な発言を許されている2人の内1人です。良くも悪くもメリハリが付いているレインは、ギィに名付けられてから長年魔王種の悪魔公でした。しかし14巻で、ギィの交渉脅迫に応じたリムルがギィの保持していた魂を使い進化を促すことで、覚醒しました。
そんな彼女は独善の代名詞ことギィに発言を許されている認められており、そこから察せるように覚醒前から旧魔王連中に勝てるレベルの強さを持つ世界有数の実力者です。
強さ
レインの種族は、おそらく魔神‟悪魔王”でしょう。ギィの配下に収まっていますが、ギィと同じく悪魔族の源流=「原初の七柱悪魔の七君主」であり、原初の青として恐れられています。同格なのになぜ配下になっているのかは、まあ「ギィだからしょうがない」で済ませましょう。
原初の七柱とは「始原の七天使」の揺り返しとして発生した最初の悪魔族であり、「始原の七天使」とはヴェルダナーヴァが世界を管理する上で腹心として創造した七人の天使族です。
悪魔族は発生に主親を必要としないためか、生まれながらに明確な自我を保持しています。また悪魔族の発生場所であり住処である「冥界」は、意思の強さがそのまま自身の強さになります。そのため意思の強さを以って闘争を勝ち抜いてきた「原初の七柱」は、全員が究極の権能に匹敵する意志力を持っています。また、意志を以って世界の法則に干渉するのが魔法なので、悪魔族は魔法を呼吸をするように操ります。
悪魔族は存在値の成長限界が定められているので、同じあるいは上の存在値である相手との戦闘が多くなります。発生してから時間が経つほど戦闘経験が積み重なるため、悪魔族は長い時を生きている個体ほど強くなります。その中でも最初に発生した原初は、例外なく究極魔法を自在に操ります。レインはまだ核撃魔法を使っているシーンがありませんが…。
レインは強大な意思力と技量を持っている(はずの)ため、究極能力獲得に必要な適正はあるでしょう。また、その他の原初達の公開された存在値の中で、一番低いのがウルティマの267万EP(魔素量増大中)でした。なので、レインの存在値も最低200万EP以上はあるでしょう。
原初達はけっこうサラッと究極能力を獲得しているので、レインも獲得するでしょう。既に一度ヴェルザードと戦っているはずなので、もう獲得しているかもしてません。
レインは『遍在』という「自分を分割することで2つの本体を操る」ことが出来る能力を持っているのですが、あれはどんな扱いなのでしょうか。ユニークスキル?。
獲得する究極能力〈アルティメットスキル〉の予想
今のところ原初達は皆、堕天使と同一視される悪魔の名を関する究極能力を獲得しています。なのでそこから候補を探した結果、名前の由来から「バアル・ゼブル」かなと思いました。
…のですが、『暴食之王』や『美食之王』が既にあり、これ以上被ることが想像できないので断念。次に行きましょう。
と思ったんですが、そういえば
- 天使族創造の反発で悪魔族が発生したように、天使系究極能力に対して悪魔系究極能力が存在する
- 美徳系究極能力と大罪系究極能力は対応関係にある
という設定を思い出しました。私は上記から「もしや、原初と始原にも対応関係があって、そいつらは似た性格になるのでは?」と考えました。そして対応関係を想像してみた結果が以下となります。
私の勝手な妄想なので色々と突っ込みたいこともあるでしょうが、抑えてください。今重要なのはレインのところです。レインとディーノは対応関係は納得出来るのではないでしょうか。どちらもサボり魔ですが、上司に命令されたことはキッチリやり遂げます。なのでディーノの究極能力からレインの究極能力に当たりをつけました。
ディーノの保持している究極能力は『至天之王』と『怠惰之王』です。『至天之王』はヴェルダナーヴァに与えられたものなので、本人の適正という意味で『怠惰之王』が自力獲得した究極能力と言えるでしょう。
そこから、「怠惰」というワードで堕天系悪魔を探したところ良いのが発見出来ました。それが「アスタロト」です。
…まさかの事態でした。こんなとこで「アスタルテ」とワードが被ってしまうとは。ディーノの保持している二つの究極能力に関連性があるとは思っていませんでした。しかもアスタロトは先に思いついでいた「バアル」と関連があるようです。
これは好都合。それなら天使系究極能力『至天之王』が発生した揺り返しで悪魔系究極能力が発生したとこじつけられます。アスタルテは他神話の豊穣多産の女神ですから、それを反転して怠惰と絡めた結果浮かんだ究極能力が『堕落之王』です。
参考にした『至天之王』の権能の一つが「創造進化」であり、「自身の魔素を代償に自分の能力を自由な形に進化させる」という権能です。なので『堕落之王』の権能は「剥奪退化」というのがしっくりきます。中身はあまり思いつきませんが、「敵の存在値を一定以下に下げる」とか「権能を発動できない空間を作り出す」とかですかね。デバフ系の権能と考えてもらえば良いでしょう。
他にもルシファー配下の水精霊を操る悪魔である「アガリアレプト」から取って『水獄之王』とかあるかな~、とか思ったんですがしっくりきませんでした。
ミザリー
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第43話「開宴の合図」より引用
レインと同じくギィに自由な発言を許されている忠実な2人の配下メイドの内1人です。
性格はレインとは違い公私共にキッチリしたタイプで、ギィの手足となるよう各地で自身の手駒を揃え、各種調整を担当します。
また、レインの不始末は基本的にミザリーが受けます。そのため、ミザリーは有能なのにレインと一緒に「使えない」呼ばわりをされています。不遇すぎる(ギィの仕事が忙しすぎるのと、レインが真面目に仕事しないのが悪い)。
ミザリーの覚醒はレインと同じく、14巻でリムルによって促されました。彼女は基本的にレインと一緒の扱いなので究極能力の獲得は確実でしょう。
強さ
「原初の七柱悪魔の七君主」の1人であり‟原初の緑”なので、種族も魔神‟悪魔王”と一緒でしょう。強さもまた等しく。ぶっちゃけ作中での戦闘シーンが無いので説明のしようがありません。レインと同じくらいと覚えておけば十分です。
獲得する究極能力〈アルティメットスキル〉の予想
正直言って、マジで分からん。ミザリーに関しては予想も何もありませんよ。たしか「青の系統と緑の系統は悪魔の中でも比較的交渉しやすい」という設定はあった気がしますがそれ以外はマジで分からん。
レインの時に出した「原初と始原の関連性」からミザリーはガラシャの権能から予想しようにも、ガラシャの究極能力『栄光之王』はヴェルダナーヴァに与えられた権能で自力獲得ではないんですよね。まあ適正に沿って与えられているとは思いますが。
それでもレインのようにいい感じの繋がりを辿れなかったので、ルシファー配下の「サタナキア」を用いました。
「あらゆる女性を意のままに従わせる力を持つ(wiki:サタナキア)」とのことなので支配系の権能を浮かべました。しかし究極付与『支配之王』が既に存在します。そこで、「ミザリー」という名前の由来が「嘆き悲しむ者達の悲痛な叫び」なので、『悲劇之王』にします。
レインミザリーはどちらも戦闘描写が少ないから予想は難しいです。ですが少なくとも次巻で究極能力を獲得するのは確実でしょう。なにせ二人はピコとガラシャと一緒にかまくら?の中で談笑中でしたから。
ピコとガラシャはミカエルの「天使長の支配」の影響を受けており、そのミカエルはオベーラの脱走に切れて全員に「天使長の支配」を使ったようです。つまり確実に、かまくら擬きの中で戦闘が始まっているでしょう。相手は究極能力保有者ですから自身も究極能力獲得に動くことでしょう。
ヴェルザード
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第42話「魔王達」より引用
世界に四体しか存在しない竜種の内一体であり長姉です。世界の属性における”水”にあたる存在で、漏れ出る魔素は強制的に周囲を凍てつかせるため”白氷竜”と呼ばれています。
ヴェルザードは、兄であるヴェルダナーヴァから究極能力『忍耐之王』を譲られていました。
そのためフェルドウェイにより『正義之王』の”天使長の支配“を受け、被支配状態に陥っています。支配に抗っていないようですが、ギィと殺し合う愛し合うことが目的で自身の望みと合致する為、弟妹同様究極能力『忍耐之王』は進化しそうです。
『忍耐之王〈ガブリエル〉』
ヴェルダナーヴァが世界を管理する為に創り出した七つの美徳系究極能力の内一つです。「状態の固定」を行う権能で、不測の事態に対応するために創り出されたどうです。
この権能と自身の水属性を昇華させることで、物質の停止による氷結を行っていると思われます。
存在値
詳しい存在値は公表されていませんが、4000万EPであるギィの倍以上とされています。なので最低でも8000万以上の存在値を保有していることになります。ヴェルドラが8800万EPですが、どちらが高いのでしょうか。どこかでヴェルドラの魔素量が一番高いとリムル様が言っていた気がしますが。
種族は最上位聖魔霊となる竜種で、属性は水を司っています。それにより権能とは別に”停止”の特徴を持っており、権能による「固定」と掛け合わせることが出来るようです
ヴェルザードはWeb版にて『忍耐之王』の他にも、大罪系究極能力『嫉妬之王』を獲得しています。また、『忍耐之王』と『嫉妬之王』を統合進化させて『氷神之王』を獲得しています。
レヴィアタンは陸・海・空の内、海の怪物と呼ばれた神の創造物ですので、水属性のヴェルザードと相性が良さそうです。また『嫉妬之王』は『忍耐之王』の対になる究極能力なので、『忍耐之王』の進化ではなく『嫉妬之王』による相殺という形で支配を脱するかもしれません。
シオンと同じ様にWeb版と同じ究極能力を獲得するのでしょう。
中庸道化連
中庸道化連はぶっちゃけ「万事屋」みたいな感じの組織です。会長のカザリームことカガリが「耳長族エルフの楽園である超魔導大国を復興し、みんなで笑って過ごせる場所を作る」という理念の基作り上げた組織を、神楽坂結城が乗っ取ってボスとなっています。
ボスであるユウキは聖人であり、カガリは‟妖天”へと覚醒しました。究極の権能を持つのはその2人ですが、副会長が曲者で中庸道化連の中でユウキの次に強い者がいます。それが「ラプラス」です。
ラプラス
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第38話「人魔会議」より引用
中庸道化連の副会長であり‟享楽の道化”として「笑う道化」の役割を背負っています。道化の中で最も思慮深く、命を大事にしていおり、お調子者のような外面からは想像しにくい性格をしています。
彼は”無冠の魔王”と称することが出来る魔王に匹敵する上位魔人であり、自身の手札を効率よく運用する所謂「上手い戦い方」をするタイプです。
ユニークスキル
ラプラスの保有するユニークスキルは2つあります
詐欺師〈アザムクモノ〉
『詐欺師』は催眠系の権能で、効果は「相手の認識を偽装する」というものです。自身や自身の所有物、あるいは他者への認識を誤認させ、欺く能力です。認識への干渉が五感全てに当たるのか、限定的なのかは分かりません。しかし、認識の誤認は「BLEACH」の『鏡花水月』のように戦闘中に使うことで絶大な効果を発揮することでしょう。
未来視〈ミエルモノ〉
『未来視』は予測系の権能で、効果は「数秒先の未来を視る」というものです。未来予測ではなく確定結果なので、視えた未来は絶対に外れません。これにより、手を出す前にその攻撃が通用するのかが分かります。
これを『詐欺師』と組み合わせることで、相手に千差万別の戦闘手段を植え付け翻弄することができます。
存在値
ラプラスの存在値は100万ちょっとであり、それだけならば覚醒者の中でも最底辺の部類です。同僚のティアやフットマンにさえ劣ります。
種族は‟妖死族”と呼ばれる、禁忌呪法『妖死冥産』でのみ発生する特殊な種族です。また「妖死族になる前は元勇者である」という衝撃の遍歴を持っているためか、特殊個体の妖死族となっています。この種族がどのような特徴を持っているのかは分かりませんが、存在値の大きさと精神の成熟が反比例するそうです。ラプラスは記憶はなくとも元勇者であるためか、存在値のバランスがちょうど良かったのかは分かりませんが、存在値と精神のバランスが安定しています。
さらに元勇者としての技量はそのまま受け継がれているので、存在値は低いながらもユニークスキルと技量によって高い実力を誇ります。
最低限の覚醒者としての存在値、元勇者としての資質、および自身の能力を自在に操る賢さがあるので、あとは適正さえあれば究極能力を獲得できると予想しています。
獲得する究極能力〈アルティメットスキル〉の予想
ラプラスのボスであるユウキと会長のカガリは聖書系でしたが、勇者時代の「サリオン・グリムワルド」であった頃の妻である「シルヴィア・エル・リュ」はインド神話系である『雷霆之王』を保有しています。現在ラプラス達と敵対しているジャヒルもインド系の『火焔之王』を保有しています。もしや風精人の系譜はインド系に寄るのかな?
どっちにしようか迷いますがとりあえずインドラの系譜から探っていたら、自分的にラプラスぴったりの神様を発見してしまいました。それが「ブラフマー」です。
ブラフマーはインドの3人いる最高神の内1人であり、「創造神」とか「言葉の王」とか色々と称されているそうです。また、アジアの帝釈天に対する梵天といった感じで最高神のような立場にあります。
最初にブラフマーを思いついたときは「ユウキのパシリにしては最高神は荷が勝ちすぎるな」と思っていました。しかし、ブラフマーは他の2柱に比べ信仰が薄いようです。なので心理的ハードルがだいぶ下がりました。それでも道化に創造神は重過ぎると思ったのですが、「ブラフマーは〈ブラフマン〉の神格化である」的な記述をwikiで目にした瞬間「これだ!」と思いました。
ブラフマンとは古代インドにおける宇宙の根源(世界の最小単位?)を意味するそうですが、私が目を付けたのはワードです。ブラフマンを英語で直訳すると「ハッタリ男」ですよ。めちゃくちゃ似合ってるじゃないですか。
そこで私はユニークスキル『詐欺師』を進化させたと仮定しました。ブラフマーの創造にあたる権能を「実像の伴う幻覚」の権能「認識支配」ということにして究極能力『虚栄之王』を考え付きました。
なのでラプラスが究極能力を獲得するとしたら『虚栄之王』であると予想します。
とはいってもラプラスは生死不明の状態ですし、生きていてもこれ以上修羅場に出番があるのかは分かりません。一応敵勢力はまだ蟲魔勢力と幻獣勢力がいるので味方側の苦境は続くと思いますが。
“黄金郷”エルドラド
基軸世界に存在する三つの大陸の内、南側の大陸全土を統べる国が”黄金郷”エルドラドです。大陸中心部にある活火山の多種鉱床を恵みとして商業利用している国で、活火山の傍に中央首都が位置しています。また領内に地獄門が存在するので、噴火と合わせて悪魔襲撃による被害を防止する都市構造となっています。
レオン・クロムウェル
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第46話「魔王達の宴 ~ワルプルギス~」より引用
都市の構造そのものを魔法陣として取り入れた、機能性と景観を併せ持つ都市建設計画を手動したのが、魔王レオンです。どうやら異世界に転移する前は建築家になることが夢だったようで、その美的センスは大手ゼネコン勤務だったリムルを唸らせていました。
レオンはクロエ同様、18巻終盤にフェルドウェイの『正義之王』により‟天使長の支配”を受け、被支配状態に陥っています。
私は、究極能力の更なる進化で絶対支配を打ち破ると考えているので、今後レオンも究極能力を進化させるのではないかと予想しています。
『純潔之王〈メタトロン〉』
『忍耐之王』と同様に、より純粋で上位となる美徳系究極能力の一つです。『純潔之王』は「混ざり合うものを選別し干渉防止する」および「選別したものを操作する」権能となっています。詳しい内容は分かりませんが、純粋なエネルギーを選別するための権能で、聖なる属性の究極の力とされてます。
これにより、最強の神聖魔法である「霊子崩壊」の操作を容易にし、身体や武器の周囲に霊子を常時展開するという反則技を可能にしています。これはおそらく、周囲の物質から霊子を選別し操作しているためでしょう。
また本領は大規模殲滅に特化した権能とされているので、物質や現象からエネルギーのみを選別し攻撃に使うことが出来るのでしょう。
獲得する究極能力〈アルティメットスキル〉の予想
Web版小説では支配されなかったため、『純潔之王』は進化されませんでした。しかし小説では支配されたので、脱するために究極能力を進化させるでしょう。魔国連邦の地下迷宮にディーノと共に攻め込んで、「クロエと相対し、クロエへの想いから支配に打ち勝つ」みたいな感じで。
引用する神性は「アブホース」がいいのではないでしょうか。アブホースはwikiより「絶えず分裂体たる落とし子を産み出しては即、触手で捕まえて貪り食っている。」とあります。これは『純潔之王メタトロン』の「選別による分離・再利用」に通ずるのではないでしょうか。
あてがうワードが難しいですね。「輪廻」がいいと思ったのですが、それは『希望之王』の関連ワードなので破棄ですね。「回帰」とかのワードも良さそうですが、普通に「純潔」をさらに良さげな語にして「純真」でいいかな。『純真之王』って感じで。
私が究極能力を獲得すると予想する魔物は以上です。
獲得する究極能力の予想は楽しいですが難しいですね。とりあえずカリオンとフレイはギリシャ神話に統一しましたが、その旧約聖書とかの他の神話でも色々考えられそうなんですよね。
実際に獲得するかどうかとかもっとマッチしているのがあるとかあると思いますが、私はそれでいいです。私自身は他人の考察とか読むの凄い好きなので、沼らないように注意しなきゃいけないほどです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。次回もよろしくお願いします。
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